フランクリン・リチャーズ(Franklin Richards) / フランクリン・ベンジャミン・リチャーズ(Franklin Benjamin Richards)

(キャラクター、マーベル)

初出:Fantastic Four Annual #6 (1968年11月)
属性:生まれつき能力を持つミュータントとされる場合と両親の浴びた宇宙線で変異した人間とされる場合がある
コードネーム:現在はパワーハウスと名乗っている。

概要

ファンタスティック・フォーミスター・ファンタスティック(リード・リチャーズ)とインヴィジブル・ウーマン(スーザン・リチャーズ)の第一子で長男。
現実改変能力を生まれながらに開花させているミュータント。「実はミュータントではなかった」「いや本当はやっぱりミュータントだった」とその実態は(つまり設定が)変遷を繰り返している(後述)。ミュータントしては最強クラスのオメガレベル・ミュータントとされる。
名前はスーザンジョニーの父親(つまり母方の祖父)であるフランクリン・ストームとシングの本名ベンジャミン・グリムからとった。
最近はパワーハウスを名乗り、ブロンドの髪を黒く染めている。

経歴

誕生

出産直前になって母のスーザンが浴びた宇宙線の影響が血中に残っていたため母子ともに不安定であることがわかり、リードはシングとヒューマン・トーチ(ジョニー・ストーム)を伴ってネガティブゾーンへ。アナイアラスの持つコスミック・コントロール・ロッドから抽出したエネルギーを使って容態を安定させ出産した。母体と子の危機から出産までずっとメディアに注目されていた。("Fantastic Four Annual" #6,1968年11月)。
出産直後はアリシア・マスターズがベビーシッターをかって出ていたが、その後は子守を魔女のアガサ・ハークネスが雇われたり、ロボットのH.E.R.B.I.E.(ハービー)が任されたりした。

パワー・パックとの関係

パワー・パックの弟分のような存在となり、ケイティよりも年齢は下。
父親同士が仲が良いため、パワー家にお泊まりすることもあり、「みんな寝なさい」と言われると、ベッドに入るふりをしてすぐ5人で冒険へ...という具合だった。
パワー・パックからは、「(いい意味での)タートルテール」というコードネームをもらって活動していた。
ちなみに父親のリード・リチャーズは、パワー家の兄弟を「フランクリンの友達」くらいにしか考えておらず、正体を知らなかった。

未来世界での訓練

父方の祖父ナサニエルに連れられ未来で訓練を受け、青年となり現代に戻って「サイロード」の名前で活躍した時期がある。この未来ではレイチェル・サマーズ(フェニックス)と結婚していた。(Earth-6311,Fantastic Four #376,1993年5月)
しかし、このタイムラインを維持するためには、多くの犠牲を伴うことが判明。このタイムラインを放棄し、元の子供のフランクリンに戻った。

オンスロート事件とヒーローの復活

最初のオンスロート事件の際、オンスロートに特攻したヒーローたちは全員死亡したと思われていたが、実はフランクリンが無意識につくり出した「ポケットユニバース」で救出していた。後にヒーローズ・リボーンでヒーロー探索隊であるデイ・ドリーマーズの中心メンバーになり、ヒーローたちを帰還させた。

能力の喪失

その強力すぎる能力ゆえか、能力の喪失・復活を繰り返している。
フランクリン自身は幼い頃から能力に苦しんできたので、能力を失うことを喜んでいたこともある。
ジョニーの死によりファンタスティック・フォーが解散し、新たにフューチャー・ファウンデーション(略してFF)を結成すると、パワーハウスのコードネームで両親や妹のヴァレリアらと共に参加した。

世界の再生と未来

"Secret Wars(2015)"では父やモレキュールマンと共に世界の再生に貢献。現在の第八宇宙(インカージョンによって崩壊した宇宙の次世代の新たなマルチバース)として復活させた。
さらにこの宇宙が終わり次のマルチバース「第九宇宙」でも生存するが、ただしギャラクタスのような宇宙の捕食者になると言われている。

ミュータントなのかミュータントでないのか

X-MEN含むミュータントたちがクラコア島に独立国家を設立したときフランクリンもその国民として迎えられようとしたが、ファンタスティック・フォーとの議論の末、一度は新国家には行かずアメリカに残ることなる。しかし後に失われた全能のミュータント能力を取り戻すためクラコアゲート(ミュータントだけが通れる次元の門)を通過してクラコア島に移動しようとして拒絶されてしまう。この時はプロフェッサーXによって「セレブロによると君はミュータントではない。幼い頃に特別な存在になりたかった君は、無意識でコスミック・パワーを使いX因子(ミュータントであることを決定づける遺伝子)があると見せかけられるように細胞を変質させた」と説明された。("Fantastic Four Vol.6#25〜26,2020年")
これによるとフランクリンは自ら気づかない間にミュータントを偽装していたことになるのだが...
ところが後に能力の喪失こそが自身による偽装で、強力すぎる能力が精神的な未熟さ故に危険なものになると知ったフランクリンが自ら能力を封印、そのこと自体の記憶を消去、「1年に1度だけ寝ている間に目覚め能力を全開放し、世界の危機を察知してこれを回避すると再び眠りに就きその記憶までも失ってしまう」という暗示を自らにかけ、さらには他者にもそれが分からないようにしていたことが判明。("Fantastic Four Vol.7#18,2024年")
これによるとプロフェッサーXのセレブロやクラコアゲートすらもミュータント能力封印に気づかず、「ミュータントではないという偽装」に気づかなかったという可能性がある。

能力

現実改編能力:何でも想像通りになる。
この能力はミュータントとしてはオメガ・レベル(一説にはそれ以上とも)と認識され、地球上で最強レベルとされる。
セレスティアルズによると「ユニバーサル・シェイパー(宇宙を形づくるもの)」とも呼ばれ、この宇宙そのものを再構成するほどの力を持つ。
この現実改変能力を巡り、ヴィランが彼を利用しようとすることも多い。
このほかテレパシーなど多種多様な超能力を持つ。

トリビア

フランクリンの年齢がいくつなのかは明らかになっておらず、ジョークのネタにまでされている。
明らかなのは、最初のオンスロートの攻撃の時5歳、作家陣のコメントでは実時間の2014年に8歳とされている。


最終更新:2025年08月03日 09:36