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悪魔の取引

研究室でエビルマージは水晶球を弄んでいる。
そこには2人、いや1人と1匹が映っていた。1人の方は息を潜め、銃を構えている少女
確か名前はセーラと言ったか、そして1匹は劣勢でありながらも必死で機械人形と戦っている。
ピエールとやら、スライム族にしてはかなりの強者だが、勝負はついたな」
エビルマージの呟きと同時に、一撃を受け、窓を突き破り外へと叩き落とされるピエールの姿が映る。

「叔父上もなかなか洒落た事をなさってくださる、さて、どちらを使うとしようか」
そう1人ごちて、席を立つエビルマージ、机に置かれた水晶には、
再び不届きな侵入者の探索に戻るキラーマシーンの姿が映っていた。

導師とハーゴンは、いろいろと話しながら長い廊下を歩いている。
「で、お前の本名は何だ」
「導師でいいよ、僕の名前凄く長くって、その上発音が難しいんだ」
「そうか、なら遠慮なく導師と呼ばせてもらうぞ」

と、そこに耳障りな起動音が響く、その音に導師はひっ!と声を上げて頭を抱える。
一方ハ-ゴンは余裕の表情だ、続いて姿を現したキラーマシーンを見ても動じない。
ハーゴンは両手を掲げ、コードを唱えようとしたのだが…
だがキラーマシーンのボディ全体に刻まれたルーンを、それは非常に小さく細かな文字だった上、
ボディの色と同色で書かれていたため、水晶越しでは分からなかった、を発見したとき。
「いかん!逃げるぞ!」
ハーゴンはコードを試すことなく踵を返し逃げ出す。


導師は腕輪の力でぐんぐん加速していく。ハーゴンも必死で走るが追いつけない。
「ワシを置いていくな!」
キラーマシーンは容赦なくハーゴンへと迫る、ボウガンの矢が切れているのが幸いだった。
もし残っていたら、今ごろ成すすべもなく蜂の巣だろう。
「ええい、ままよ!ピオリム
やけくそでハーゴンはかつて何度かマゴットが使った呪文を見様見まねで唱えていた、
すると実際の効力の半分程度だが確かにスピードが上がった、これならば逃げ切れるやも。

2人はまさに全力疾走で神殿から逃げ出し、ひとまず砂漠へと出る。
不運に不運が重なり彼らの逃げ道には一つも階上に上がる階段が無かった、
したがって外に逃げる以外に選択肢は無かったのである。
そして神殿からある程度離れた砂漠の中ほどで、突然、導師が立ち止まる。

「ああっ!大事な事忘れていた」
「今度は何じゃ!」
「外にもアレと同じなのがいるんだよう」
「それを早く言わんかーっ」
2人がそんなやり取りをしている間にも、何処からともなく特有の起動音が風に混じって
聞こえて来るのであった。

その頃、ピエールはその身体に何本もの矢を突きたてられ、致命傷ではないにせよ、
幾つもの刀傷を刻まれた無残な姿で、神殿へと戻っていた。
「わ、私はまだ……死んではおらぬ…まだ死ねぬ」
フローラも、ビビも守ることは叶わなかった。誰かを守ることが騎士の勤めならば。
私は間違いなく騎士失格だ……だから今度こそ必ず……、
彼の脳裏にフライヤの姿が映る、頼む、生きていてくれ、そうすれば私はまだ戦える。
例え満身創痍でも、戦う力が得られる、まだ騎士でいられる……。

しかし……。
無常にも中庭に入った彼が見たものは、ボロボロに傷ついたフライヤの亡骸だった。
ピエールはふらふらとその亡骸に近づく。
「何故だ…神よどうしてなのです……何故、私にこれほどまでむごい仕打ちをなさるのです」
仇を討たねば、という気持ちはすでになえてしまった、そんなことをしたところでいまさらどうなる。
もう駄目だ、もう自分は生きる理由を失ってしまった、これ以上の生は苦痛でしかない。

ピエールは珊瑚の剣を自分の喉元に突きつける、そして一気に喉を貫こうとしたとき。
「ストップ」
不意に聞こえた声と同時にその身体はぴくりとも動かなくなった。
続いて、彼の目の前に何者かが現れる、緑色のローブに覆面…そう、その正体はエビルマージだ。

ひとまずエビルマージはピエールの手から剣を取り上げ、それから呪文を解除する。
「き……貴様は…」
まさに悪魔を見るような眼で睨むピエール、しかしエビルマージは動じない。
「別に死にたければそのまま死ね、私は一向に構わぬ……だが、このまま死ねば貴様は
騎士としてではなく、誰も救えなかった、ただの負け犬で終わる事になるぞ」
負け犬、その言葉にピエールはわずかに動揺する、つい先程捨て去ったはずの騎士のプライドが
刺激される。
そんな様子を満足げに眺めながらエビルマージは続ける。
「貴様にやりなおす機会を与えてやろう、望むのならば」

「条件は一つだ、ここからまっすぐ大廊下を進んだ左の突き当たりの部屋で眠る娘の
首を取って来い、さすればお前に力をくれてやる…もう2度と誰かを失うことの無いほどの力をな」
「だっ!誰がそんな!」

「他者の命を奪う事に抵抗があるか?だが逆に私が問うが、貴様も誰かを守るという騎士の使命のため
幾多もの命を奪ってきたのではないのか?、そう、これは定めなのだよ、生きとし生ける者全てにおいて
平等なルールだ」

このスライムがどちらを選ぼうが別段どうでも良い、失敗すれば変わりを選ぶそれだけだ。
余裕の表情でエビルマージはメフィストフェレスのごとく、ピエールに選択を迫る。

「どうする…重ねて言うが私はどちらでも構わぬのだが」

【導師  所持品:天罰の杖 星降る腕輪、盾(キラーマシーンの装甲を利用)
 第一行動方針:キラーマシーンをなんとかする
 第二行動方針:首輪の入手、エドガーに会う
 基本行動方針:なるべく戦闘は避ける】
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能、左手喪失)
 所持品:グレネード複数 ムーン王女の首 グレーテの首 首輪×2 裁きの杖
 第一行動方針:キラーマシーンをなんとかする
 第一行動方針:マゴットの治療
 第二行動方針:授業
 第三行動方針:魂と首輪を集める
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【現在位置:神殿近くの砂漠】

【ピエール(重傷) 所持品:珊瑚の剣
 第一行動方針:不明
 最終行動方針:ゾーマ打倒】
【現在位置:神殿】

【セーラ 所持品:ブレイズガン(柱の陰に隠してある)
 第一行動方針:ピエールたちから逃げる
 第二行動方針:騎士様を探す
 最終行動方針:騎士様以外皆殺し】
【現在位置:神殿】


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最終更新:2011年07月18日 08:09
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