毒を癒すための手段

「チッ、ココも違うか」
バッツは小さく吐き捨てて、古い書物を乱暴に本棚に戻した。
と、その衝撃で本棚の中身のバランスが崩れ、中身が全部床にぶちまけられる。
「~ッ!」
怒りの表現なのか、無言で腕を振り回すバッツを見て、ピエールは苦笑した…ように見えた。

結局、クーパーの血清を作ることは出来た…が、役に立たなかった。
何しろ注射器が無く、そもそもクーパーは石化していて注射針が刺さるはずもない。
毒を癒すための他の手段を探そう、と言うのが二人の当面の方針だった。

「くっそ、どれもコレも役に立たない本ばっかしだな…」
バッツはうめき、床に散らばった本を蹴っ飛ばす。
古本屋に売り飛ばせば一財産が作れるほどの価値を持った書物の山が、びりっとイヤな音と立ててバラバラになった。
「しかしココは神殿、このような書物を保管する場所はまだいくつもあるでしょう」
「…だな。よし、ピエールはココでクーパーと待っててくれ。さすがに背負いっぱなしで疲れたろ?」
バッツは横に立っている…スライムに乗っている彼にこの表現が当てはまるかは微妙だが…ピエールにそう言って、書斎らしき部屋のドアに歩み寄った。
途中、部屋の隅に鎮座しているクーパーの石像を見て…歯を食いしばる。
思い出してしまう。エリアの姿を。“勘違い”で殺した少女の姿を。
(…迷うな)
迷ってるヒマなんて無い。後悔は後からすればいい。今は、ただ…。
バッツは迷いを振り切るように扉を開けた。

体が重い。ずっしりと、何かがのしかかってきているように重い。
恐らく立て続けにジョブチェンジをしたせいだろう。(魔法剣士から薬師へ、そしてまた魔法剣士に)
幾つかの扉を蹴破って手がかりを探し、そして扉を蹴破った回数だけ落胆する。
そんなことを何度か繰り返して…そして。
「でぃっ…!」
あまり力のこもらぬ蹴りで崩れ落ちた扉の向こうに、もはや骸と区別も付かぬハーゴンが居た。


【バッツ@魔法剣士(アビリティ:白魔法)
 所持品:ブレイブブレイド
 第一行動方針:クーパーの治療
 第二行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す
 最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】
【現在位置:神殿のハーゴンの部屋】

【ピエール 所持品:珊瑚の剣 エストック 
 第一行動方針:クーパーの治療
 第二行動方針:バッツを待ちクーパーを守る
 最終行動方針:ゲームを脱出し、諸悪の根源を断つ】
【現在位置:神殿書物庫】

【クーパー(石化) 所持品:天空の盾
 第一行動方針:?
 第二行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す
 最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】
【現在位置:神殿食堂】

【ハーゴン(呪文使用不能、死亡寸前)
 所持品:グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪
 第一行動方針:待機
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【現在位置:神殿のハーゴンの部屋】


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最終更新:2011年07月18日 06:35
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