テノリライオン

書庫版あとがき--ルルヴァードの息吹

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corelli

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「TheWayHome」で負傷したバルト君の喉を治しちまおうというお話。

その頃の記憶が早くもうっすらとしていて自分でも驚きなのですが(笑)、彼の声を封じた当時から、それを復活させるので一本書こうと目論んでいた……ような。
もしくは「みんな愛のせいね」で、喋れない状態の彼を心ゆくまで書いて満足したのかもしれない。
そしてこの頃から、キャラの好き勝手な独走が本格的にひどくなってきたような気がします(笑)。

これまでずっと団体行動をしてきた彼らを分断し、更に話の本筋とは関係のないエピソードも多少入れるという、まあ個人的にはかなりの進歩である試み(笑)も兼ねまして、やっていて色々と楽しかった。

今回のお話は、相方を思うルカの無謀一歩手前とも言える独断と、その行動を発端としたものでありますが。
彼の怪我を治せそうな手段を見つけはしたけれど、そこへ到る手段を仲間達に話したら、自分の身を案じて止められてしまうだろう。それでもやりたいと言えば、止める代わりに協力すると言い出すに違いない。しかしその「手段」に仲間を巻き込みたくはない。でもどうしても治したい、手掛かりが欲しい。だから内緒で、一人でやる――
そういう、ともすれば短絡的で自己中心的な「間違っていると判っていてもやらずにはいられない」という行動は、得てしてハタ迷惑であったり、人に不快感や心労を与えるモトになったりするものだと思います。
けれどそういう出鱈目な衝動を目の当たりにした時、そいつをひどく人間的で愛しいと思ってしまう自分がいたりする訳で。
その行動が起こす影響もちゃんと正しく考えた、それが賢くない事も理性によって重々承知、でもどうしてもやりたいんだー!なんて暴走の仕方をされると、そのどうしようもなさが可愛くて気付けば許している私。

なんてことを書きたかったのかもしれない、当時の私は。


多分この向こうあたりに彼のメモ帳が落ちている。ノーグに通じる滝の裏から、ユタンガ。



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