テノリライオン
06-09-13
最終更新:
corelli
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#blognavi
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知らないものはないのと同じ。
初めて行ったサソリBCでいきなり価値も知らない劇毒サソリの爪を一発で引き当てLS諸氏の壮絶なヘイトを買ったり、それが300万で売れてシーフの最終装備ブラオドルヒ購入にリーチがかかったり、そのリーチを上がりに持って行く為に今をときめくチョコエリクサーで一山当てようと目論んだりして何だかせわしない日々であります。
とまあそんな今日この頃、天文界隈では冥王星が惑星から外れる公算が強くなったりとかしているようで。
冥王星は惑星としては小さすぎるから外せ、いや今更それはないから冥王星は入れろ、じゃー冥王星ぐらいのサイズのセレスもカロンも2003UB313も入れてやれ、新ジャンル冥王星キタコレ、などなどと侃々諤々、二転三転七転八倒していたようですが。
どうやら「太陽の周りを回り、自らの重力で球状となる天体」かつ「軌道周辺地域で圧倒的に大きい天体」という定義にシンプルに落ち着き、結果として冥王星は「惑星」から除外されそうなムードであります。
冥王星は惑星としては小さすぎるから外せ、いや今更それはないから冥王星は入れろ、じゃー冥王星ぐらいのサイズのセレスもカロンも2003UB313も入れてやれ、新ジャンル冥王星キタコレ、などなどと侃々諤々、二転三転七転八倒していたようですが。
どうやら「太陽の周りを回り、自らの重力で球状となる天体」かつ「軌道周辺地域で圧倒的に大きい天体」という定義にシンプルに落ち着き、結果として冥王星は「惑星」から除外されそうなムードであります。
まあ取り立てて冥王星に思い入れがある訳ではないし、某ネズミに飼われている某黄色い犬もかえってもてはやされて、せいぜい具体的に困るのはセーラー戦士達のごく一部ぐらいじゃないんですかねえ。
などと無責任に(いやどこに責任を取る必要もないのですが)構えていた私の目を引いたのが、「冥王星が除外される事で占星術に影響はないのか?」という疑問に、某占い師が答えて曰くの毎日新聞。
などと無責任に(いやどこに責任を取る必要もないのですが)構えていた私の目を引いたのが、「冥王星が除外される事で占星術に影響はないのか?」という疑問に、某占い師が答えて曰くの毎日新聞。
「(冥王星を)惑星と呼ばないようにするだけで、冥王星そのものが消えてなくなる訳ではない。 占星術としては問題ない」
……いやぁ。
占いってのはこう、つくづくご都合主義というかこじつけというか……まあ、いいんですけどね。
占いってのはこう、つくづくご都合主義というかこじつけというか……まあ、いいんですけどね。
Wikipediaによれば、冥王星の発見は1930年。 海王星が何やら怪しい動きをするという疑いから始まり、その影響源を探って、当時最新の天体写真という技術を使い発見されたという。
その計り知れない遠さからすれば当然だが、かの星は肉眼では発見し得ない。 つまり極めて「科学的な」手段をもって、人の知る所となった星だった。
その計り知れない遠さからすれば当然だが、かの星は肉眼では発見し得ない。 つまり極めて「科学的な」手段をもって、人の知る所となった星だった。
そしてその小さな星は惑星の地位を得、PLUTOと名付けられた。 太陽系の最も遠く深く、冥府にあるという意味で。
占星術師達は飛び付いた。 実際に飛んだかどうかは知らないが、少なくともこの「惑星」を受け容れ、彼らの学問に取り入れた。 この星に役柄を与え、その動きに意味を与えた。
余談だが、かの有名な交響組曲「惑星」に冥王星の楽章はない。 作曲当時にまだ発見されていなかったからだ。 発見の知らせは作曲者ホルストの存命中に流れたが、彼はこの章を追加する意欲を見せなかったという。
占星術師達は飛び付いた。 実際に飛んだかどうかは知らないが、少なくともこの「惑星」を受け容れ、彼らの学問に取り入れた。 この星に役柄を与え、その動きに意味を与えた。
余談だが、かの有名な交響組曲「惑星」に冥王星の楽章はない。 作曲当時にまだ発見されていなかったからだ。 発見の知らせは作曲者ホルストの存命中に流れたが、彼はこの章を追加する意欲を見せなかったという。
占星術師は冥王星を示して言うだろう。「この星の運行が、我々の命運に強く関わっているんだよ」と。
どうして? と尋ねられた時に、彼は何と答えるか。
「何故ならこれは我々と同じ、太陽を巡る惑星だからさ。 プルートと言ってね、冥界の王の名前を持っているんだ。 太陽から一番遠い所を回っていて……」
きっとそんな風に説明するのではなかろうか。
どうして? と尋ねられた時に、彼は何と答えるか。
「何故ならこれは我々と同じ、太陽を巡る惑星だからさ。 プルートと言ってね、冥界の王の名前を持っているんだ。 太陽から一番遠い所を回っていて……」
きっとそんな風に説明するのではなかろうか。
76年前。 遙か遠く発見された月よりも小さいあの星を、もし誰も「惑星」と呼ばなかったならば。
占星術師達は、海王星までの8つの惑星だけで「営業」していたのだろう。
それで何の不都合もない。 齟齬も矛盾もなく、未来永劫に易は成る。 術師の誰一人として「あの遠い星を9つ目の惑星として数えなければいけない! 見よ、さもなければ我々の占いの結果に食い違いが生じるではないか!」と叫ぶ事はない。
セレスもカロンも2003UB313も、占星術の舞台のメインキャストには選ばれなかった。 「惑星」という履歴書を持っていなかったからだろう。
資格を持つ9つの「惑星」達は、それ以外の星々を従えて、占星術師達の舞台と歴史を華麗に彩ってきた。
占星術師達は、海王星までの8つの惑星だけで「営業」していたのだろう。
それで何の不都合もない。 齟齬も矛盾もなく、未来永劫に易は成る。 術師の誰一人として「あの遠い星を9つ目の惑星として数えなければいけない! 見よ、さもなければ我々の占いの結果に食い違いが生じるではないか!」と叫ぶ事はない。
セレスもカロンも2003UB313も、占星術の舞台のメインキャストには選ばれなかった。 「惑星」という履歴書を持っていなかったからだろう。
資格を持つ9つの「惑星」達は、それ以外の星々を従えて、占星術師達の舞台と歴史を華麗に彩ってきた。
ところが、その履歴書の一つが今、それを与えた者によって破棄されようとしている。
そもそも規格があいまいだったのだ。「惑星」を名乗る為の資格を改めて精査してみたら、何と一人不適合者が出てしまった。
だがもう舞台は動いている。 観客がそれを観ている。 物語は成立している。 どこにも綻びなどなかった。
それはそうだ。綻びなど「無いように」、もう冥王星にも十分に必然性を与えてしまったのだから。
その一人を失脚させず、適合としようとする動きもあった。 しかしそれを通せば、それによって「適合」に昇格し舞台に殺到する惑星が50もあったのだ。
結局、冥王星に当たるスポットライトは消される事となった。
そもそも規格があいまいだったのだ。「惑星」を名乗る為の資格を改めて精査してみたら、何と一人不適合者が出てしまった。
だがもう舞台は動いている。 観客がそれを観ている。 物語は成立している。 どこにも綻びなどなかった。
それはそうだ。綻びなど「無いように」、もう冥王星にも十分に必然性を与えてしまったのだから。
その一人を失脚させず、適合としようとする動きもあった。 しかしそれを通せば、それによって「適合」に昇格し舞台に殺到する惑星が50もあったのだ。
結局、冥王星に当たるスポットライトは消される事となった。
しかし舞台演出家は動じない。 今後も変わらず、その一人を舞台に上げ続けるという。
もはや配役を変えるには遅すぎたのだ。 科学のスポットライトが消えても、彼を舞台から降ろせない。
そうするにはもう、彼に「意味」を与えすぎてしまった。
科学によって発見され、科学によって与えられた「惑星」という履歴書があったからこそ舞台に引き上げたのに、その履歴書が科学によって失効しても耳を貸さない。
占いってのは結局「人によるこじつけ」なんだよなあと、つくづく思うわけだ。
もはや配役を変えるには遅すぎたのだ。 科学のスポットライトが消えても、彼を舞台から降ろせない。
そうするにはもう、彼に「意味」を与えすぎてしまった。
科学によって発見され、科学によって与えられた「惑星」という履歴書があったからこそ舞台に引き上げたのに、その履歴書が科学によって失効しても耳を貸さない。
占いってのは結局「人によるこじつけ」なんだよなあと、つくづく思うわけだ。
――つってもまあ実際、今更「惑星じゃないそうなので、冥王星は占いから消えまーす」とも言いづらいのでしょう。 へびつかい座とやらも結局定着しているのかどうか怪しいし、歴史ある占星術界は変化が苦手と見えます。
それにしても「問題ない」にはちょっと引いたというのが正直な所。 冥王星を発見してくれた科学と不可分な占星術なのだから、この決定をまるまる無視するのではなく、この度冥王星が新たに分類される矮惑星だかDwarf Planetだかを研究対象に盛り込んでいく、とかそういう対応にはならないのだろうか。
それにしても「問題ない」にはちょっと引いたというのが正直な所。 冥王星を発見してくれた科学と不可分な占星術なのだから、この決定をまるまる無視するのではなく、この度冥王星が新たに分類される矮惑星だかDwarf Planetだかを研究対象に盛り込んでいく、とかそういう対応にはならないのだろうか。
まあ当たるも八卦、当たらぬも八卦。 人が造り人が縋る「占い」は、迷える人々の背中をちょいと押してやるのがお仕事なのです。
弱気な女の子がクラスの男子に告白する為の勇気は、遙かな冥王星が与えようが、路傍に咲く花びらの枚数が与えようが同じなのですから。
弱気な女の子がクラスの男子に告白する為の勇気は、遙かな冥王星が与えようが、路傍に咲く花びらの枚数が与えようが同じなのですから。
カテゴリ: [雑記] - &trackback() - 2006年09月13日 23:23:38