「……まずは、少し場所を移すか」
瞬殺の男は鎧を動かし始めると、鎧と共に場所を少し移す事にした。
今の彼の居場所は森だ。
この場所は隠れ場所が豊富な反面、自分も奇襲を受けやすいというデメリットが有る。
鎧を遠隔操作している間の彼は幾分隙も大きくなる。
先程少女を襲わせた時もそうだ。
その間に周囲に、嫌な気配が立ちこめていた。
(誰かが嗅ぎつけたのかもしれないな。もっと場所を選んだ方が良い)
近くに寄ってきた者に相手より先に気づけて、尚かつ逃げ道が複数有る場所が良い。
それでいて人の溜まり場にほど近い隠れ家。
(市街地の外縁部がベストだが、地図が支給されていないのが痛いな。
くそ、主催者の奴、何を考えているんだ。地図はパロロワの必須支給品だろうに)
心の中で毒づきつつ、瞬殺の男は鎧を自らに向けて歩ませ。
……合身した。
「まあ良い。俺は最速の男。一刻も早くこのロワを完結してやる!」
鎧の素早さを持って瞬殺の男は走り去った!
瞬殺の男は鎧を動かし始めると、鎧と共に場所を少し移す事にした。
今の彼の居場所は森だ。
この場所は隠れ場所が豊富な反面、自分も奇襲を受けやすいというデメリットが有る。
鎧を遠隔操作している間の彼は幾分隙も大きくなる。
先程少女を襲わせた時もそうだ。
その間に周囲に、嫌な気配が立ちこめていた。
(誰かが嗅ぎつけたのかもしれないな。もっと場所を選んだ方が良い)
近くに寄ってきた者に相手より先に気づけて、尚かつ逃げ道が複数有る場所が良い。
それでいて人の溜まり場にほど近い隠れ家。
(市街地の外縁部がベストだが、地図が支給されていないのが痛いな。
くそ、主催者の奴、何を考えているんだ。地図はパロロワの必須支給品だろうに)
心の中で毒づきつつ、瞬殺の男は鎧を自らに向けて歩ませ。
……合身した。
「まあ良い。俺は最速の男。一刻も早くこのロワを完結してやる!」
鎧の素早さを持って瞬殺の男は走り去った!
◇ ◇ ◇
瞬殺の男が立ち去った後、その場所はしばらく静寂に包まれていた。
風の音と木々のざわめきだけが唯一の音を響かせ続ける。
だがふいにその音すらも止まり。
虫の声も、遠くに聞こえていた鳥の鳴き声すらも止まった。
一切の音を排した静謐な空気の中で。
いつの間にか、瞬殺男が居た近くの茂みに一人の青年が現れていた。
まるで木陰の闇から生まれ出たように。
いや、ようにではない。彼の姿は正に木の影から滲み出たのだ。
青年は病弱そうな青白い肌をしていた。
その顔には丸眼鏡と奇妙な手術痕が目立っている。
青年は椅子に座り、静かに……歪な笑みを浮かべていた。
「完結……30分で完結ですか」
まるで世界で最高の冗談を耳にしたように、さもおかしげに。
そして言った。
「あなたはどう思いますか?」
「………………」
無音の声。一拍の後。
逆の側の茂みに、一人の女が姿を表していた。
長身長髪の流麗なる美貌だ。
現れた今ですら完璧に気配を押し殺し、静かに青年を見つめている。
女は口を開き、答えた。
「速さは大事ね。その一点には共感出来るわ。
ロワの序盤には多くの人が死ぬべきである事も。
だけど何もかも速れば良い、殺せば良いと考えるのは愚かな盲信にすぎない。
長い時間を掛けて行う行為も時には必要。どいつもこいつも極端に過ぎるバカばかりよ」
「……フン」
男は女の言葉を鼻で笑った。
「どいつもこいつもバカばかりですね。ゲームを糞真面目に考えてばかりいます。
気に入れば自らの願望をねじ込み好き放題に楽しめば良い。
気に入らないロワなら……30分ですら遅すぎる!
始まる前に潰れてしまえば良いんです!
もっともラノベばかり読む悠長な貴方には判らないでしょうけれどね」
「ラノベとは限らないでしょう? 長文を書く書き手なら他にも居るわ」
「いいえ、限りますよ。あなたからはラノベの臭いがする。
臭い臭いラノベ読み共の匂いがするんですよッ!!」
その言葉を聞いて女は表情を歪めた。
「やはりおまえは……そういう事か……!」
風の音と木々のざわめきだけが唯一の音を響かせ続ける。
だがふいにその音すらも止まり。
虫の声も、遠くに聞こえていた鳥の鳴き声すらも止まった。
一切の音を排した静謐な空気の中で。
いつの間にか、瞬殺男が居た近くの茂みに一人の青年が現れていた。
まるで木陰の闇から生まれ出たように。
いや、ようにではない。彼の姿は正に木の影から滲み出たのだ。
青年は病弱そうな青白い肌をしていた。
その顔には丸眼鏡と奇妙な手術痕が目立っている。
青年は椅子に座り、静かに……歪な笑みを浮かべていた。
「完結……30分で完結ですか」
まるで世界で最高の冗談を耳にしたように、さもおかしげに。
そして言った。
「あなたはどう思いますか?」
「………………」
無音の声。一拍の後。
逆の側の茂みに、一人の女が姿を表していた。
長身長髪の流麗なる美貌だ。
現れた今ですら完璧に気配を押し殺し、静かに青年を見つめている。
女は口を開き、答えた。
「速さは大事ね。その一点には共感出来るわ。
ロワの序盤には多くの人が死ぬべきである事も。
だけど何もかも速れば良い、殺せば良いと考えるのは愚かな盲信にすぎない。
長い時間を掛けて行う行為も時には必要。どいつもこいつも極端に過ぎるバカばかりよ」
「……フン」
男は女の言葉を鼻で笑った。
「どいつもこいつもバカばかりですね。ゲームを糞真面目に考えてばかりいます。
気に入れば自らの願望をねじ込み好き放題に楽しめば良い。
気に入らないロワなら……30分ですら遅すぎる!
始まる前に潰れてしまえば良いんです!
もっともラノベばかり読む悠長な貴方には判らないでしょうけれどね」
「ラノベとは限らないでしょう? 長文を書く書き手なら他にも居るわ」
「いいえ、限りますよ。あなたからはラノベの臭いがする。
臭い臭いラノベ読み共の匂いがするんですよッ!!」
その言葉を聞いて女は表情を歪めた。
「やはりおまえは……そういう事か……!」
素早く懐から拳銃を取りだし男の額にポイントする。
「もえロワなどというロワが立ちかけた時にバカな男が現れたとは聞いていたわ。
票数が集まったラノベを排斥しようとし、終いには身の上話をして同情を買おうとした馬鹿。
興味は無かったから詳しくは知らないし、身の上話も嘘八百だと思っていたけれどね。
付けられたあだ名は……ホチキスだったかしら」
「私を殺す気ですか?
酷いですね、私は生まれつき足の無い人間ですよ。そんな無力な人間を殺そうと?」
「……それは嘘ね。挙動がおかしかったわ。視線等の生理的反応は制御しておく事ね」
「へえ。見事な洞察力ですね」
「もしかしてその足は動くのかしら? それとも生まれつきというのが嘘?」
ホチキスは車椅子に座っていた。
黒いズボンを履いたその足は全く露出していない。
足が無いという言葉を信じるなら、あの足は飾り物の義足という事になる。
だがホチキスはまたもさも可笑しげに笑った。
「足? あなたにはこれが足に見えるのですか?」
「……なんですって?」
怪訝に眉を顰めた女の目の前で、ホチキスの足が……裂けた。
ズボンが肉に呑み込まれ、膨れ上がる肉が見る見るうちに醜悪な肉体がそびえ立つ!
それはおぞましい怪物の姿だった。
上半身だけが人の姿のまま、巨大で醜悪な怪物の頭部に生えている。
「生まれつき、人間、という所が嘘ですよ。
改造手術を受けて人間などという下等生物をやめましてね。
いやはやあの時の医療用ホチキスの感覚は不快でした」
ホチキスは何も変わらない様子で笑っていた。
「こんな姿のラスボスが居た作品も有りましたね。
もえロワが動けば奴を通して最凶マーダーとして嫌いなキャラを喰らい尽くしてやるはずでしたが、
このロワで気に障る奴らを喰らい尽くす事で代わりとしましょう」
女は答えず引き金を引いた。
パンと乾いた音を立ててホチキスの額に銃弾が食い込み、表面で止まった。
「痛いじゃないですか」
轟、と音を立て禍々しい顎が襲い掛かる。
女は僅かに焦りを浮かべて横っ飛びに転がって攻撃をかわした。
そして怪物が再び彼女を振り向いた時に、もう一度銃を撃った。
パンと乾いた音を立て、再びホチキスの額に銃弾が食い込んだ。
「何を無駄な事を……」
ホチキスは嘲笑おうとして……気づく。
二度目の銃弾が一度目の銃弾に直撃して押し込んでいる事に!
女は三度目の引き金を引いた。
パンと乾いた音を立て、三度目の銃弾は一と二度目の銃弾を更に奥にめりこませる。
「ぐ、ぎゃあああああああぁあっ」
のたうつ怪物は巨大な肉体をのたうたせ、女の目の前の地面に叩きつけた!
女は衝撃に抗おうとせず巻き上がる土砂に身を任せ……
「くっ、しま…………」
――背後に、崖が有った事に気がついた。
「もえロワなどというロワが立ちかけた時にバカな男が現れたとは聞いていたわ。
票数が集まったラノベを排斥しようとし、終いには身の上話をして同情を買おうとした馬鹿。
興味は無かったから詳しくは知らないし、身の上話も嘘八百だと思っていたけれどね。
付けられたあだ名は……ホチキスだったかしら」
「私を殺す気ですか?
酷いですね、私は生まれつき足の無い人間ですよ。そんな無力な人間を殺そうと?」
「……それは嘘ね。挙動がおかしかったわ。視線等の生理的反応は制御しておく事ね」
「へえ。見事な洞察力ですね」
「もしかしてその足は動くのかしら? それとも生まれつきというのが嘘?」
ホチキスは車椅子に座っていた。
黒いズボンを履いたその足は全く露出していない。
足が無いという言葉を信じるなら、あの足は飾り物の義足という事になる。
だがホチキスはまたもさも可笑しげに笑った。
「足? あなたにはこれが足に見えるのですか?」
「……なんですって?」
怪訝に眉を顰めた女の目の前で、ホチキスの足が……裂けた。
ズボンが肉に呑み込まれ、膨れ上がる肉が見る見るうちに醜悪な肉体がそびえ立つ!
それはおぞましい怪物の姿だった。
上半身だけが人の姿のまま、巨大で醜悪な怪物の頭部に生えている。
「生まれつき、人間、という所が嘘ですよ。
改造手術を受けて人間などという下等生物をやめましてね。
いやはやあの時の医療用ホチキスの感覚は不快でした」
ホチキスは何も変わらない様子で笑っていた。
「こんな姿のラスボスが居た作品も有りましたね。
もえロワが動けば奴を通して最凶マーダーとして嫌いなキャラを喰らい尽くしてやるはずでしたが、
このロワで気に障る奴らを喰らい尽くす事で代わりとしましょう」
女は答えず引き金を引いた。
パンと乾いた音を立ててホチキスの額に銃弾が食い込み、表面で止まった。
「痛いじゃないですか」
轟、と音を立て禍々しい顎が襲い掛かる。
女は僅かに焦りを浮かべて横っ飛びに転がって攻撃をかわした。
そして怪物が再び彼女を振り向いた時に、もう一度銃を撃った。
パンと乾いた音を立て、再びホチキスの額に銃弾が食い込んだ。
「何を無駄な事を……」
ホチキスは嘲笑おうとして……気づく。
二度目の銃弾が一度目の銃弾に直撃して押し込んでいる事に!
女は三度目の引き金を引いた。
パンと乾いた音を立て、三度目の銃弾は一と二度目の銃弾を更に奥にめりこませる。
「ぐ、ぎゃあああああああぁあっ」
のたうつ怪物は巨大な肉体をのたうたせ、女の目の前の地面に叩きつけた!
女は衝撃に抗おうとせず巻き上がる土砂に身を任せ……
「くっ、しま…………」
――背後に、崖が有った事に気がついた。
◇ ◇ ◇
「どうやら超能力の類は無かったようですし、仕留めた……と見るのは早計ですか」
崖下には川が流れていた。
お約束で言うならば確実に生き残っていると言っても良い。
「私のあの姿を見て生き延びるとは、全く許せない人ですね。
さっきの銃弾も酷い。頭がズキズキするじゃないですか」
ホチキスは元の青年の姿に戻り、崖下を見下ろしている。
黒いズボンも元通り履いている。これは彼の一部なのだ。
車椅子に座った姿は無害な一般人にしか見えないだろう。
ゆっくりと再生しつつある額の傷も髪で隠している。
だがあの女は彼の事を知ってしまった。
「私の鼻を信じるならラノロワの住人のようですが……さて、誰なのやら」
答えるかは判らずとも名前を聞いておくべきだったか。
そう悔やみながら、ホチキスはその場を後にした。
崖下には川が流れていた。
お約束で言うならば確実に生き残っていると言っても良い。
「私のあの姿を見て生き延びるとは、全く許せない人ですね。
さっきの銃弾も酷い。頭がズキズキするじゃないですか」
ホチキスは元の青年の姿に戻り、崖下を見下ろしている。
黒いズボンも元通り履いている。これは彼の一部なのだ。
車椅子に座った姿は無害な一般人にしか見えないだろう。
ゆっくりと再生しつつある額の傷も髪で隠している。
だがあの女は彼の事を知ってしまった。
「私の鼻を信じるならラノロワの住人のようですが……さて、誰なのやら」
答えるかは判らずとも名前を聞いておくべきだったか。
そう悔やみながら、ホチキスはその場を後にした。
◇ ◇ ◇
「……まあ、生きていただけ良しとしようかしら」
彼女、◆l8jfhXC/BAは呻き声を上げて起きあがる。
流れ着いた場所は川沿いの森だった。
近くに人影が無い事を確認し、手早く周囲に落ちている小枝を集める。
そしてその内の二本を擦り合わせ、あっさりと火を点けた。
迷うことなく服を脱ぎ捨て、火の放射熱が届く近くの枝に掛けた。
体を調べてみたが、傷は打撲止まりで内臓破裂や内出血、骨折の類は無いようだ。
動きにくいからと胸に巻いていたサラシの一部を石で擦り切り、包帯にして巻く。
次に装備を確認する。
彼女に支給されたソーコムピストルは海水に落としても動作する名銃だ、問題無く動作する。
火に当てて熱を持っても困るので乾き始めた服で水気を拭き取るだけにした。
ただ支給品のデイパックは水浸しになってしまった。
刀は問題ないが、その他は乾かさないといけないだろう。
まあ読むものは大体暗記しているから、紙の類は問題ない。
刻印……ではなく首輪を外す時は、紙を現地調達できる場所に居るはずだ。
筆談が必要になればそれからでも遅くない。
◆l8jfhXC/BAは素早く自分の状態を整え、そして他へと思考を移した。
(それにしても出鱈目だわ。怪物や超人しか居ないのかしら)
目撃したのは高速で動く謎の鎧を召喚する瞬殺の男。
それからどこか遠くでその鎧を撃退したらしい謎の人物。
挙げ句に下半身を巨大な怪物に変化させたホチキスだ。
あんな力を現実に見るのは始めてだ。
咄嗟にラノロワで序盤にズガンされた竜堂始の事を思い出し一点射撃を行ったが、
竜堂始なら死んでいた額への三連射を受けてもあの化け物は死ななかった。
ダメージは通りつつあったから後一発で殺せただろうが、それでも四連射が必要という事になる。
どうやらラノロワより若干制限が緩いのではないだろうか。
どいつもこいつも怪物ばかりだ。
そこまで考えて思わず溜息を吐く。
「……まあ、私が言える事でもないわね。我ながら可愛げが無い」
こんなとんでもない環境に放り込まれて見た事も無い化け物に襲われたというのに、
迷いも怯えも無く適切に対応できている自分が可笑しく思えた。
人を殺して罪の意識を感じたとしても、それに押し潰される事は無いだろう。
彼女はもう少し心に揺らぎの有る、人を殺した事にも人が殺された事にも心が壊れそうな程に苦悩する、
そんな何処かに弱さを残した少女、例えばエンジェルハウリングのフリウ等に憧れていたのだが……。
(無い物ねだりという奴ね。
私には不安や迷いで思考が狭まるような心の弱さも、
どんな選択をしても生き残りうるような超常の力も有りはしない。
これからどう動けば生き延びられるか、何を望み何を求めるか。
このバトルロワイアルにおける私の生き方を決めなければいけないわ。
まずは…………)
◆l8jfhXC/BAはしばらく考えた末に、一つ決めた。
「◆l8jfhXC/BAじゃ名乗りにくくて仕方ないわね。
別に渾名も無いし、末尾を取ってAとでも名乗ろうかしら」
AngelHowlingのAngelとも掛けたなんて恥ずかしい秘密は墓の下まで持っていこう。
彼女、◆l8jfhXC/BAは呻き声を上げて起きあがる。
流れ着いた場所は川沿いの森だった。
近くに人影が無い事を確認し、手早く周囲に落ちている小枝を集める。
そしてその内の二本を擦り合わせ、あっさりと火を点けた。
迷うことなく服を脱ぎ捨て、火の放射熱が届く近くの枝に掛けた。
体を調べてみたが、傷は打撲止まりで内臓破裂や内出血、骨折の類は無いようだ。
動きにくいからと胸に巻いていたサラシの一部を石で擦り切り、包帯にして巻く。
次に装備を確認する。
彼女に支給されたソーコムピストルは海水に落としても動作する名銃だ、問題無く動作する。
火に当てて熱を持っても困るので乾き始めた服で水気を拭き取るだけにした。
ただ支給品のデイパックは水浸しになってしまった。
刀は問題ないが、その他は乾かさないといけないだろう。
まあ読むものは大体暗記しているから、紙の類は問題ない。
刻印……ではなく首輪を外す時は、紙を現地調達できる場所に居るはずだ。
筆談が必要になればそれからでも遅くない。
◆l8jfhXC/BAは素早く自分の状態を整え、そして他へと思考を移した。
(それにしても出鱈目だわ。怪物や超人しか居ないのかしら)
目撃したのは高速で動く謎の鎧を召喚する瞬殺の男。
それからどこか遠くでその鎧を撃退したらしい謎の人物。
挙げ句に下半身を巨大な怪物に変化させたホチキスだ。
あんな力を現実に見るのは始めてだ。
咄嗟にラノロワで序盤にズガンされた竜堂始の事を思い出し一点射撃を行ったが、
竜堂始なら死んでいた額への三連射を受けてもあの化け物は死ななかった。
ダメージは通りつつあったから後一発で殺せただろうが、それでも四連射が必要という事になる。
どうやらラノロワより若干制限が緩いのではないだろうか。
どいつもこいつも怪物ばかりだ。
そこまで考えて思わず溜息を吐く。
「……まあ、私が言える事でもないわね。我ながら可愛げが無い」
こんなとんでもない環境に放り込まれて見た事も無い化け物に襲われたというのに、
迷いも怯えも無く適切に対応できている自分が可笑しく思えた。
人を殺して罪の意識を感じたとしても、それに押し潰される事は無いだろう。
彼女はもう少し心に揺らぎの有る、人を殺した事にも人が殺された事にも心が壊れそうな程に苦悩する、
そんな何処かに弱さを残した少女、例えばエンジェルハウリングのフリウ等に憧れていたのだが……。
(無い物ねだりという奴ね。
私には不安や迷いで思考が狭まるような心の弱さも、
どんな選択をしても生き残りうるような超常の力も有りはしない。
これからどう動けば生き延びられるか、何を望み何を求めるか。
このバトルロワイアルにおける私の生き方を決めなければいけないわ。
まずは…………)
◆l8jfhXC/BAはしばらく考えた末に、一つ決めた。
「◆l8jfhXC/BAじゃ名乗りにくくて仕方ないわね。
別に渾名も無いし、末尾を取ってAとでも名乗ろうかしら」
AngelHowlingのAngelとも掛けたなんて恥ずかしい秘密は墓の下まで持っていこう。
【開始数十分後・B-1/???/瞬殺の人@学生キャラロワ】
[状態]:精神疲労(小)、鎧装着
[装備]:召喚した鎧
[道具]:支給品一式(地図なし)、後は不明
[思考]
基本:ロワを完結させる(結末は自分の優勝エンド)
1:まずは襲撃に適切な場所を捜す。
2:皆殺し
[備考]
[状態]:精神疲労(小)、鎧装着
[装備]:召喚した鎧
[道具]:支給品一式(地図なし)、後は不明
[思考]
基本:ロワを完結させる(結末は自分の優勝エンド)
1:まずは襲撃に適切な場所を捜す。
2:皆殺し
[備考]
- 男の「召還」は鎧(アルフォンスエルリックみたいな感じ)を呼び出すものです。
- 装着して動く事も出来るようです。
【開始数十分後・A-1/森/ホチキス@もえロワ】
[状態]:額に深い傷(再生中)
[装備]:車椅子(自前?)
[道具]:支給品一式(地図なし)、後は不明
[思考]
基本:このロワを好き放題楽しむ。
1:車椅子に乗った無害な姿を利用して行動する。
2:少しでもラノベに関連した者は殺害する。
[備考]
[状態]:額に深い傷(再生中)
[装備]:車椅子(自前?)
[道具]:支給品一式(地図なし)、後は不明
[思考]
基本:このロワを好き放題楽しむ。
1:車椅子に乗った無害な姿を利用して行動する。
2:少しでもラノベに関連した者は殺害する。
[備考]
- 変身能力は下半身がよく判らない巨大な(数m~10m程度の)怪物になるものです。
本人は烈火の炎の天道地獄最終形態に準えていますが、外見が少し似ているだけです。
- 影に潜む能力を持っているようです。
- 鼻が効くようです(対ラノベ関連のみ?)。
- どうやら全てホチキス改造手術による能力のようです。改造手術って凄いね。
【開始数十分後/B-2/川沿いの森/A(◆l8jfhXC/BA)@ラノベ・ロワイアル】
[状態]:打撲傷、ほぼ全裸
[装備]:ソーコムピストル(残弾10/13)、日本刀
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:これからの方針について考える。
1:まずは服が乾くのを待つ。
[備考]
[状態]:打撲傷、ほぼ全裸
[装備]:ソーコムピストル(残弾10/13)、日本刀
[道具]:支給品一式(地図なし)
[思考]
基本:これからの方針について考える。
1:まずは服が乾くのを待つ。
[備考]
- 焚き火で服や支給品を乾かしています。