好き:酒(酒なら何でも好き)、プロレス技、一人月見酒
嫌い:ノンアルコール飲料、一人月見酒を邪魔される事
この先は那由他の設定にまつわる小話が書いてあります。
興味のある方のみ、どうぞ。
――物事に“例外”はつき物である。
どれだけパターン化された事象でも、全く違ったものが入り込む余地はある。
それが例え1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000のパターンの内
たった1つのパターンだとしても、起こってしまえば「事実」である。
あるいは、人はそれを“奇跡”と呼ぶのかもしれない。
とある山奥に、世も名も捨てた老婆が居た。
御歳250―― 2500年ごろまでは考えられない寿命だったが、
最新の医療機器の発達により、不可能ではないとされる年齢であった。
ありとあらゆる装置を山に持ち込み、老婆は山奥に一人で暮らす。
山の湧き水から酒を作り、老婆とは思えぬ肉体と装置を駆使して獣を狩り、
小さな農地を作って野菜を作り、それらを飲み食いして生きながらえていた。
「わしも、そろそろお迎えか――」
日に日に動かなくなっていく手足の感覚を確かめながら、天を仰いで瞑想に耽る。
この頃になると老婆は、自分の若い頃を想起する事が多くなっていた。
若かりし青春時代を思い起こし、心だけ少女時代にタイムスリップする。
老婆が命を落としたのも、そんな瞑想の最中の出来事だった。
「――ん?」
老婆はふと、自分の身体に違和感を覚え目を開く。
手を見ると、皺が消えている。 立つ事も出来なくなってしまっていた足を使い大地に立つ。
100年位前から見なくなってしまった鏡を引っ張り出し、覗き込む。
「こ、これは……」
老婆の顔は、若い頃のそれに戻っていた。
しかし長年の山篭りにより目つきは鋭く、髪もぼさぼさで、まるで鬼のようだと思った。
老婆が自らの頭に生えたものに気が付くのは、それからもう少し後の事である。
こうして、人間の記憶を持ったメイデンが誕生した。
しかし彼女は既に世捨て人、今更人間の生活に戻る事などできず、
自らのように死後変化してしまった者達を探す事にした。
それから先、今より前の話は――まだ語るべき時ではない。
最終更新:2013年04月18日 10:32