運命の歯車は動き出す ◆OmtW54r7Tc
「残り人数も少なくなってきましたね、ふふふ」
画面を見ながら、心底楽しそうに笑みを浮かべながら言うのは、このゲームの主催者であるニンテンドー3DSだ。
「…そうだな」
一方、彼の隣には別の少年が立っていた。
その少年の表情は、3DSとは逆で暗い。
その少年の表情は、3DSとは逆で暗い。
彼の名はWii U。
3DS同様、今をときめく現役の家庭ゲームハードである。
そして、このゲームのもう一人の主催者であった。
3DS同様、今をときめく現役の家庭ゲームハードである。
そして、このゲームのもう一人の主催者であった。
「私が用意した参加者で残っているのが4人しかいないのは不満ですねえ」
3DSが不満を漏らす。
このゲームの参加者であるカセット達に人間の姿を与えたのは、他でもない3DSとWii Uの力だ。
3DSはGBゲームと、Wii UはSFCゲームとバーチャルコンソールという縁で繋がっているため、それを利用して彼らに命を与えたのだ。
勿論本当に命があるわけではなく、彼らのゲームデータを元にバーチャル空間で擬人化させただけなのだが。
このゲームの参加者であるカセット達に人間の姿を与えたのは、他でもない3DSとWii Uの力だ。
3DSはGBゲームと、Wii UはSFCゲームとバーチャルコンソールという縁で繋がっているため、それを利用して彼らに命を与えたのだ。
勿論本当に命があるわけではなく、彼らのゲームデータを元にバーチャル空間で擬人化させただけなのだが。
「3DS…優勝者以外のゲームの処置についてだが」
「しつこいですよ、Wii U。優勝したゲーム以外はデリート…消します。その為のスーパーデラックスくんではないですか」
「しつこいですよ、Wii U。優勝したゲーム以外はデリート…消します。その為のスーパーデラックスくんではないですか」
星のカービィスーパーデラックス。
その役目はゲームが続行不可能になったとき、全てを無に帰す。
確かにそれも役目の一つではあった。
だがしかし、彼にはもう一つの役割があったのだ。
それは、「優勝したゲーム以外の存在を無に帰す」ことだった。
その役目はゲームが続行不可能になったとき、全てを無に帰す。
確かにそれも役目の一つではあった。
だがしかし、彼にはもう一つの役割があったのだ。
それは、「優勝したゲーム以外の存在を無に帰す」ことだった。
「これからは私達3DSやWii U、あるいはPS4やPSvitaの時代です。老兵は去るのみというやつですよ」
「……………」
「さて、私はちょっと用事ができそうなので、一端席を外します。代わりに監視をお願いしますね」
「……………」
「さて、私はちょっと用事ができそうなので、一端席を外します。代わりに監視をお願いしますね」
そういって、3DSはその場から消えた。
残されたWii Uは、監視作業を…
残されたWii Uは、監視作業を…
「…動くなら、今か」
…続けなかった。
彼もまた、その場を離れていなくなってしまったのだ。
彼もまた、その場を離れていなくなってしまったのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「くそ…あいつ、許さない」
スーパーゲームボーイは、怒りに燃えていた。
彼が怒りを燃やす相手は、当然先ほど自分を散々おちょくってくれた桃鉄DXだ。
彼が怒りを燃やす相手は、当然先ほど自分を散々おちょくってくれた桃鉄DXだ。
「今度こそぶちのめす!そして盗まれたゲームカセットも取り返す!」
彼は今、桃鉄DXによって能力として使用するためのゲームカセットを半分失っている。
その為、彼から一刻も早く取り返さなければならなかった。
なにより、自分をあそこまでコケにしてくれたのだ。
個人的な恨みを晴らす意味でも、再び戦う必要があった。
その為、彼から一刻も早く取り返さなければならなかった。
なにより、自分をあそこまでコケにしてくれたのだ。
個人的な恨みを晴らす意味でも、再び戦う必要があった。
「3DS…待っていてください。次こそは必ず…」
『あなたに次なんてありませんよ』
突然現れたホログラム。
そこに現れたのは…
そこに現れたのは…
「す、3DS!」
『やれやれ…無様なものですね。スーパーゲームボーイ」
「どうしてあなたが…いや、それより次がないとは」
『今、あなたがいる場所がどこか分かっていますか?』
『やれやれ…無様なものですね。スーパーゲームボーイ」
「どうしてあなたが…いや、それより次がないとは」
『今、あなたがいる場所がどこか分かっていますか?』
そういえばどこだろう。
桃鉄DXにおならカードで吹っ飛ばされたわけだが…
桃鉄DXにおならカードで吹っ飛ばされたわけだが…
『あなたがいるのはE-6…禁止エリアですよ』
3DSの言葉に、スーパーゲームボーイはぎょっとした。
桃鉄DXめ、なんて場所に飛ばしてくれたんだ。
桃鉄DXめ、なんて場所に飛ばしてくれたんだ。
「ま、待ってください3DS!どうか猶予を…」
『猶予なら与えますよ。30秒ほどね』
「さ、30秒…」
『かなり飛ばされましたからねえ。おそらくその程度の時間ではこのエリアは抜けられないでしょう』
『猶予なら与えますよ。30秒ほどね』
「さ、30秒…」
『かなり飛ばされましたからねえ。おそらくその程度の時間ではこのエリアは抜けられないでしょう』
3DSの言葉に、スーパーゲームボーイはガクリとその場に崩れた。
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
自分がこんなところで脱落?
そんなの嫌だ。
認めたくない。
だって、自分はまだ…
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
自分がこんなところで脱落?
そんなの嫌だ。
認めたくない。
だって、自分はまだ…
「まだ…なにもしてないのに!参加者だって一人も殺してないのに!」
『はあ…まったくあなたは本当に役立たずのジョーカーでしたよ。
ゲームに乗るものが万が一少なかった時の保険として用意したものの、杞憂に終わりましたし
それでも殺し合いの更なる促進を促してくれるかと思えば、一人も仕留められないんですからね』
「ぐうっ…!」
『はあ…まったくあなたは本当に役立たずのジョーカーでしたよ。
ゲームに乗るものが万が一少なかった時の保険として用意したものの、杞憂に終わりましたし
それでも殺し合いの更なる促進を促してくれるかと思えば、一人も仕留められないんですからね』
「ぐうっ…!」
3DSの言葉が、更に彼を打ちのめす。
本当に、無様にもほどがある。
本当に、無様にもほどがある。
『さて、それじゃあそろそろあなたも退場していただきましょう』
「スーパー…ニンテンドー3DS。私の…夢……」
「スーパー…ニンテンドー3DS。私の…夢……」
3DSがスイッチを押すと、スーパーゲームボーイはその場に倒れ、動かなくなった。
奇跡なんてものが起こることもなく。
あっさりと、無情に。
奇跡なんてものが起こることもなく。
あっさりと、無情に。
【スーパーゲームボーイ 死亡】
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ニンテンドー3DSがスーパーゲームボーイと対話していたその頃、Wii Uはとある一室に来ていた。
その部屋には、ピンクの髪の少年がいて。
その部屋には、ピンクの髪の少年がいて。
「うっ…うっ……」
その少年は泣いていた。
「…スーパーデラックス」
Wii Uは、その少年――星のカービィスーパーデラックスに声をかける。
スーパーデラックスは、放送直前にカービィのきらきらきっずが殺されてから、このように泣いていた。
なによりその殺した相手が同じカービィシリーズのコロコロカービィであり、彼は星のカービィをも殺そうと狙っているのだ。
悲観するなというのが無理というものだ。
スーパーデラックスは、放送直前にカービィのきらきらきっずが殺されてから、このように泣いていた。
なによりその殺した相手が同じカービィシリーズのコロコロカービィであり、彼は星のカービィをも殺そうと狙っているのだ。
悲観するなというのが無理というものだ。
「ぐすっ……な、なんだよ」
スーパーデラックスは、警戒した様子でWii Uを睨みつける。
「お前は、このゲームを止めたいか?」
「え…!?」
「え…!?」
Wii Uの言葉に、スーパーデラックスは驚きで目を見開く。
「止めたいのかどうかと聞いている。こっちも時間がない」
「あ…と、止めたいさ!こんなゲーム同士で殺し合いなんて…しかも僕の手でゲーム達を消さなきゃいけないなんて!」
「…そうか」
「お前等、いったいなんなんだよ!現役の最新ゲーム機だからって、古いゲームを消す権利なんてあるのかよ!?」
「あ…と、止めたいさ!こんなゲーム同士で殺し合いなんて…しかも僕の手でゲーム達を消さなきゃいけないなんて!」
「…そうか」
「お前等、いったいなんなんだよ!現役の最新ゲーム機だからって、古いゲームを消す権利なんてあるのかよ!?」
スーパーデラックスの言葉に、Wii Uは反応を示さない。
代わりに取り出したのは、一つの星。
代わりに取り出したのは、一つの星。
「これは、3DSが参加者を会場に飛ばした時に使用した、『ワープスターを操る能力』のスターだ」
「…!」
「…!」
スーパーデラックスの顔が歪む。
スーパーマリオワールドの推測通り、これは本来星のカービィに与えられるはずのものであった。
しかし、3DSはこの能力を星のカービィから引きはがし、代わりに『星のカービィ 夢の泉の物語』の能力を取り付けた。
スーパーマリオワールドの推測通り、これは本来星のカービィに与えられるはずのものであった。
しかし、3DSはこの能力を星のカービィから引きはがし、代わりに『星のカービィ 夢の泉の物語』の能力を取り付けた。
「返せ!それは星のカービィ姉ちゃんのものだ!」
「言われなくとも返してやる」
「へ…?」
「言われなくとも返してやる」
「へ…?」
Wii Uは、スーパーデラックスに星を渡す。
あまりにもあっさりと返されて、スーパーデラックスは戸惑う。
こいつはいったい何を考えているんだ?
あまりにもあっさりと返されて、スーパーデラックスは戸惑う。
こいつはいったい何を考えているんだ?
「この能力を使って、急いで会場へ向かえ。その能力のワープスターなら、参加者達をここまで運ぶことができる」
「…何を企んでるんだ」
「別に何も。俺はただ、お前と同じでこの殺し合いを止めたいだけだ」
「な…!?で、でもお前達は…」
「確かに俺もこのゲームに協力した。古いゲーム達にチャンスが与えられるなら、と思っていた。お前の役目を知るまではな」
「僕の…役目。優勝者以外のゲームを、消すこと」
「…何を企んでるんだ」
「別に何も。俺はただ、お前と同じでこの殺し合いを止めたいだけだ」
「な…!?で、でもお前達は…」
「確かに俺もこのゲームに協力した。古いゲーム達にチャンスが与えられるなら、と思っていた。お前の役目を知るまではな」
「僕の…役目。優勝者以外のゲームを、消すこと」
3DSに今回の話を持ち掛けられた時、Wii Uは思い違いをしていた。
バーチャル空間でゲームのデータを擬人化し、戦わせる。
最後の一つになったゲームを移植、リメイクする。
殺し合いなんて物騒なものではなく、ただそれだけだと思っていたのだ。
しかし、企画の準備が最終段階に突入したころ、3DSは言ったのだ。
『優勝者以外のゲームは、全て消滅させる』と。
バーチャル空間でゲームのデータを擬人化し、戦わせる。
最後の一つになったゲームを移植、リメイクする。
殺し合いなんて物騒なものではなく、ただそれだけだと思っていたのだ。
しかし、企画の準備が最終段階に突入したころ、3DSは言ったのだ。
『優勝者以外のゲームは、全て消滅させる』と。
「彼らは確かに15~25年も前の古いゲームだ。人々に忘れ去られた古い存在かもしれない。
だが、俺達現役ゲームは彼ら先人のかつての活躍があったからこそ、こうして生まれることができた。
その恩を忘れ消滅させるなど、間違っている」
だが、俺達現役ゲームは彼ら先人のかつての活躍があったからこそ、こうして生まれることができた。
その恩を忘れ消滅させるなど、間違っている」
同じようなことは、3DSに何度も説いた。
しかし、彼は未だに考えを改めようとはしない。
それならば、もはやこの殺し合いというゲーム自体を破綻させるしかない。
しかし、彼は未だに考えを改めようとはしない。
それならば、もはやこの殺し合いというゲーム自体を破綻させるしかない。
「…あんたの考えは分かった。その能力は僕が預かるよ」
スーパーデラックスは『ワープスターを操る能力』を取り込む。
そして、新たに能力を取り込んだためか、『全てを0にする能力』の星が吐きだされた。
そして、新たに能力を取り込んだためか、『全てを0にする能力』の星が吐きだされた。
「この『全てを0にする能力』の星は…どうしよう」
「それも一緒に持っていけ。3DSから離しておいた方が使われる心配がないからな」
「分かった。それじゃ行ってくる」
「待て、もう一つ伝えておくことがある。ここからあの会場に行くときは問題ないが、あの会場からここに戻ってくるときには封印を解く必要がある」
「な、そうだったの!?それじゃこっちに参加者連れてこれないじゃん!」
「…とある場所に封印を解くためのアイテムを隠しておいた。同族の動向を追っていたお前なら、察しはつくはずだ」
「!…分かった」
「それも一緒に持っていけ。3DSから離しておいた方が使われる心配がないからな」
「分かった。それじゃ行ってくる」
「待て、もう一つ伝えておくことがある。ここからあの会場に行くときは問題ないが、あの会場からここに戻ってくるときには封印を解く必要がある」
「な、そうだったの!?それじゃこっちに参加者連れてこれないじゃん!」
「…とある場所に封印を解くためのアイテムを隠しておいた。同族の動向を追っていたお前なら、察しはつくはずだ」
「!…分かった」
星のカービィスーパーデラックスは、ワープスターを出現させると、その場から消えた。
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「ただいま戻りました。Wii U、他の参加者達に変わりはありませんか?」
「特にない」
「特にない」
先に監視室へ戻ってきていたWii Uは、スーパーゲームボーイの処分を終えて戻ってきた3DSにそっけなく答えた。
3DSは、Wii Uを特に不審がるでもなく、「そうですか」とだけ言うと参加者の監視を再開した。
どうやら『ワープスターを操る能力』を持ち出したことも、その能力でスーパーデラックスを逃がしたことも気付いていないようだ。
彼があの会場に到着するのはおそらく次の放送の前後あたりだろう。
それまでは、どうにか隠し通さなければならない。
3DSは、Wii Uを特に不審がるでもなく、「そうですか」とだけ言うと参加者の監視を再開した。
どうやら『ワープスターを操る能力』を持ち出したことも、その能力でスーパーデラックスを逃がしたことも気付いていないようだ。
彼があの会場に到着するのはおそらく次の放送の前後あたりだろう。
それまでは、どうにか隠し通さなければならない。
(3DS…お前の好きにはさせない。ゲーム達を、消させはしない)
本来なら自分が動いて3DSを倒すべきなのだろうが、半身であるGamePadを人質に取られているのだ。
イニシアチブを握られている状況であり、一人ではどうにもできない。
彼らに力を貸してもらうしかなかった。
イニシアチブを握られている状況であり、一人ではどうにもできない。
彼らに力を貸してもらうしかなかった。
(どうか…間に合ってくれ)
【主催本部】
【ニンテンドー3DS】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
1:バトルロワイアルを円滑に運営する
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
1:バトルロワイアルを円滑に運営する
【Wii U(本体)】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
1:バトルロワイアルを止める
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
1:バトルロワイアルを止める
【会場に移動中】
【星のカービィスーパーデラックス】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】『全てを0にする』能力の☆
【思考】
1:会場へ向かい参加者を主催本部へ連れて行く
※「ワープスターを操る能力」を手に入れました。
【状態】健康
【装備】なし
【道具】『全てを0にする』能力の☆
【思考】
1:会場へ向かい参加者を主催本部へ連れて行く
※「ワープスターを操る能力」を手に入れました。
※星のカービィスーパーデラックスが、会場へ向かいました。
到着は第2回放送の前後あたりになると思われます。
到着は第2回放送の前後あたりになると思われます。