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OmegaTマニュアル > Tips、あるいはこれまでの経験から来る訓戒

文書ごとに翻訳メモリは分けられるなら分けたほうがいい

翻訳を長いことやると、途中で心境やポリシーに変化が生じることがある。私たちは人間だし、経験を積めば過去の自分の作業に思う所も出るものだから、それは仕方ない。問題は実務実用の中にある。

翻訳メモリはご存じだろう、知らない場合は翻訳メモリのwikipediaでも読んでちょーだい。


私の経験として、この翻訳メモリはすくなくとも文書ごとに分けておいた方がいい。なぜか、訳が分からなくなるからである。私は私家訳プロジェクトをもう2年以上やっているが、その間に翻訳スタイルが何度も変わった。はじめは直訳気味で、しかも既存の訳とずらすことに執着していてたから、今見返すと全く見るに堪えないクオリティだ。最近のはまあまあ良くなってきたが、それでもその感想は今の私のものでしかないから、未来の私がどう思うかは全くわからない。

大事なことは、翻訳メモリを分けずに一つでやると、この時の流れからくる諸々がその中で一堂に会してしまうということだ。参考訳文の一番上には、2年前のペーペーが訳した文章があり、その下には去年のぼんくら、その下には昨日の私の訳した文章があるというようなことが頻発するようになり、しかも自分にはどれがいつのものなのか分からない/分かりにくいといえば分かりやすいか。こうなると、むしろ参考訳文によって翻訳の統一性が損なわれる事態になる。今の自分が固めた翻訳スタイルが、過去の自分の痕跡でかき乱されるという訳だ。

とにかく、翻訳メモリはこまめに分けることをお勧めする。あとから翻訳メモリを分ける作業はしちめんどくさいし、過去の自分を殴りたくなるから精神衛生上よろしくない。

翻訳メモリは、OmegaTのプロジェクトフォルダ内にあって、"プロジェクト名-omegat.tmx"、"プロジェクト名-level1.tmx"、"プロジェクト名-level2.tmx"という名前でそれぞれある。いずれも翻訳メモリだがちょっと違うのだ(参考)
(プロジェクト設定には、これらの翻訳メモリのいずれを生成して、いずれを生成しないか決める項目がある)。基本的には、level2だけ気にすればいいのかな。文書をまたぐなどして翻訳メモリを分ける時には、これらの名前を変更してなくさない場所に置いておけばよい。

これから行う翻訳の成果を新しい翻訳メモリに積み重ねたいけど、引き続きその翻訳メモリの内容を使いたいという場合はプロジェクトフォルダ内のtmというフォルダにいれればいい。tmフォルダ内のどこに入れるべきかは、その翻訳メモリの扱い次第だ(参考)。tmフォルダに以前の翻訳メモリをいれれば、以降の翻訳の成果は新しく生成される翻訳メモリに積まれていく一方(翻訳メモリが生成されるのは、プロジェクトタブの"訳文ファイルを生成"、"現在の訳文ファイルのみ生成"を実行した時だ)、tmフォルダにある翻訳メモリの内容は引き続き参考訳文として出てくるようになる。
最終更新:2025年12月03日 12:41