ハンドアウト
平和な世界、平和な街。しかし、裏切りの世界の中では、指先一つで破壊される危うい平和。
失くした物を見つけられないのと変わらない。
ある日、逢うはずのない人、逢うことのできないはずの人と会う。
狂気か、幻想か。見るはずのない物を見た者に待つモノは。
さらに、存在せざる者は語る。これはきっかけにすぎぬと。
ダブノレクロス3rd 《Dead man’s Questions》
二度逢う必要はない。
PC1 間宮雄二 友情/猜疑心
「…また逢えたね」遠い昔に別れ、二度と逢うことのないはずだった彼。それが今、君の目の前にいる。確かに彼は死に、完全に別れは済ませたはずだった、のに。
PC2 “真円の狼”辰巳狛江 感服/食傷
「おい、そこのお前!」ずんずんとジャージ姿の少女が近づいてくる。真剣な目つきで睨んでくる。敵意というより、尋問という感じだ。
PC3 秋山咲 遺志/隔意
確かに確認したはずだ、彼女を死を。しかし、自分の見た物を疑えるはずはない。その横顔は、確かにジャームとして倒したあの女。
PC4
蓬莱人形 執着/不安
おい、待て。歩くな。ちょっと待て。しゃべるの。
登場NPC
NPC
間宮雄二
秋山咲
"真円の狼"辰巳狛江
その他K市の支部員さん
UGN支部のある時、蓬莱人形に異変が起こる。今までちょっとしか動かなかった人形が自分から動きだし、さらに今起きていることを告げる。「わたしのちからの一部が暴走をしている」と。
支部は混乱し、茅原はあわあわしながら事態の流れを把握しようとしていた。
同時刻。各所にて不思議な遭遇があった。
オルフェウスセルリーダーの春日愛理はいつもどおりに過ごしていた。その一瞬に、一人の影を見る。
その影は、過去に死別し、逢うことはなくなった間宮雄二の姿。
不可解ながらも、その遭遇を喜ぶ。
零は、「蓬莱人形に関連したジャームの共通点を探れ」という無茶ぶりを進めていた。
調査の途中、既に死んだはずのジャーム、秋山咲の姿が。その姿はほとんど変わらないが、唯一違う点として、彼女は全盲の人となっていた。
狛井武彦と新条梢は任務を終え、支部に戻っている途中に辰巳狛江に呼び止められる。
辰巳は「この街で起きている何かを調べている」と言うが、格闘家としての熱い魂がどうのこうのと狛井と同調して話にならなかった。新条が居て助かった。
間宮は、自分は死んだはずだが、ふと気づいたらこの姿で蘇っていたと話す。
それを聞いた春日はその事態に戸惑いつつも、「失ったものを手段を問わず取り戻す」というセルの信条のもと、間宮の生体の調査に踏み出す。また、零に秋山の件について聞いたので、そちらに向かった。
混乱する支部に、混乱する茅原。そこに合流した狛井、新条、辰巳。全員が揃ったところで人形は語る。
「私の創造の力が暴走している。なんとかしてしなさいよー」
ふてぶてしい態度に、人形自体もどうなってるかわからないという始末。とにかく、調査をすることになった。
過去の記憶の中にある、少年と邪悪。少年はFHの元へ、邪悪は監視対象として。
秋山を監視している零、それに加わる春日、狛井、辰巳。彼女は過去事件を起こした時に住んでいた住居に戻っていた。ちなみに、その間にいたはずの現在の居住者の姿はない。おいィ。
一旦春日が残って見張り、他は支部に戻るという選択をする。そして、他が帰った瞬間、秋山は春日の背後に現れた。
秋山は語る。自分が生き返った理由は分からない。だがしかし、生き返ったことでまた自分が戻ってこれたのなら、その生を大事にして過ごしていこうと。
さらに失われた自分の眼球を取り戻そうと、春日の眼を奪おうとする。が、それは返り討ちにすることができた。
間宮の生体調査中、異変があったことを春日は連絡は受ける。間宮の胸が無いと。文字通り、胸部が無いと。
それの確認に向かう春日、追撃の狛井、辰巳。そこにはいつも通りと変わらないが、胸部には形容しがたい、血肉というかなんというか。それがあった。
調査の結果、間宮も秋山もただの人間ではなく、従者に近いものだというのがわかる。
人には生きる意味がある。死んでいく意味がある。それがわかるのはいつなのだろうか。
春日と間宮は過去を語る。春日の過去、間宮の過去。取り戻したいと思う原因になった要因。
……
この騒動の原因が、間宮が蘇る際に聞いた言葉と、その蘇った場所にきっかけが何かあるのかもしれない。ティンと来た彼らは、その場所に向かう。
秋山側にも何かあるかも知れぬと、狛井、茅原、辰巳は向かう。
秋山は死に、暴走していた力も止めた。
その暴走が止まった時は、間宮との別れも告げていた。
春日は「間宮は必ず、地獄の底から連れ戻す。また会おう」と告げ、別れた。大きな成長になっただろう。
人形に、脚がついた。ついでに、またいつもどおりのただの人形に戻った。
第六話の感想があればこちらへどうぞ。
最終更新:2010年12月28日 21:56