テノリライオン
06-11-20
最終更新:
corelli
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#blognavi
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目は口ほどに。
今日の職場でのお話です。
夕方、ある教授宛てのちょっとした荷物がうちの事務室の方に届いてしまい、その先生の秘書さんに電話をして取りに来てもらうことになりました。
しかし見ればこの荷物、ちゃぶ台ぐらいの面積に3~4kgの重量と、一般女性が1人で遠くまで持ち運ぶにはちと辛い。 なので一応秘書さんにその旨を告げつつ、運搬用の台車を用意しておこうと思いました。
夕方、ある教授宛てのちょっとした荷物がうちの事務室の方に届いてしまい、その先生の秘書さんに電話をして取りに来てもらうことになりました。
しかし見ればこの荷物、ちゃぶ台ぐらいの面積に3~4kgの重量と、一般女性が1人で遠くまで持ち運ぶにはちと辛い。 なので一応秘書さんにその旨を告げつつ、運搬用の台車を用意しておこうと思いました。
しかしいざ倉庫に行ってみると、あると思っていた台車がありません。
ありゃ参った、どこに行ったかな、と考えるに、確か昼前後にある職員さんが他の先生のイベントを手伝いに行っていたのを思い出しました。
まぁこの職員さんがけっこうな困ったちゃん(死語)なのですが、それはまた別のお話として。
もしかしてもしかするとだなー、と思いながら事務室に戻り、彼になるべくやんわりと尋ねます。
ありゃ参った、どこに行ったかな、と考えるに、確か昼前後にある職員さんが他の先生のイベントを手伝いに行っていたのを思い出しました。
まぁこの職員さんがけっこうな困ったちゃん(死語)なのですが、それはまた別のお話として。
もしかしてもしかするとだなー、と思いながら事務室に戻り、彼になるべくやんわりと尋ねます。
「あのーすみません、台車とかって使ってないですよね……?」
と、その次の瞬間。
私に呼ばれてこちらを見ていた彼の目の表情が、みるみると変わったのです。 驚いたような責めるような怯えるような、何とも形容しがたい表情に。
私も彼の目をきっちりと見ていたので、もうその変化が手に取るように判りまして。
目の色が変わった、なんてよく言うけど。 っていうか書きもするけど。 いやーあれは誇張でもなんでもないよなーと。
その時はなんだなんだ私が何か悪いことでも言ったのか、いちゃもんつけられるようなことはしてないぞ(笑)、と思ったのですが、察するにどうやら彼はくだんの手伝いで使ったうちの台車をどこぞに忘れてきたか、あるいはその手伝いそのものをハンパな状態にしていたようで、私の「台車」の一言でそれを一気に思い出したが故の「変化」だったようなのですな。
そこはかとなく慌てた風に、ちょっと今外にあって、などと言いながら、直後にいそいそとそのイベント会場に向かう彼を生温く見送るわたくしでした。
私に呼ばれてこちらを見ていた彼の目の表情が、みるみると変わったのです。 驚いたような責めるような怯えるような、何とも形容しがたい表情に。
私も彼の目をきっちりと見ていたので、もうその変化が手に取るように判りまして。
目の色が変わった、なんてよく言うけど。 っていうか書きもするけど。 いやーあれは誇張でもなんでもないよなーと。
その時はなんだなんだ私が何か悪いことでも言ったのか、いちゃもんつけられるようなことはしてないぞ(笑)、と思ったのですが、察するにどうやら彼はくだんの手伝いで使ったうちの台車をどこぞに忘れてきたか、あるいはその手伝いそのものをハンパな状態にしていたようで、私の「台車」の一言でそれを一気に思い出したが故の「変化」だったようなのですな。
そこはかとなく慌てた風に、ちょっと今外にあって、などと言いながら、直後にいそいそとそのイベント会場に向かう彼を生温く見送るわたくしでした。
みるみると言っても、もちろん物理的に見たらわずか数ミリの動きです。 ほんのちょっとだけ眉が上がるか目を開くかして、更に微細な所では瞳孔も動いていたかもしれません。 面と向かってその表情に注意を払っていなければ、まず絶対に認識できないレベルの動きの集まり。
でもたったそれだけのことが、人間の心理的情報を見事に想起させてしまうんですね。
と言うか、そんな微細な動きを選別して判断してしまう、人間の認識能力というものに対して驚きを禁じ得ません。
でまぁこの一件で、もうずっと以前に読んだ、脳の働きについて(確か)インド人の学者さんが著した本に書かれてあったことを思い出しまして。
ほぼうろ覚えですが、それによりますと。
でもたったそれだけのことが、人間の心理的情報を見事に想起させてしまうんですね。
と言うか、そんな微細な動きを選別して判断してしまう、人間の認識能力というものに対して驚きを禁じ得ません。
でまぁこの一件で、もうずっと以前に読んだ、脳の働きについて(確か)インド人の学者さんが著した本に書かれてあったことを思い出しまして。
ほぼうろ覚えですが、それによりますと。
人間の脳には、表情を認識する為の「専門の」領域があるのだそうです。
例えば、「あ、この人驚いたんだな」と判る程度の眉の動きがあります。
それを見れば誰でもその眉が“動いた”ことが判るでしょう。 しかしその1センチにも満たない距離の「動き」を、例えば足の小指がして見せたらどうでしょう。
よほどじっと観察していればともかく、普通ならばそこがぴくりと動いたことにも、人は気づかないのではないでしょうか。
例えば、「あ、この人驚いたんだな」と判る程度の眉の動きがあります。
それを見れば誰でもその眉が“動いた”ことが判るでしょう。 しかしその1センチにも満たない距離の「動き」を、例えば足の小指がして見せたらどうでしょう。
よほどじっと観察していればともかく、普通ならばそこがぴくりと動いたことにも、人は気づかないのではないでしょうか。
つまり、顔という特定部位についてのみ、その細かな動きを漏らさず判別するため、人間の脳はかなりの容量を専属的に割り当てているのではないかという説です。
もしくは、本当は他の細かな動きや変化(先程の足の小指のような)もちゃんと捉えてはいるんだけれども、それら不要なものまで常時全部「見て」いたらパンクしてしまう。 だから機能としてリミッターをかけて「見逃す」ようにしているが、表情についてはそのリミッターが外されているのではないかと。 いやこちらは私が考えたことですが。
もしくは、本当は他の細かな動きや変化(先程の足の小指のような)もちゃんと捉えてはいるんだけれども、それら不要なものまで常時全部「見て」いたらパンクしてしまう。 だから機能としてリミッターをかけて「見逃す」ようにしているが、表情についてはそのリミッターが外されているのではないかと。 いやこちらは私が考えたことですが。
そして更にこの機能は、顔の動きについていちいち「ここがこれだけ動いたのが見えた、そこがこれだけ動いたのが見えた」というコマ切れな知覚のしかたをするのではなく、目、口、頬などで同時に起こるそれら全てを、「見ている」という意識すら飛び越して無意識下で総合し、自身の経験則に照らした結論としてその主の内面や思考を推測、導き出す所まで処理してしまうのです。
驚くべき一括処理能力。 一体何故そこまでする必要があるのか。
それは、「表情」という情報が、人間たちにとってあまりにも重要だから。
犬の嗅覚が鋭いように、猫の聴覚が鋭いように、人間はその発達したコミュニケーション能力に必要な対表情知覚を、特別に鋭敏化させているんじゃないかと思います。
驚くべき一括処理能力。 一体何故そこまでする必要があるのか。
それは、「表情」という情報が、人間たちにとってあまりにも重要だから。
犬の嗅覚が鋭いように、猫の聴覚が鋭いように、人間はその発達したコミュニケーション能力に必要な対表情知覚を、特別に鋭敏化させているんじゃないかと思います。
上記の本についてはもう何年前に読んだのかも思い出せないほど古いものなので、現在ではまた違った理論や仮説があるのに違いありません。
が、私の中では結構説得力のある説として定着してしまっているので、たまーにこうして思い出しては一人納得しなおしたりしています。
が、私の中では結構説得力のある説として定着してしまっているので、たまーにこうして思い出しては一人納得しなおしたりしています。
職員のあんちゃんよ、表情でバレちゃうことは下手にごまかさないで口にも出しちゃった方が得策だぜ、とか思いながら。
カテゴリ: [雑記] - &trackback() - 2006年11月20日 20:21:13