旅の扉前での攻防

カインは相変わらず息を潜めて藪の中からセフィロスの様子をうかがっていた
「何か変わったことは無い?」
エアリスがカインの後ろから声をかける。さらにその奥にはもう一人
割腹のいい商人風の男が何か考え事をしながら座りこんでいる。

彼の名前はトルネコ
つい先程エアリスが扉に向かう彼を発見し、この藪の中へ連れてきたのだ。  

ちなみに旅の扉が設置されているのは小高い山の頂上に開けた広場の中央
そこから3方向にふもとへと道が伸び、あとはうっそうとした森と藪に囲まれている
エアリスとカインはその3つの道を同時に見渡す事ができる絶好のポジションに潜んではいた
ただし3つの道の内2つは彼らが潜んでいる藪からは正反対の位置にあり、危険を知らせることは出来ない
危険を知らせることが出来るのは残りの1つ、自分たちの潜む藪を迂回するような形で
頂上へと昇る道を通る者だけだ。

トルネコをエアリスが連れてきたとき、カインは少し苦々しい思いをした
何も知らないトルネコを囮に使い、さらに自分も囮になることでエアリスを逃がす、そういう青写真を描いていたのだ
そのトルネコはエアリスと熱心に話しこんでいる
聞くところによると塔での呼びかけは彼の妻が行った事らしい。

そろそろ何か動きは無いのか?
カインがまた外へ視線を向けると
残り2つの道をたどり頂上へと昇っていく人影が見えた
影は3つ、カインから見て右手から2人、それから左手の道から1人・・・・・今がチャンスだ
カインはエアリスとトルネコを呼び、いつでも動けるよう指示を出す。

セフィロスも彼らを察知したらしい
扉を離れ、右手の2つの影の方へ斬りこんで行く
それを確認し、さらに口の中で6つ数えてから、カインは2人に叫ぶ
「行くぞ!!」

アーロンに出会えて本当によかったよ」
リュックはアーロンの太い腕にすがり付く、アーロンは少し戸惑った表情をしたが
まんざらでもないのだろう、そのまま進んでいく。
「おそらくこの山の頂上に扉はあるのだろう、地理的なことを考慮に入れるとここが1番可能性がある」
その頂上までもう少し・・・そのときいきなりアーロンがリュックを突き飛ばす
「痛っ・・何をす」

リュックはアーロンのいきなりの行動に文句を言いかけるが、目の前の展開を見て絶句する。
大広間でみた確かセフィロスとか言ったか
銀髪の男の斬撃をアーロンが自分の身体に届くギリギリの位置で受けとめていたのだ
しかし次の瞬間アーロンは大きく体勢を崩す、押されているのだ、セフィロスのパワーに
背中につけていた長刀が地面に落ちる、それを見たセフィロスが怪訝な顔をする

(あれはアーロンに渡した刀、でも長すぎるとかいって使おうとしなかったんだよね)
その長刀----正宗をセフィロスは拾い上げるとまた何かを察知したらしい、そのまま頂上へと戻っていった。

アーロンもそれを追い、頂上へ向かう
「ま、待って、待って」
そしてリュックも慌てて後を追うのだった。

自分たちのいる広場のすぐ下の道から激しい戦闘の気配がする
本来なら助けるべきだろう、しかし相手はセフィロス・・・・その事を考えると
エアリスの気持ちは”助けたい”よりも”殺されたくない”という思いの方が勝ってしまうのだ
エアリスは必死で扉へと走る

後少し・・・・その時、空中に影、エアリスは思わず上空へと顔を上げる
「!!」
そこには刀を構えたセフィロスの姿、
何とセフィロスは他の相手をうっちゃって自分を狙ってきたのだ
あと3歩も進めば扉、しかし蛇ににらまれた蛙のようにエアリスの身体は硬直して動かない

(こいつ・・・・・最初から俺達がいるのに気づいて泳がせていたんだな・・・・・)
その余りの展開にカインも絶句し動けない
観念したエアリスが震えながら目を閉じる。
そしてセフィロスの刀がまるであの時と同じようにエアリスを貫くはずだった。
だが・・・・・

エアリスが恐る恐る目を開けたとき、その瞳に映った光景
それはエアリスを守る盾のようにその身体でセフィロスの刃を受けとめていたトルネコの姿だった。
「トルネコさん・・・・・どうして?あなたは奥さんの遺志を継ぐんだって言ってたじゃないの」
その胸を貫かれていながらもトルネコは最後の力でセフィロスの両手を押さえ動きを封じ
背中越しに震える声でエアリスに答える。

「いいんです・・・私はあいつを、ネネを守れなかった・・・だからせめて・・・・・・
エアリスさん、あなたは心無しか若い頃のネネに似ている、それに話していて分かった
あなたになら託せる・・・・私達よりきっと・・・・上手くやってくれると思う
だから・・・ネネが願ったようにこの戦いを・・・・・」

トルネコはセフィロスを押さえこんだまま刀をより深く自らの身体へと沈めて行き
ずるずると何歩か歩いたところで動かなくなった。

セフィロスは拘束は脱したものの、トルネコの身体に突き刺さった刀は
その厚い脂肪と肉にはばまれてなかなか引きぬく事ができない。
エアリスはその様子をへたり込んだまま、見つめている
逃げなければ、と思っていても身体が動かない・・・腰が抜けてしまった。

「ぐずぐずするなエアリス!!トルネコの思いを無駄にするな!!」

カインはエアリスを抱えると、彼女をそのまま旅の扉へと放り投げる
ようやく正宗を引きぬき、エアリスを追おうとするセフィロスをカインが体当たりで止める
エアリスの身体が完全に扉の向こうに消えたのを確認すると
カインはセフィロスの正面にたち、からかうような口調でセフィロスに告げる。
「残念だったな」

カインのその言葉に続くように、大男と活発そうな金髪の少女が現れ
セフィロスの側面に立つ
さらに1人、派手な赤いマントを身に着けた剣士が現れる

「1人に大勢は好きじゃないが、そこの龍騎士、このギルガメッシュも助太刀するぜ」
1対4、いかにセフィロスといえどもこの状況では苦戦を免れないだろう
しかし・・・・・・


【エアリス 所持品:なし
 第二行動方針:クラウドを探す
 基本行動方針:戦闘は避けたい】
【現在位置:新フィールドへ】

【カイン 所持品:ビーナスゴスペルマテリア(回復)
 第一行動方針:セフィロスを倒す
 第二行動方針:クラウドを探す
 基本行動方針:戦闘は避けたいが、自衛なら戦う】
【アーロン(軽傷) 所持品:鋼の剣】
 第一行動方針:セフィロスを倒す
【リュック 所持品:なし
 第一行動方針:セフィロスを倒す
 基本行動方針:仲間と合流したい】
【ギルガメッシュ 所持武器:エクスカリパー
 行動方針:セフィロスと戦う】
【現在位置:東部山脈北部・旅の扉周辺】

【セフィロス 所持品:日本刀、へんげの杖、正宗
 第一行動方針:全員殺す
 最終行動方針:皆殺し】
【現在位置:東部山脈北部・旅の扉周辺】


 【トルネコ 死亡】
 【残り 84人】


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最終更新:2011年07月18日 00:54
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