「のっぺらぼう」のバリエーション。つのかくしを戴いた女性の姿で目と鼻がなく、お歯黒のべったりついた口を大きく開いてげたげた笑うというもの。多くは狐狸の化け損なったものであるとされます。

 かような妖怪が生まれる背景として、お歯黒をつけた女性をグロいと感じる男性が少なからずいたということなんでしょう。男子と女子の美意識の乖離って今でもけっこうありますよね。たとえばデコ電とかデコネイルとか。女子はなぜ爪や携帯電話をフジツボみたいなやつでみっしり覆って喜ぶのだろうか。男子的にはグロテスク趣味の極致としか思えないんですが、女子はあれが可愛いというのだから不思議だ。

 このままでは、女子のデコ趣味に対する男子サイドの恐怖心が具現化して、体じゅうにラインストーンを貼り付けた妖怪が誕生し、その妖怪が道ゆく人をさらっては80年代のデコレーション超大作映画『星くず兄弟の伝説(駄作すぎて観るのが苦痛)』をむりやり観せる、という猟奇事件が頻発するのも時間の問題なので、みなさんは知り合いの女子がデコ電とか使っているのを見かけたら「くだらないからやめろ」とはっきり言ってあげるのがよいでしょう。それが正義であり、それが人情というものだよ君。僕は女子に嫌われたくないので言わないけど。






星くずべったり

最終更新:2009年11月03日 14:39