かつかつかつかつ

かつかつかつかつ…。
石畳を叩くでたらめなリズム。四人の足音。
その音に気をかける者は、今現在ここにはいなかった。

アリアハン城、謁見の間へと続く廊下。
バッツとパパス、それにクーパーアニーは、新しい“舞台”に移動すべく歩いていた。

クーパーは、天井に開いた大穴を見上げた。穴の向こうに旅の扉の淡い蒼光が見える。
そのままぐるりと首を回してみた。破壊が、その乱暴な爪痕をまざまざと見せつけてくる。荘厳であった城は、今は半ば瓦礫の塊になりつつあった。
「こんな事が出来るヤツがいるんだ…。」
恐ろしいと言うより、子供特有の好奇心からクーパーが呟いた。
破壊力で言えば、自分の雷撃呪文に勝るとも劣らない。これが出来るのが、味方だったら…。
「…アイツだろうな…。」
「知ってるの?これやった人。」
バッツの呟きに、アニーが応じる。ひょっとして、バッツの仲間…?
だがその期待は、至極あっさり霧散した。
「お前らも会っただろ?初めてあった時のあの男。」

その言葉に、双子はちょっぴり肩を落とした。

かつかつかつかつ…。
石畳を叩くでたらめなリズム。“五人”の足音。
アニーの背筋がぞくりと凍り付く。足音が…五人分有る!

思わず最大級の爆裂呪文を思い浮かべながら、アニーはばっと振り向いた。
突然の事に驚きながらも、バッツ達も習う。

そこには、魔道士が立っていた。妖術師、神官…様々な呼び方が有るだろう。エビルプリースト

ゆっくりと背後に忍び寄っていたエビルプリーストは、気づかれた事に舌打ちすると呪文を唱えだした!
「ちぃ…!貴様だけは死んでもらうぞ!天空の勇者め!」
叫ぶと同時、まっすぐクーパーに向かってメラゾーマの火球が炸裂した!
クーパーはかろうじてそれを盾で受け止め、受け流そうとする。しかし強大な圧力に、あっさり弾き飛ばされ昏倒する。
「クーパー!」
バッツは駆け寄り、クーパーを抱き起こした。幸い怪我はないようだが。
「バッツ殿!二人を連れて旅の扉に!儂もすぐ行く!」
パパスは叫び、剣を抜いた。バッツは頷くとアニーを抱き寄せて階段を上り始めた。

剣風が、寒風をまとってエビルプリーストを薙ぐ。メラゾーマの火炎が、弾丸のようにパパスを狙った。
互角の攻防、必殺の一撃。いつの間にか、戦いながら怒鳴っている!
「あのガキは生かしていては…我々にとって危険なのだ…ッ!」
「儂は天空の勇者を捜していた…!しかしそんな事より、子供と未来有る若者を殺させるわけにはいかんのだ!絶対に!」
どがっ、と言う衝撃。腹を蹴られてエビルプリーストが地面に倒れ伏した。
「パパスさんっ!」
と言う声が、その直後に聞こえてくる。天井に空いた穴から。
「行きますッ!」
叫んで、バッツ達は旅の扉に飛び込んだ。それを確認してから、パパスはまっすぐに跳躍する。
穴の縁に手をかけて、二階に上がる。バッツに少し遅れて、パパスが扉に飛び込んだ。
「逃がすかぁ!」
倒れたままのエビルプリーストが怒鳴り、呪文を願う。
直後に、イオナズンの爆風が、目に入る全てを吹き飛ばした。

エビルプリーストは、爆風が収まったのを確認して立ち上がった。
ぱんぱんと服の埃を払いながら、上を見上げた。青い空が見える。
手加減なしに解き放ったイオナズンは、間に会ったいくつもの部屋ごと城の屋根を消失させていた。
今やこの城は、壁があるだけの張りぼて同然の城だ。
エビルプリーストは正面を見た。消失した謁見の間から“落ちてきた”旅の扉がある。
エビルプリーストは迷い無く、それに飛び込んだ。
どうやら二人存在しているらしい天空の勇者の排除を決意しながら。


【パパス 所持品:アイスブランド
 第一行動方針:子供達の両親さがし
 基本行動方針:子供達の安全確保
 最終行動方針:ゲームを抜ける】
【現在位置:新フィールドへ】

【バッツ@魔法剣士(アビリティ:白魔法) 所持品:ブレイブブレイド
 第一行動方針:レナとファリスを探す
 基本行動方針:非好戦的だが、自衛はする
 最終行動方針:ゲームを抜ける】
【クーパー 所持品:天空の盾とマンゴーシュ(王女の支給品)
 第一行動方針:両親さがし】
【アニー 所持品:なし
 第一行動方針:両親さがし】
【現在位置:新フィールドへ】

【エビルプリースト(好戦的) 所持品:危ない水着
 第一行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
【現在位置:新フィールドへ】


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最終更新:2011年07月18日 06:19
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