CISSPドメイン2 資産のセキュリティ
CISSP の8ドメインのうち、守る対象そのもの(情報と資産)を扱うドメインの学習ページです。このwikiの用語ページを、学ぶ順に並べています。
このドメインの問い
- 何を持っているか(資産の一覧と持ち主)
- どう扱うか(分類と、分類ごとの扱いの決まり)
- どう手放すか(保存期間、媒体の消去、サポートの終わった製品)
学ぶ順序
- 持っているものを知る:情報資産管理
- 分ける:情報分類、CIAトライアド
- 守る:保存時暗号化、通信の暗号化、アクセス制御
- 漏らさない:DLP、IRM、CASB、情報漏えい
- 手放す:媒体の消去、鍵管理(暗号消去)
- 法の側から:営業秘密、個人情報保護法(下の対応表)
解説と演習
このドメインの考え方(6つの項目、データの役割、ライフサイクル、データの状態、サポートの終了)は Zenn の連載で解説し、現場の判断を問う演習(8つの場面。場面1は無料で読めます)は note で公開しています。
日本で働くなら:対応する法令
法令は、2026年10月時点で施行されている条文に基づきます。個人情報保護法は、改正法が2026年7月17日に公布されており、施行(一部を除き、公布から2年以内)の後は変わる条文があります。
| 考え方 |
日本で対応するもの |
| 分類と表示 |
営業秘密の「秘密管理性」の前提になる(不正競争防止法 第2条第6項) |
| データの保存期間と消去 |
個人情報保護法 第22条:利用する必要がなくなった個人データは、遅滞なく消去するよう努める |
| 安全管理 |
個人情報保護法 第23条(安全管理措置)、第24条(従業者の監督)、第25条(委託先の監督) |
| データの所在 |
個人情報保護法 第28条:外国にある第三者への個人データの提供の規律。外国の事業者への委託も含む(個人情報保護委員会 Q&A 12-1) |
| 保存期間の下限 |
法令ごとに異なる。例:法人税法施行規則 第59条(青色申告法人の帳簿書類は、起算日から7年間)。欠損金が生じた事業年度の帳簿書類は、繰越しを受けるなら10年間(同規則 第26条の3) |
確認問題
- 次の4つのうち、FIPS 199 の考え方で「完全性」の影響度が最も高くなりうるのはどれですか。(a) 社内報 (b) 振込先の口座の一覧 (c) 公開済みのプレスリリース (d) 会議室の予約表
- 次の役割を、組織の中の役割と、GDPR 上の法的な主体とに分けてください。持ち主(owner)、管理者(controller)、保管者(custodian)、処理者(processor)
- 次の3つの媒体について、上書き(Clear)で済ませられない理由と、代わりに使う方法を答えてください。(a) SSD (b) 紙の書類 (c) クラウドのストレージ
模範解答
- (b)。振込先が書き換えられると、送金が攻撃者に流れます。機密性も重要ですが、ここでは改ざんの影響が特に大きい情報です。
- 組織の中の役割:持ち主、保管者。GDPR 上の法的な主体:管理者、処理者。
- (a) SSD:予備の領域があり、書き込む場所も分散するので、上書きが届かない領域が残る。媒体に組み込まれた標準の消去の命令や暗号消去(Purge)を使う。(b) 紙:Clear も Purge も当てはまらず、Destroy(破壊)を使う。(c) クラウド:利用者は物理的な媒体に触れられない。利用者の側で削除し、利用者が管理する鍵で暗号化していた場合はその鍵を削除し(暗号消去)、事業者の消去の方針を確かめる。なお SP 800-88 Rev. 2 は、Purge が使える媒体では、可能な場合は Clear ではなく Purge を使うべきだとしている。
出典
確認日:2026年10月15日
最終更新:2026年10月16日 17:53