ファイアウォール
ネットワークの間、または機器とネットワークの間で、決めた規則(ポリシー)に従って通信を通したり止めたりする仕組みです。
基本の姿勢:既定で拒否
NIST SP 800-41 Rev. 1(2009年9月)は、ファイアウォールのポリシーで明示的に許した通信以外を止めることを「既定で拒否(deny by default)」と呼び、攻撃のリスクを下げ、組織のネットワークを流れる通信の量も減らせるとしています。機器・ネットワーク・プロトコル・アプリケーションは変わり続けるので、明示的に禁じたもの以外をすべて通す方法(既定で許可)より安全だとしています。
入る方向と出る方向
- SP 800-41 は一般原則として、明示的に許していない通信は、入る方向も出る方向も止めるべきだとしている
- ''入口のフィルタ(ingress filtering)'':外から内への通信を絞る。SP 800-41 は、外から入る TCP・UDP の通信には既定で拒否の規則を使うべきだとしている
- ''出口のフィルタ(egress filtering)'':内から外への通信を絞る。SP 800-41 が挙げる例は、外部の FTP サーバの利用を止めること、組織の中から外部へのサービス妨害の攻撃を防ぐこと、組織が使っている送信元の IP アドレスを持つ通信だけを外へ出すこと(送信元を偽った通信を自社から出さないため)
- ただし同じ文書は、実際には多くの組織が利用者に外部の幅広いアプリケーションへのアクセスを許しているため、出ていく TCP・UDP の通信には、一般により緩い規則が使われている、とも書いている
(補足)出ていく通信を絞ったり記録したりすると、マルウェアの外部との通信やデータの持ち出しを見つける手がかりにもなります。
種類(SP 800-41 より)
| 種類 |
しくみ |
| パケットフィルタ |
アドレスやポートなど、通信の見出しの情報で通す・止めるを決める。最も基本的な機能 |
| ステートフル・インスペクション |
接続の状態を追い、予想される状態から外れた通信を止める |
| アプリケーション・ファイアウォール |
アプリケーションの層のプロトコルの中身まで見て判断する |
| アプリケーション・プロキシ・ゲートウェイ |
2つの機器の間に入って中継し、上の層の機能と下の層のアクセス制御を組み合わせる |
| 専用のプロキシサーバ |
中継の制御に絞った装置。ファイアウォールの機能は限られる |
| ホスト型・パーソナル |
サーバや PC の上で動くソフトウェア。ネットワークからの攻撃への、もう1つの層になる |
つまずきやすい点
- 規則が増え続ける:一時的に開けた規則が残り、誰も理由を説明できなくなる。SP 800-41 は、規則ごとに注記を付けて記録し、方針を定期的に見直すことを勧めている。規則ごとに持ち主と期限も決めておく
- 境界の内側は無防備:境界のファイアウォールだけでは、内部に入られた後の横への移動を止められない(ネットワークセグメンテーション)
- 管理画面の露出:ファイアウォールや VPN の装置の管理画面をインターネットに出さない(VPN)
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出典
確認日:2026年10月16日
最終更新:2026年10月16日 16:27