テノリライオン

07-01-25

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corelli

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横溝正史「犬神家の一族」読了。


ネズミの国の幽霊出没マンションですら最初の一回はずっと目を瞑っていたほどのビビリな私は、当然恐怖心をあおる系の小説なんぞ読まない――と思ったら、意外とミザリーやらリングやらパラサイト・イヴやらを読んでいた事実。
そういやゲームならファミコン探偵倶楽部(古)から弟切草かまいたちの夜もやってたな。実は言うほど苦手じゃないのか?
いや待て、でもバイオハザードは開始から5分ともたなかったな(笑)
最初のわんこガシャーンでもうダメ。「わあああ」とか言いながらコントローラー投げてた。
そうか判った、動画に弱いんだなw

えー、そんな余談をしてしまう程に、恐いか恐くないかと聞かれたら恐くなかったのが「犬神家の一族」だった。
何故か「金田一耕助シリーズ」には昔からおどろおどろしいイメージを持っていて、故にいまひとつ積極的に読もうという気が起こらなかったのだが、どうやらそれは主にフィルム――幾度も映画化され宣伝された――の断片によって植え付けられていたものらしい。
原作小説では、まあ文体による所も大きいのかもしれないが、恐れていた「目を背けたくなるほどの凄惨な場面」はなかったように思う。

むしろ恐れるべきは、登場人物それぞれにこれでもかと渦巻く、人間のエゴの嵐と言うべきか。
確定的に誰が悪かったという訳でもない。しかし誰もが悪かった。最終章「大団円」がちっとも大団円じゃない、実に後味の悪い終わり方だ。
この作品に時代の先駆けであり基礎であるという以上の感銘を見いだせなかった原因は、私の読書力不足なのだろう。推理小説にも実はあまり興味がない。
どうにも消化不良というか、何を疑っていいのか判らなくなる、微妙な一冊となってしまった。

そんな私の枕元には「ダーク・タワー」が積ん読になっている。
どうやら懲りていないようだ。


カテゴリ: [読書] - &trackback() - 2007年01月25日 21:42:27
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