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男女反転17話

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datui

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人を見かけで判断してはいけません


(なんなんだろう、これ……)
月下に佇むは一人の少年。
ブレザーの制服姿に、首には黄色いスカーフを巻いている。
兄とお揃いで買った大事なスカーフだ。
(お兄ちゃんなら、こんな時どうするのかな?)
男ばかり四人兄弟の末っ子として育った彼だが、中でも双子の兄との絆は格別だ。
いつだって支えあってきた。
出来のいい兄に引け目を感じることもあったが、それでもお互い足りないところを補おうとしてきたつもりだ。
しかし今はその兄に頼ることもできない。
頼れる親友もいない。
(こなた君なら、きっとこんなことになっても動じないんだろうけど……僕には無理だよ)
改めて、自分が周囲の人に支えられていたことを知る。
しかしいつまでも兄やこなたの助けを待っているわけにもいかない。
自分が人を殺せる人間だとは思わないが、みすみす死んだりしたらみんなに笑われてしまう。
精一杯、できる限りのことをやらなければ。
そう考え、ひとまず自分のバッグの中身を確認しようとした時。

「キミ」

甲高い女の声がした。

不運なことに、この時は深夜でろくに光源もなかった。
さらに不運なことに、その時彼に声をかけてきた女は、地元でも「顔の怖さ」で知られる人物だった。
つまり、この時少年の目に映ったものを極力客観的に描写すると―――

『突然木の後ろから、魔女のようにつり上がった目と裂けた口を持ち、目の下に傷のある白い顔の女が、のっそりと顔を出した』

少年は生まれて初めて「腰を抜かす」という経験をした。

「どうかしたのかい、キミ?」

魔女が一歩近よってくる。少年は悲鳴を上げると、一目散に宛もなく逃げ出した。
「うわああああん!! お姉ちゃああああん!!」



月下には、一人取り残された女が一人。
彼女は呆然と、闇に消えた少年の背中を見送った。
『どうかしたのかい、君』
(そんなに怖そうに聞こえたのかな……)
やっぱりこの顔のせいで逃げられてしまったのか、と彼女は頭を掻きつつため息をつく。
切れ長のつり上がった目に裂け気味の口、目の下の傷のせいで夜間は幽霊、昼間は極道関係者に間違えられてしまう彼女だが、エプロンをしていることからもわかる通り、その職業は保母なのである。
それも若くして自分の経営する園を持つ園長にまでなった人物なのである。
にも関わらず、仕事場でも部下や園児たちに顔の怖さでからかわれたり怯えられたりしているわけだが。
(園児たち、か……)
彼女の園には、自分で評するのもなんだが個性的な魅力溢れる園児たちが多い。
まさか彼らまでこの事態に巻き込まれたりはしてないだろうか?
大人の自分でも正気を保つのに精一杯なのだ。きっと怯えて泣いているだろう。
約数名、こんな状況でもマイペースに過ごしてそうな子もいるが。
「さて……やっぱり、追っかけるしかないよねえ」
彼女は掌にかいた汗をエプロンで拭くと、姿を消した少年を追って走りだした。


【一日目深夜/D‐5】

【園長先生@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一色、不明支給品2~3
[思考]:
1:少年(つかさ)を追いかけて保護
2:殺し合いには乗らない


【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一色、不明支給品2~3
[思考]:
1:うわああああん!! お兄ちゃああああん!!

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