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CISSPドメイン3 セキュリティのアーキテクチャと設計


CISSP の8ドメインのうち、守れる構造をどう設計するか(設計の原則、モデル、暗号、施設)を扱うドメインの学習ページです。このwikiの用語ページを、学ぶ順に並べています。

このドメインの問い

  • どんな原則で設計するか(最小権限、多層防御、安全な既定値、安全な故障)
  • 守るべき規則を、どう形式的に表すか(セキュリティモデル)
  • 部品とアーキテクチャのどこに弱点があるか(クラウド、組込み、制御系)
  • 暗号をどう選び、鍵をどう扱い、どんな攻撃を想定するか
  • 建物と設備をどう守るか、システムを作ってから廃棄するまでをどう管理するか

学ぶ順序

  1. 設計の原則:最小権限の原則、多層防御、職務の分離、ゼロトラスト
  2. モデルと評価:セキュリティモデル、iso/iec 15408(製品の評価の基準)
  3. 部品の安全機能:TPM、HSM
  4. 暗号を選ぶ:暗号化、鍵管理、デジタル署名、X.509証明書、耐量子計算機暗号、量子暗号(量子鍵配送)
  5. 暗号への攻撃:共通鍵ブロック暗号への攻撃モデル、サイドチャネル攻撃、中間者攻撃、ランサムウェア
  6. クラウドの設計の点検:CSPM
  7. 手放す:媒体の消去(建物と設備のページ 物理的セキュリティ は作成予定)

解説と演習

このドメインの考え方(10の項目、事例、設計の原則、モデル、暗号、施設)は Zenn の連載で解説し、現場の判断を問う演習(8つの場面。場面1は無料で読めます)は note で公開しています。

日本で働くなら:対応する法令と基準

2026年10月時点の法令と基準に基づきます。
考え方 日本で対応するもの
デジタル署名 電子署名法 第2条(電子署名の定義:措置を行った者が作ったことを示し、改変の有無を確かめられる措置)、第3条(電磁的記録(公務員が職務上作成したものを除く)は、本人による電子署名(必要な符号と物件を適正に管理することで、本人だけが行えるものに限る)が行われていれば、真正に成立したものと推定される)
暗号の選択 CRYPTREC 暗号リスト(電子政府推奨暗号リストほか。最終更新 2026年3月30日)。政府機関等の統一基準は、このうち電子政府推奨暗号リストに基づいて、暗号と電子署名のアルゴリズム・鍵長を定めるよう求めている。2026年3月の改定で、耐量子計算機暗号のリスト(鍵共有の ML-KEM のほか、AES-192・256、SHA-384・512 など)が新設された

確認問題

  1. Bell-LaPadula モデルと Biba モデルは、それぞれ何を守るためのモデルですか。また、「読む」ことについての制限は、どう逆になっていますか
  2. デジタル署名は、完全性・真正性・機密性のうち、どれを確かめられ、どれを確かめられませんか
  3. 耐量子計算機暗号と量子暗号(量子鍵配送)は、何が違いますか

模範解答

  1. Bell-LaPadula は機密性を守るモデルで、主体は自分のレベル以下の対象しか読めない(上を読まない)。Biba は完全性を守るモデルで、主体は自分の完全性のレベル以上の対象しか読めない(下を読まない)。Biba の報告書は、その厳格な完全性ポリシーを、機密性のポリシーの「双対」と見なせるとしている。
  2. 完全性(署名の後に変わっていないこと)と、真正性(対応する秘密鍵の持ち主が署名したこと)を確かめられる。機密性は守らない(署名しても中身は暗号化されない)。
  3. 耐量子計算機暗号は、量子計算機でも解けないと考えられている計算に基づく、新しい公開鍵暗号のアルゴリズムで、今のコンピュータで計算できる(ML-KEM、ML-DSA など)。量子暗号(量子鍵配送)は、量子力学の性質を使って鍵を配る物理的な技術で、専用の装置と通信路が要る。

出典

確認日:2026年10月15日
最終更新:2026年10月16日 17:53