竜妹蘭

登録日:2012/06/15(金) 21:21:06
更新日:2024/11/30 Sat 23:03:53
所要時間:約 5 分で読めます





その名で呼ぶな!

私は『ナタク』だ!



新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO』の登場人物。


年齢:14歳(享年)
身長:不明
体重:不明
搭乗機:トールギス始龍





竜妹蘭(ロン・メイラン)と読む。
A.C.(アフターコロニー)194年時点で、老朽化したL-5群A0206コロニーに住む武闘集団・竜一族の継承者。
超老師・竜紫鈴を祖母に持つ。

そして、何を隠そう、あのごひこと張五飛の嫁である。



元々竜一族はユーラシア最強とも恐れられた武闘集団であり、かつては栄華を誇っていた。
しかしあまりに強すぎた為に時の権力者に恐れられ、『地球圏統一連合』が発足したA.C.133年、故郷の中国を追われる事となった。

女子供を人質に取られた竜一族は、コロニー開発の初期に作られ、既に老朽化したA0206コロニーへの移住を呑むしかなく、以降は貧しい生活を強いられていた。

そんな状況下でも『正義』を貫く竜一族は権力に迎合する事を良しとせず、その潜在的脅威を恐れた連合の部隊と幾度となく戦っていた。
一族の継承者として産まれた妹蘭もまた『正義』を貫く意思の強さを持った少女だった。

その為に自ら「女を捨てた」として、中国の伝説上の戦士『ナタク』を名乗り、鍛練を積み重ねていた。


折しも時は連合の軍事増強が強まった時期であり、竜一族が『正義』を貫くには相応の力が必要であった。

その為、かつて史上初の戦闘用MSトールギスを開発した科学者のひとりであり、後のガンダム開発者でもある老師Oは設計データを元にトールギスの同型機である『トールギス始龍』を製造。
同時に、バートン財団からの支援金を元にガンダニュウム合金製MS『ガンダム』の開発を行っていた。

竜一族の守り手となるべく製造されたトールギス始龍だったが、本来の問題点である「普通の人間には扱えない」事により、パイロットは外から招くしかなかった。
そこで白羽の矢が立ったのが、張一族の超天才児であった超ごひ……ではなく張五飛(チャン・ウーフェイ)である。


当時、あまりに強すぎたがゆえに武術への関心を無くしていた五飛は学問にのめり込んでおり、末は学問で身を立てるつもりであった。
そんな中、張一族の主筋である竜一族から、五飛を守り手とするべく妹蘭との縁談が持ちかけられる。

竜一族の要請とあっては無視する事もできず、五飛は学校を休学してA0206コロニーを来訪。
内心では勝手な縁談が気に入らず、「どうしても嫌なら老師Oが造ったガンダムで逃げる」事まで考えていた。

妹蘭としても、トールギスのパイロットが自分ではなく「ギムナジウム帰りのインテリ坊や」であった事に腹を立て、結婚式上で乱闘を起こす。


当時、典型的な個人主義者で「正義など存在しない」と考えていた五飛と、『正義』を信じる妹蘭の仲は険悪そのもので、次に顔を合わせた際に口論から五飛に武術で勝負を挑んだ妹蘭は完膚なきまでに叩きのめされている。
しかし、いくら『力』で圧倒しても妹蘭の『正義』を折る事は出来ず、その事が五飛の意識に影響を与えた。

その出来事の後、五飛は「あのナタクが竜一族の守り手では弱すぎる」として、老師が造ったガンダムに『シェンロン(神龍)』と名付けている。


そんな折、竜一族がいつまでも始末できない事に業を煮やした連合の将軍セプテムは、大規模な部隊と細菌兵器により竜一族を抹殺する事を決定。
それに対抗する為に、妹蘭は周囲の制止を振り切ってトールギス始龍で出撃してしまう。

だがゼクス・マーキスですら手を焼き、オットーが命を落としたトールギスは少女の手に負える代物ではなかった。
妹蘭は奮戦するも、トールギスの強すぎる加速Gにより重傷を負ってしまう。

「妻を見殺しにする卑怯者にはなりたくない」という一心でまだ未完成だったシェンロンガンダムに乗り込んだ五飛の助けもあり連合は撃退できたものの、妹蘭は既に虫の息だった。


最期は妹蘭が好きだった花畑の中で、『女』として花を見詰め、夫である五飛に「誰よりも強い」と告げて息を引き取った……


彼女の死後、五飛は、
「あの機体は俺の妻が守った。だからあいつの魂が宿っている」
として、シェンロンガンダムを『ナタク』と呼ぶようになった。

また、その時に『正義』を貫いて生きる事を誓っている。




尚、五飛が『本当のオペレーション・メテオ』に反発したのはそこに『正義』がないと判断したからだけでなく、コロニーの花畑に建てた妹蘭の墓が失われる事が許せなかったからでもある。
(後に五飛の目の前でコロニーごと自爆というあんまりな展開が待っているのだが)

その際、老師Oに「もうナタクを忘れた方がいい」と言われたが、五飛は断固として受け入れなかった。


トールギス始龍(シロン)

老師Oが製造したトールギスの同型機。
性能はゼクス機と同じだが、頭部がリーオータイプ、カラーリングが青という違いがある。どうも五飛は青いトールギストラウマを負わされる運命にあるらしい。
当然その非常識な性能も健在で、竜一族に乗りこなせる者はいなかった。

ちなみに以前は単なるトールギスの色変えだったが、『敗者たちの栄光』にて名前とデザインが新設定されている。


■余談

ネットの普及により今でこそファンの認知度も高いが、かつては『EPISODE ZERO』と『Endless Waltz(小説版)』の入手しづらさもあってそれほど認知されてはいなかった。
「あの」ごひに嫁がいたという設定は、当時中々に衝撃だったらしい。

この設定を知ってから、本編でごひがナタクに語りかけるシーンを見るとまた違った見方が出来るとか。


映像作品には登場していないキャラだが、広く認知されて以降はゲームなどでも「かつてごひに嫁がいた」設定を汲んでいるような描写が増えた。

特に『スーパーロボット大戦L』ではその影響が色濃く現れており、『第2次スーパーロボット大戦Z』では遂に名前が登場した。

他のWキャラの扱いからするに、スタッフの中に相当なごひ好きがいるのではなかろうか……














無論だ……
追記・修正する事は『正義』だ!



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最終更新:2024年11月30日 23:03