テノリライオン
06-11-05
最終更新:
corelli
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FF11における「クエスト」について。
先日、カザムのクエ「トンベリーニョ」を完遂しまして。
発売日組Lv75で今更かよ、というツッコミも敢えて辞さずに書いてみる。
発売日組Lv75で今更かよ、というツッコミも敢えて辞さずに書いてみる。
カザムの一画にある納屋の引き戸を開けようとすると、そばで見張っているらしきミスラに「やめろー!」と止められた。 必死の面持ちの彼女は、どうやらそこに何かを隠しているらしい。
ならばと彼女を好物の魚で釣り、そのスキに引き戸をしたーんと開けてみた。 すると何とそこには緑の肌と包丁を持った、小さな怪しいモンスターが一匹。
観念したミスラ曰く、どうやら包丁の切れ味が落ちたことで自信をなくしたらしいトンベリを匿っているのだそうだ(ちょっとうろ覚え)。
ならばと彼女を好物の魚で釣り、そのスキに引き戸をしたーんと開けてみた。 すると何とそこには緑の肌と包丁を持った、小さな怪しいモンスターが一匹。
観念したミスラ曰く、どうやら包丁の切れ味が落ちたことで自信をなくしたらしいトンベリを匿っているのだそうだ(ちょっとうろ覚え)。
なんとかならないか、と彼女から依頼を受け、まずは同じカザムの武器屋に足を向ける。 と、武器職人の一人から「ウガレピ寺院の奥には調理場がある。 そこにいるトンベリの持つ包丁は恐ろしい切れ味を誇り、この世に切れないものはないとまで言われているんだ」という話を聞かされた。
そしてウガレピ寺院。
石造りに蔦の絡まる薄暗い通路を分け入ると、噂のままの調理場らしき小さな部屋へと辿りつく。
年季の入った厨房。 鍋をかきまぜたり下ごしらえをしたり、茶色いコートを着たは虫類のようなトンベリ達が、黙々と何やら料理を作っている。
その中に、包丁を持って食材を切っているトンベリを見つけた。 近寄り、後ろから声をかけると。
石造りに蔦の絡まる薄暗い通路を分け入ると、噂のままの調理場らしき小さな部屋へと辿りつく。
年季の入った厨房。 鍋をかきまぜたり下ごしらえをしたり、茶色いコートを着たは虫類のようなトンベリ達が、黙々と何やら料理を作っている。
その中に、包丁を持って食材を切っているトンベリを見つけた。 近寄り、後ろから声をかけると。
「……切レナイモノ、ナイ…………」
どうやら包丁の切れ味に絶大な自信があるらしい。 その寡黙な背中はどこか得意げですらある。
私は一枚のまな板を取り出した。 道中で剣を交えたトンベリから得たものだ。 そっと彼の前に差し出す。
私は一枚のまな板を取り出した。 道中で剣を交えたトンベリから得たものだ。 そっと彼の前に差し出す。
「…………切レナイ……!!」
トンベリ包丁をゲットした!
いやぁ、ほんとバカでいいクエだなぁと思った訳ですよ(笑)。
「矛盾」を包丁とまな板でやるのかよ、という。
「矛盾」を包丁とまな板でやるのかよ、という。
そんなカザムのクエは、聞けばウィンダスのシナリオ担当者が作っているそうで。 やっぱり面白いなぁというか、味が出てるなと思う事しきり。
で、これと平行してラバオの「夢追い旅」というクエもやりましてですね。 まあ場所柄バスのシナリオ担当によるものでしょう。 あれ、サンドだったかな?
こちらはちょっと長いクエで、まぁ極力要約すると以下のような内容です。
で、これと平行してラバオの「夢追い旅」というクエもやりましてですね。 まあ場所柄バスのシナリオ担当によるものでしょう。 あれ、サンドだったかな?
こちらはちょっと長いクエで、まぁ極力要約すると以下のような内容です。
ラバオの荷運び娘、サンクティアが突然姿をくらました。
彼女の父親はギャンブルなどで多額の借金をこしらえ、父娘で返済の日々を送っている。 そんな彼女の耳に、ある話が入ったらしい。 賞金首を捕まえて莫大な報奨金を得たという、タブナジアの英雄の逸話だ。 もしや、自分も一攫千金を――などと考えて飛び出していってしまったのだろうか。
だとすればまずはノーグに行ったのではないだろうかという、彼女と懇意にしていたガルカの助言に私は従った。
昼なお暗い、岸壁の隠れ里に着く。 テーブルを囲んで飲んだくれる海賊どもから、最近やって来て捕まったおかしな二人組がいる、という噂を聞きつけるも、「俺らと話をしたきゃ、今まで俺が飲んだ事のないような逸品を持ってきな、冒険者さんよ」と意地悪くあしらわれてしまった。
途方にくれていると、すぐそばにいたおかみさんが何やら手渡しながらそっと私に耳打ちする。
「コロロカっていう洞窟にある大きな貝から、この革袋に水を汲んでおいで――」
彼女の父親はギャンブルなどで多額の借金をこしらえ、父娘で返済の日々を送っている。 そんな彼女の耳に、ある話が入ったらしい。 賞金首を捕まえて莫大な報奨金を得たという、タブナジアの英雄の逸話だ。 もしや、自分も一攫千金を――などと考えて飛び出していってしまったのだろうか。
だとすればまずはノーグに行ったのではないだろうかという、彼女と懇意にしていたガルカの助言に私は従った。
昼なお暗い、岸壁の隠れ里に着く。 テーブルを囲んで飲んだくれる海賊どもから、最近やって来て捕まったおかしな二人組がいる、という噂を聞きつけるも、「俺らと話をしたきゃ、今まで俺が飲んだ事のないような逸品を持ってきな、冒険者さんよ」と意地悪くあしらわれてしまった。
途方にくれていると、すぐそばにいたおかみさんが何やら手渡しながらそっと私に耳打ちする。
「コロロカっていう洞窟にある大きな貝から、この革袋に水を汲んでおいで――」
「何だこりゃ、味も何もねぇじゃねぇか!」
私が汲んできた水を飲むや、男は乱暴にそう言った。 しかしそこにおかみさんが進み出てぴしゃりと叱責する。
「いいかげんにおし。 その水はね、この世で一番身体にいい水だよ。 ちゃんと味わってごらん、あんたは酒浸りになってその美味さもわからなくなってんのかい」
ぐ、と言葉に詰まる海賊。 げに強きは女性の配慮か。 彼は懐から小さなカギを取り出すと、噂の二人組がノーグの一室に拘留されている事を教えてくれた。
私が汲んできた水を飲むや、男は乱暴にそう言った。 しかしそこにおかみさんが進み出てぴしゃりと叱責する。
「いいかげんにおし。 その水はね、この世で一番身体にいい水だよ。 ちゃんと味わってごらん、あんたは酒浸りになってその美味さもわからなくなってんのかい」
ぐ、と言葉に詰まる海賊。 げに強きは女性の配慮か。 彼は懐から小さなカギを取り出すと、噂の二人組がノーグの一室に拘留されている事を教えてくれた。
早速、その扉の番をしているガルカに面会を申し出る。 が、のっそりと動いたガルカと共に出て来たのは、白いモーグリが一匹きりだ。 モーグリは可愛い声で誇らしげに言った。
「サンクティアなら、プリズムパウダーで姿を隠して逃がしたクポ!」
やはりサンクティアはここに来ていた。 しかし彼女が逃げ込んだ先は、癇癪持ちの女海賊が船長を務める海賊船らしい。 しかもその船長は、サンクティアが追い求める英雄に恨み骨髄。 そんな所に潜り込んだのがバレたが最後、あっという間に魚のエサにされてしまうだろう。
海賊船の行く先は西の工業都市と聞き、モーグリは慌てて後を追った。
「サンクティアなら、プリズムパウダーで姿を隠して逃がしたクポ!」
やはりサンクティアはここに来ていた。 しかし彼女が逃げ込んだ先は、癇癪持ちの女海賊が船長を務める海賊船らしい。 しかもその船長は、サンクティアが追い求める英雄に恨み骨髄。 そんな所に潜り込んだのがバレたが最後、あっという間に魚のエサにされてしまうだろう。
海賊船の行く先は西の工業都市と聞き、モーグリは慌てて後を追った。
バストゥーク港でひっそりと「営業」する、天晶堂バストゥーク支店で、役員らしき男が呟いた。
「ったく、あの女船長は血も涙もねぇな。 ま、盗賊団のカシラをお縄にした例の英雄の話さえしなけりゃ、あの娘も箱詰めにまではされなかったんだろうが」
どうやらサンクティアは見つかってしまっていたようだ。 無情にも海に放り出されてしまったのだろうか。
と、そこに従業員の一人がやって来て彼に言う。
「すいません、『東方の玉壁』が5つほど足りないのですが――」
「なに? その荷箱をチェックしたのはお前だろう。 お前の責任だ、何とかしろ」
「は……」
頭を下げて戻っていく従業員のガルカ。 男との話を切り上げ、私はその後ろ姿を追う。 持ち場に戻った彼と話をすると、サンクティアが詰められた箱と無関係ではないらしい。
ここはギブアンドテイクだ。 私は海蛇の洞窟へと向かい、そこのサハギンが持つ『東方の玉壁』を5つかき集め、情報料としてガルカに手渡した。
「ああ、あの娘はサンクティアという名なのか。 言葉を交わしはしなかったから判らなかったが……。 実はな、荷下ろしの時点であの箱がカラだというのは気づいていたんだ。 何しろ代わりにあの娘が入っていたんだからな。 誰かが機転を利かせて、海に放り込まれる前に入れ替えて助けてやったんだろう。 ん、彼女はどうしたかって? 恐らくセルビナに向かったと思うが。 近くの海岸に妙な闇の吹き溜まりがあって、そこからタブナジアに行けるという船乗りの噂があるからな」
「ったく、あの女船長は血も涙もねぇな。 ま、盗賊団のカシラをお縄にした例の英雄の話さえしなけりゃ、あの娘も箱詰めにまではされなかったんだろうが」
どうやらサンクティアは見つかってしまっていたようだ。 無情にも海に放り出されてしまったのだろうか。
と、そこに従業員の一人がやって来て彼に言う。
「すいません、『東方の玉壁』が5つほど足りないのですが――」
「なに? その荷箱をチェックしたのはお前だろう。 お前の責任だ、何とかしろ」
「は……」
頭を下げて戻っていく従業員のガルカ。 男との話を切り上げ、私はその後ろ姿を追う。 持ち場に戻った彼と話をすると、サンクティアが詰められた箱と無関係ではないらしい。
ここはギブアンドテイクだ。 私は海蛇の洞窟へと向かい、そこのサハギンが持つ『東方の玉壁』を5つかき集め、情報料としてガルカに手渡した。
「ああ、あの娘はサンクティアという名なのか。 言葉を交わしはしなかったから判らなかったが……。 実はな、荷下ろしの時点であの箱がカラだというのは気づいていたんだ。 何しろ代わりにあの娘が入っていたんだからな。 誰かが機転を利かせて、海に放り込まれる前に入れ替えて助けてやったんだろう。 ん、彼女はどうしたかって? 恐らくセルビナに向かったと思うが。 近くの海岸に妙な闇の吹き溜まりがあって、そこからタブナジアに行けるという船乗りの噂があるからな」
セルビナの村長は、サンクティアを見かけていた。
「おお、その娘さんならずいぶん前に村から出て行ったぞ。 何やら賞金稼ぎについて興味があったようじゃが……なに、あの娘はタブナジアに行きたがっていたと? ならあの渦へ向かったのじゃろうか。 危険だから近づくなというお達しも出ているというのに。 無事だといいがのう――」
「おお、その娘さんならずいぶん前に村から出て行ったぞ。 何やら賞金稼ぎについて興味があったようじゃが……なに、あの娘はタブナジアに行きたがっていたと? ならあの渦へ向かったのじゃろうか。 危険だから近づくなというお達しも出ているというのに。 無事だといいがのう――」
――ようやく追いついた。
白いモーグリを従え、今まさにルフェーゼ野に向かおうとする、質素な皮鎧に身を包んだ少女が振り返る。 純朴そうな表情に決意を滲ませて彼女は言った。
「私は賞金稼ぎになるのよ! それで、貧乏で臆病でとろい私は生まれ変わるの! パパなんかきっと、私がいなくなった事にだって気づいてやしないわ。 私の誕生日だって覚えてないくらいだもの」
そんな事はない、それに世界には危険がいっぱいだと説得する、私の声にもモーグリの言葉にも彼女は耳を貸そうとしない。
「まぁきっと大丈夫よ! パパにもおじちゃんにもそう伝えておいて!」
最後にそう言うと彼女は身を翻し、さっさと走って行ってしまった。 呆れ顔のモーグリはその後を追う。
とりあえず自分がついていくから、何とか危険な目には遭わせずに済むだろうと私に言い置いて――
白いモーグリを従え、今まさにルフェーゼ野に向かおうとする、質素な皮鎧に身を包んだ少女が振り返る。 純朴そうな表情に決意を滲ませて彼女は言った。
「私は賞金稼ぎになるのよ! それで、貧乏で臆病でとろい私は生まれ変わるの! パパなんかきっと、私がいなくなった事にだって気づいてやしないわ。 私の誕生日だって覚えてないくらいだもの」
そんな事はない、それに世界には危険がいっぱいだと説得する、私の声にもモーグリの言葉にも彼女は耳を貸そうとしない。
「まぁきっと大丈夫よ! パパにもおじちゃんにもそう伝えておいて!」
最後にそう言うと彼女は身を翻し、さっさと走って行ってしまった。 呆れ顔のモーグリはその後を追う。
とりあえず自分がついていくから、何とか危険な目には遭わせずに済むだろうと私に言い置いて――
えー、会話等うろ覚えの所は相当適当に作っちゃいましたが(爆)、流れは上記の通りです。
長いですねぇ。 壮絶なお使い&アイテム持ってこいクエです。 いやその分報酬もかなりいいんですけどね。
長いですねぇ。 壮絶なお使い&アイテム持ってこいクエです。 いやその分報酬もかなりいいんですけどね。
……で、何が言いたかったんだっけ(笑)。
ああそうそう、クエの「面白さ」についてだった。 あんまり説明が長くて忘れるとこですよw
ああそうそう、クエの「面白さ」についてだった。 あんまり説明が長くて忘れるとこですよw
この二つを例にとって言うならば、ずばりお話として「オモシロイ」のは、トンベリーニョの方だと思うんですね。 それなりに筋も通った上でコミカルというか、笑いを誘う。
一方夢追い旅の方はと言うと、サンクティアという少女の後を追う、その過程が少々散漫というか。 色々と要素は出てくるけれど、それらの互いの関連性があまり強くない感じがする。 まな板というヒントもないトンベリーニョに比べ、必要なアイテムや次にどこに行けばいいのかも提示されて判りやすいと言えば判りやすい、クエストとして正しい姿だとも言えますが、反面やや説明的で味気なく、ご都合主義に過ぎると言う事もできる。
ただ、そんな風に感じてしまうのは、恐らく他のクエとのオーバーラップ、重なりの部分を踏まえていないからじゃないかとも思います。
例えばコロロカの水を持ってこいと言ったおかみさんなんかは、他のクエで件の男達を賄うための極上酒に頭を悩ませてたりしているわけで。
そういう「全体的な物語」を見渡せば、このクエにも味わいというか深みが出て来るんだろうなと思います。
多層的、重厚なんですな。
一方夢追い旅の方はと言うと、サンクティアという少女の後を追う、その過程が少々散漫というか。 色々と要素は出てくるけれど、それらの互いの関連性があまり強くない感じがする。 まな板というヒントもないトンベリーニョに比べ、必要なアイテムや次にどこに行けばいいのかも提示されて判りやすいと言えば判りやすい、クエストとして正しい姿だとも言えますが、反面やや説明的で味気なく、ご都合主義に過ぎると言う事もできる。
ただ、そんな風に感じてしまうのは、恐らく他のクエとのオーバーラップ、重なりの部分を踏まえていないからじゃないかとも思います。
例えばコロロカの水を持ってこいと言ったおかみさんなんかは、他のクエで件の男達を賄うための極上酒に頭を悩ませてたりしているわけで。
そういう「全体的な物語」を見渡せば、このクエにも味わいというか深みが出て来るんだろうなと思います。
多層的、重厚なんですな。
が、悲しいかな、そういう「全体」を把握しながら、このヴァナ=ディールにある膨大なクエをこなすのはなかなか難しい。
友達と一緒にやっていて急いでいたり、他の事に気を取られていたり。 意識的にそれぞれの物語を追い覚え、それを思い出す事ができないと、断片として現れるばかりのお話には背景を見いだせず、印象にも残りません。
そういう点から見ると、いわゆる「深み」には欠けるものの、その一瞬のインパクトでトンベリーニョの方に「面白さ」の軍配が上がってしまうように思います。
大概は続きを見るまでに何日も期間を置かざるを得ず、かつ他の話も同時進行で見ながら通過する「クエスト」のストーリーには、多重的で重厚なものよりも、こういった単発的で刹那的な形態の方がよりマッチするような気がする。
友達と一緒にやっていて急いでいたり、他の事に気を取られていたり。 意識的にそれぞれの物語を追い覚え、それを思い出す事ができないと、断片として現れるばかりのお話には背景を見いだせず、印象にも残りません。
そういう点から見ると、いわゆる「深み」には欠けるものの、その一瞬のインパクトでトンベリーニョの方に「面白さ」の軍配が上がってしまうように思います。
大概は続きを見るまでに何日も期間を置かざるを得ず、かつ他の話も同時進行で見ながら通過する「クエスト」のストーリーには、多重的で重厚なものよりも、こういった単発的で刹那的な形態の方がよりマッチするような気がする。
ま、全部ひっくるめてセンスの問題なんだろうなと、身に染みて思うわけです。
だってきっと私がクエシナリオを書いたりしたら、間違いなくインパクトに欠けるグダグダストーリーに走るに決まっているんですものーwwwww
だってきっと私がクエシナリオを書いたりしたら、間違いなくインパクトに欠けるグダグダストーリーに走るに決まっているんですものーwwwww
カテゴリ: [GAME] - &trackback() - 2006年11月05日 20:51:59