牛車の車輪と人の顔が合体した妖怪で、『BTTF』のデロリアンさながらに轍をめらめらと燃やしながら夜の大路をゴキゲンに走りまわるぞ。こいつを見ると死にます。
なお「此所勝母乃里」と書いた呪符を家の戸口に張り付けておけばこの妖怪は決して近寄ることがないとのこと。え、理由? んなこと知らないよ。そういう真面目な疑問を抱く人はwikiでも読めばいいんじゃないの。なんかそれっぽいことが書いてあるよ。
この妖怪はかなりの頻度で『鬼太郎』シリーズに登場します。というのも、鬼太郎が何かしらの理由で車を用立てる必要が生じた場合、常にこのひとが4匹セットで車のタイヤ代わりに使われるから。それにしても機械製品のパーツ扱いって……もはやそこに人権や個人の尊厳といったものは存在しない。水木先生はこの妖怪をオートバックスで販売しているカー用品の延長くらいにしか考えていないのです。ひどすぎる。
しかし、輪入道先生がピンの悪役として登場することだってあるんです。その際は「ダイヤ妖怪輪入道」の肩書を持ち、炭素化光線を吐いて人間をダイヤモンドに変え、さらにそれをガツガツ喰らう恐ろしい妖怪として描かれます。すごい! こわい! つよい!
しかし輪入道がなぜ「ダイヤ妖怪」でなければならないのか。その理由をつらつらと考えてみるに、「タイヤ」の連想からくる低次なダジャレのような気がしてならない。水木先生はこの妖怪のことを本当にどうでもよい奴として考えておられるのだなあ。水木妖怪体系において、こうもぞんざいな扱いを受けている妖怪が他にいるだろうか。なんだか少しせつないぜ。よよよ。
最終更新:2009年05月11日 21:21