テノリライオン

06-10-04

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corelli

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プログラマ脳。

エンジニア★流星群 @Tech総研「理系の人々」にて、炎多留レビューを拝見して以来巡回対象となっているDANCOM管理人、SEにしてイラストレーターよしたに氏の今週の連載に寄せて。

大学を出て初めて就いたシステム開発の仕事を辞めてから、気付けばもう6年ほどが経っているわたくし。
当然のようにIT界の時流とか先端とかからは華麗に離脱しまくっているとは言え、そこは三つ子の魂百までと申しましょうか。 プログラムやらシステムやらの「匂い」には、今でも敏感に反応してしまいます。 実際そのテのものが好きでもあるし。

だいぶん前の話になりますが、三和銀行と東海銀行(もはや懐かしい)とが合併してシステム統合をした際に、強烈なシステムトラブルを起こして入出金等に狂いが生じ、キャッシュディスペンサー利用を始めとした銀行機能が麻痺するという事故があった日。
その時私は確か何か買い物をしようと、新宿西口駅の前、カ○ラはヨ○バシカメ○へと向かっている所でした。
外出していてニュースなどは見ておりません。 さて念の為少しお金を下ろすかと、ヨド○シのすぐ近くにある銀行に入りました。
おや、何だかものものしい騒ぎです。 何だろうと思いながらも恐る恐るキャッシュディスペンサーに近づこうとする私の傍らに、素早く行員さんの一人がやって来て頭を下げながら言いました。

「申し訳ございませんお客様、こちら只今、ご預金のお引き出しをして頂けない状況になっておりまして……」
「え……あ、そうなんですか? 何か……」

驚いて問い返すと、申し訳なさそうな表情に少し疲れを滲ませた行員さんは答えました。

「はい、実は私どもの新しいコンピュータシステムの方に少々トラブルが発生致しまして。 ですので大変恐縮なのですが、安全の為に一旦お取引を停止させていただいている状態でございまして……」
「――っ!! すっ、すいませ……っ!! い、いえ、そうでしたか、それは……」

システムトラブルと聞いて、危うく脊髄反射的に謝りそうになる私。
何しろ十八番とまでは言いませんが、現職中に銀行取引に関係するシステムの開発に携わった事は一度や二度ではありません。すなわち「銀行のシステムが止まった」というセリフは、「お前のプログラムがダメだったせいで大勢の人間に迷惑がかかっている」に等しい意味を持って聞こえたりして。
思わず出かけた謝罪の言葉を必死で呑み込み、ものすごい他人事ではない感から来るイヤな汗をかきつつ、そうですかご苦労様ですどうか頑張ってくださいと精一杯のお辞儀をしてその場を去りました。

システムが本番稼働してからの致命的トラブルというのは本当に恐ろしいです。
何と言うんでしょう例えるならば、お金をもらって躾やトレーニングをしてお返しした犬が、飼い主さんの所で暴れちゃったようなすいません感。 物的損害まで出ちゃって更に申し訳ない感。 感っていうか、その犬をもう一度しかも迅速に今度こそきっちり躾しなおして返さなければならないという切迫したクエストもプラスで。

こういう場合は(大体において)とにかく急いで正確に直さなければならないのですが、何しろプログラムってのは「あちらを立てればこちらが立たず」の地雷を宿命的に抱えているものです。
ここを直したらこっちがダメになった、慌ててそこに手を加えたら今度はこっちがダメになった、なんてパズル的シーソーゲームが始まったらもう目もあてられません。
つーか焦ってるとこれがまたやりがちなんだ。 それで収拾つかなくなるんだ。
え、なになに、テンパってそんな低レベルな修正をするのはお前だけだと。 すいません仰る通りです。 ピンチと〆切と人の視線に滅法弱いタイプです。

なーんて事を、よしたに氏の4コマ漫画を見て思い出しましたとさ。


カテゴリ: [雑記] - &trackback() - 2006年10月04日 21:53:40
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