テノリライオン

08-04-17

最終更新:

corelli

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仕事でなければ。


今回の大学教務の仕事は、ちょっとずつですがいろいろな生徒さんと接する機会がてんこもりです。
生徒さんの年齢層がやや高めのある意味特殊な大学なので、言葉通り「様々な」人と接触する事になります。

つーことで本日の電話応対。

「はい、○○大学××センターです」

「すいません、ちょっとお尋ねしたいんですがー、そちらで宇宙物理関係の授業というのはー……」

そこそこ年配の男性の声。しばし課目の案内的なやりとりが続く。が、ある程度伝え終わると、彼の話す内容が徐々に自分語りに移行する。

「私ねー、論文書いてるんですよ。宇宙の~~や~~についての、もう10年くらいになるんですがね(~~部分はスーパースルーしてたので単語の記憶ナシ)」

「はぁ、そうですかぁ」

「例えばアインシュタインの~~なんかはね、もう誰も疑わないわけですよ。アインシュタイン、知ってます?」

「ええー(ほぼ吐息)」

「ああいうのは~~なんですけど、今の学会の~~なんかはね、もう明らかに間違ってるんですよ。私わかるんですね。でね、そういうのをずっと書いてるんですが、何しろまとめらんないわけ。まとめる力がないんです私」

「ええー(徐々に目が遠くなる)」

「でね、そういうのを、さっき仰ったような宇宙や科学専門の先生に見てもらって、で話を聞いてもらった方がいいかなーと」

「はあー(止めないけどその時は見物しててもいいかなぁ)」

「あ、あなたお名前は? ○○さん?(←答えざるを得ずに答えた私の名字)事務やってらっしゃるんですか? ○○さん、この論文ね、数年以内に発表しますよ。本にしますから。あ、お宅ではあれですか、出版とかはやっていない?」

「いえ、そういうのはこちらでは(即答)」

「そうですかー。あ、あなた信じてないでしょ? いや何しろね、まとめらんないんですよ。どうもそういうのが苦手なんです。こういう私みたいな人間は○○さん、どうしたらいいんでしょうねぇ?」

「いやー、それは私には何ともー(事務の人間に相談している時点でだめだろう君)」

「実はそちらの先生の授業も拝聴(傍聴のようなもの)したことがありましてね、お名前忘れてしまったんですが、そういう先生なんかに相談した方がいいんでしょうかねぇ」

「そうですねぇ、やはり専門家の意見が聞ければそれに越したことはないと思いますが、うちに限らず突然教授などにコンタクトを取るのはどうしても無理があると思いますので、もし可能ならばそういった分野の授業をお取りになって頂いて、そのうえで質問のような形でその先生にお話になられては……(スーパー事務モード発動)」

「あー、○○さん? あなたいいですねぇ! そうですよね、そうだそうだ。○○さん、下のお名前なんて言うの?」

「あ、いえ、それは(スーパー事務モード逆効果ktkr)」

「いやー、何しろ10年でしょ、内容には自信があるんですよ。絶対正しいの。それは読めば判るの。だからね、それをどう世間に発表したらいいか、そういうのを……」

「ええー(いやー実にいい電波だなぁ)」

「じゃああれ? さっきの宇宙工学とかの授業、あれはどこでもやってるの?」

「いえ、それは場所によりますので、そちらですと最寄りの○○センターに授業科目のお問い合わせをして頂くのがよろしいかと思います」

「あーそう。いやーありがとうね。ふふーん。あれなの? ○○さんはおっぱい大きいの?」

「(一拍)では先程申し上げました、○○センターの電話番号の方にお問い合わせくださいませ」

「あははは。いやー。今みたいのはあれ? セクハラとかになる?」

「そうですねー(にこやかに冷静)」

「あー。はははは。いやどうもね。お手数かけました。どうもねー。ありがとー」

「はーい、失礼いたしまーす」


ああ、なんというオトナ対応。
つーかぶっちゃけ面白かった。仕事で周囲に人がいなかったらもっと喋ってたね。めっちゃつっこんでたね、情け容赦なく。
それとおっぱいの件については「すみません、あいにく持ち合わせておりませんで」って答えたねwwww

まぁこのお方は9割9分ただのダメなおっちゃんだけど、内容はどうあれそういう「論文」を本気で迷いなく自信を持って書いてるんなら、それはそれで羨ましいというか。
いいなぁ、と思う。すごく。


どうやらここはこのテの「遭遇」に事欠かない職場のようです。
恐さ1割楽しみ9割。


カテゴリ: [雑記] - &trackback() - 2008年04月17日 00:02:13
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