テノリライオン
07-02-21
最終更新:
corelli
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梨木 香歩「裏庭」読了。
梨木香歩と言えば私は、日本の風物と不思議を綴った家守綺譚を絶賛しているわけだが。
その著者がファンタジーに挑戦し、第一回児童文学ファンタジー大賞を受賞しているのがこの作品だ。
その著者がファンタジーに挑戦し、第一回児童文学ファンタジー大賞を受賞しているのがこの作品だ。
結論から言ってしまうと。
この著者はどうやら、「激しい感情」を書くのを苦手とするものらしい。
自然に溢れた優しい情景や、人の心が美しく動く様を描かせると本当にはっとするものがあるのだが、怒り、憎しみ、負の衝動などに迫力を持たせる事が、もう一歩できていなかったように思う。
まぁこの辺は、ダークだったりシニカルだったりドラスティックだったりする文章や物語を好む、私の点が辛いというのもあるだろうが。
それでもあのシーンには、もっと生々しい「殺意」が必要だったように思う。
この著者はどうやら、「激しい感情」を書くのを苦手とするものらしい。
自然に溢れた優しい情景や、人の心が美しく動く様を描かせると本当にはっとするものがあるのだが、怒り、憎しみ、負の衝動などに迫力を持たせる事が、もう一歩できていなかったように思う。
まぁこの辺は、ダークだったりシニカルだったりドラスティックだったりする文章や物語を好む、私の点が辛いというのもあるだろうが。
それでもあのシーンには、もっと生々しい「殺意」が必要だったように思う。
更に、巻末の解説にも「日本人にはファンタジー小説を書くのは難しいとされているが、……」という一文がある。それはこの作品に関しても言えてしまった、と私は思う。
舞台となるバーンズ屋敷から、主人公の照美は「裏庭」へと旅立つ。その先はこの世のどことも似ていない、不思議な異世界だった。
作中に現れる、脈絡の判然としない人物や事象。それらが何を暗喩しようとしているのかが、どうもよく判らない。いや、暗喩などどこにもないのかもしれない。それは判らないなりに楽しめばいいだけの話なのだが、私の中でこの手の異世界ファンタジーと言えば、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語(Never Ending Story)」であり、読破はしていないけどトールキンの「指輪物語」であり、最近ではジョナサン・ストラウドの「バーティミアス」であり、これから突入するのがスティーブン・キングの「ダーク・タワー」なわけで。
これは申し訳ないが、相手が悪い。悪すぎる。
作中に現れる、脈絡の判然としない人物や事象。それらが何を暗喩しようとしているのかが、どうもよく判らない。いや、暗喩などどこにもないのかもしれない。それは判らないなりに楽しめばいいだけの話なのだが、私の中でこの手の異世界ファンタジーと言えば、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語(Never Ending Story)」であり、読破はしていないけどトールキンの「指輪物語」であり、最近ではジョナサン・ストラウドの「バーティミアス」であり、これから突入するのがスティーブン・キングの「ダーク・タワー」なわけで。
これは申し訳ないが、相手が悪い。悪すぎる。
テーマと言うか、主張したいことは大変よく判るのだが、それをこの作者がこのスタイルで描き出すには、恐らくあと3倍くらいの枚数が必要なのではないだろうかと思った。
健闘は讃えるけれども、パワーに欠ける。
和紙に油絵は描けない。
絵筆で彫刻はできない。
そんな感想を持った。
健闘は讃えるけれども、パワーに欠ける。
和紙に油絵は描けない。
絵筆で彫刻はできない。
そんな感想を持った。
※ついでながら上記の海外ファンタジー、はてしない物語とバーティミアスだけはマジオススメしたい。
前者はファンタジーの金字塔だし、後者は同人誌出てます(笑)。
ちなみに個人的にハリポタは除外の方向で。1巻のエンディングで人として醒めた。
前者はファンタジーの金字塔だし、後者は同人誌出てます(笑)。
ちなみに個人的にハリポタは除外の方向で。1巻のエンディングで人として醒めた。
カテゴリ: [読書] - &trackback() - 2007年02月21日 23:55:34
