テノリライオン

07-08-20

最終更新:

corelli

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スポットライト。


灯り草 6」投稿と、5を収録


(ネットの)友あり遠方より来る、また愉しからずや――

という訳で、某ネット友達がお笑いの舞台に立ちに先日東京にやってこられまして。
この機会を逃す手はあるまいと、知り合ってより数年を経ての初顔合わせ&応援へと行ってまいりました。
いやー、新規のオフ会(?)なんか何年ぶりだろーw

さて、そんな貴重な機会をくれました件の大会ですが。
学生が対象かつ主体な事もあってか、それぞれの技を競いながらも色々な意味でアットホームな作りとなっており、日頃あまり劇場や舞台というものに縁のない私にとってはとても珍しくも興味深い「場」でありました。
何しろ演技が終わった演者さんが、いつのまにか客席で観客になったり私の隣に座ったりしているのです(笑)。
おいおい舞台に上がる演者さんと言えばもはや異世界の人というか殿上人ですよ? さっきまで遠くで輝いていたそんな人達が、すぐ近くで一般人を装っている! これは一体全体どんなファンタジーだ!w

えー、私事ではありますが。
わたくし極度のあがり症といいますか、期待を込めた人の目が自分に集まるととたんにテンパって心拍数ばくばくのセリフ噛み噛みの/panicになってしまうという、まさに絵に描いたようなチキン野郎なのです。
相手が見知った友人でもお構いなし、慣れない人ならなおさらで、例えば上司を交えたミーティングなんかで発言を求められたが最後、どれだけ簡単な内容でもあっという間に酸欠の金魚状態、生まれたての子犬のように手がぷるぷる震えてあら挙動不審という体たらく。
要は一発勝負というか、いわゆる本番に死ぬほど弱いのです。失敗したらみっともない、という心理が真っ先に働いてしまうダメな奴。
そんなわたくしにとって、舞台に上がって観客と対峙しあまつさえ相手を笑わせようなどという偉業に挑む人々の生の姿はあまりに眩しすぎるのであります。

「舞台からだと、客席は暗くてよく判らないんですよね」

出番を終えての彼のそんな言葉に、そう言えば小学校の頃にやっぱりドキバクで出た合気道の演舞会でも、舞台の上はやたらまぶしくて、客席の方はおぼろに暗くて怖かったなぁと、数少ない「舞台経験」を思い出しました。
両親を含め、間違いなくそこに居て自分を見ているはずの観客が、こちらからは見えない。「見る」と「見られる」をすさまじく一方通行にする、光に満たされた舞台という名の水槽から、私の一挙手一投足はその外にいる相手にどのように見えているのか。
スポットライトに閉じ込められた自分が発する「必死」が、どんどんと外の闇に吸い取られていくような心許なさ。

スポットライトとは演者をある意味とても孤独にする装置なんじゃないかなぁと、後ろ向きチキンな一般素人としては思ったり思わなかったり。

えー、まぁそんなド素人の愚にも付かない戯れ言はさておき。
正統派(?)を始め淡々系、ハイテンション系、体張ってます系(笑)など様々な「笑い」が入り乱れる、実に予想を裏切らない愉快な大会でありました。
どれも全部面白かった! などという優等生な発言はなしで。もう一歩かな、と思うものも中にはありました。
しかしそんな中、彼とその先輩のコンビの漫才が贔屓目でなく白眉だったことで、もう掛け値なしに大満足なのです。
映画とか舞台とかで笑う場面が来てもつい周囲を気にして笑い声を抑えてしまう方なのですが、彼らのネタでついに「ぶ」と声が出てしまい慌てたのは誰も知らない事実なのです。

順位なんぞはどうでもいいのです。いや多分よくないんだろうけどいいのです。
一観客として存分に笑かしてもらった後には、「よくやった! 面白かった!」以外の言葉なんぞありゃしないのです。
ブラボー。


カテゴリ: [雑記] - &trackback() - 2007年08月20日 22:24:47
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