まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」
06話 - 一日の終わり ~ 目覚ましチェリム
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f29m1
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いきなり♀ポケモンだらけのボックスに来てしまい驚いたり巻き込まれたりしながらも、なんやかんやで1日が終りを迎える。
結局マリルリはムクホーク達の部屋に住む事を了承し、いつの間にか時間は過ぎて夜になった。
結局マリルリはムクホーク達の部屋に住む事を了承し、いつの間にか時間は過ぎて夜になった。
彼が、今、心から思った事は、「友人は正しかった!」という言葉である。
マリルリ
「ヘラクロス、君の言うとおりだったよ。わけのわからないボックスに来たら確かに気疲れしてストレス溜りそうだね……。
きっと今日の僕、ずっと耳垂れっぱなしだったと思うよ。……でも流石にねじれはしないから。ねじれたらヤバいから!」
きっと今日の僕、ずっと耳垂れっぱなしだったと思うよ。……でも流石にねじれはしないから。ねじれたらヤバいから!」
ムウマージ
「……ひとりごと……きもいよ……。フフフ、……それとも……電波?」
マリルリの横をふわふわとムウマージがまとわりつく。相変わらず淡々としており、時折不適な笑みを浮かべている。
マリルリ
「……あの、それってあなたも似たような……」
ムウマージ
「……正解……。……趣味……電波受信……。当てたられた……、むかつく……」
マリルリ
「ご、ごめん」
ムウマージ
「……早く……寝たほうが……いいよ。……明日……、早いから……」
マリルリ
「う、うん。あ、ムウマージさんは?」
ムウマージ
「……平気……。私……、夜型だから……。あと……、フツーに話していいから……」
彼女は7枚にまけてもらった反省文を書いている、とのことなのだが、やる気があるのか無いのかペンと原稿用紙を宙に浮かせクルクル回して遊んでいる。
……彼女が言うには、真面目に書かないと明日ブレイブバードが飛んでくるので一応書く気はある、らしい。
……彼女が言うには、真面目に書かないと明日ブレイブバードが飛んでくるので一応書く気はある、らしい。
マリルリ
「そ、そう、夜型なんだ。それっぽいよね。じゃ、じゃあおやすみ!」
他のポケモン達はすでに眠っている。マリルリは彼女達を起こさないよう、そっと部屋の片隅に移動した。
マリルリ
(フー、やっぱりあのムウマージは話しづらいな……。ゴーストタイプの子ってみんなあんなもんなんだろうか?
それよりも明日から他の女の子とうまく話せるかな? チャーレムさんは話しやすかったけど。何せ全員♀か……。
……あ、ダメだ……。眠い……。今日は疲れたしな……。あした……早いって言ってたし……。ねよ)
それよりも明日から他の女の子とうまく話せるかな? チャーレムさんは話しやすかったけど。何せ全員♀か……。
……あ、ダメだ……。眠い……。今日は疲れたしな……。あした……早いって言ってたし……。ねよ)
翌朝――
マリルリ
(もう朝かな……。そろそろ起きるか……。
ん……? なんだか良い香りがする……)
ん……? なんだか良い香りがする……)
どこから漂ってくる鼻先をくすぐる甘い香り。目覚めかけていた意識はその香りで再び夢の世界へと誘われていった。
マリルリ
(あーー落ち着くなぁ……。もう少しだけ寝ていようかな……)
ムクホーク
「こら、もう朝だぞ。起きろ」
マリルリ
(ムクホークさんの声だ……。起きないと怒られるかも。よし、起きよう……)
「ん、んん……」
「ん、んん……」
ふと、視界が何かに遮られる。赤いようなピンク色のようなぼやけた何か。
マリルリ
(……?)
チェリンボ
「Zzz……」
マリルリ
「……わああああぁーーー!?」
チェリンボ
「ふえ?」
マリルリ
「ななななな、なんで君が隣で寝てるの!? 確か僕は部屋の隅で寝てい゛っtt!! ……ッ」
チェリンボがすぐ隣でくっついて眠っていた事にマリルリは驚き、かなりの速度で後ずさりした。
そして、後頭部を思いっきり壁にぶつけてあまりに痛さに頭を押さえてうずくまっている。
そして、後頭部を思いっきり壁にぶつけてあまりに痛さに頭を押さえてうずくまっている。
マリルリ
「~~~~~~~~!!」
チェリンボ
「ふぁ~? マリルリお兄ちゃん、おはよーございます!」
マリルリ
「あだだだ……。いっっった~~~~~。
……隅っこ、だ。部屋の。あ、あれ?」
……隅っこ、だ。部屋の。あ、あれ?」
ブースター
「マリルリ君! どうしたの大丈夫?」
ムクホーク
「朝から何をやっているんだ、お前は」
マリルリ
「あ、いや、す、すいません……。昨日は一人で寝ていたはずなのに、今起きたらこの子が隣で寝ていたので、つい、驚いてしまって……」
ムクホーク
「馬鹿者、それぐらいで驚くな。目覚めたらホエルオーの口の中にいたとかならともかく、チェリンボが隣に寝ていたぐらいの事で驚くとは、自分で情けないとは思わんのか?」
マリルリ
「思います……」
トリトドン
「ムクホーク~。そこまで事実を言ったらダメです~」
マリルリ
「……え……? 事実って……」
ブースター
「ぽ、ぽにょちゃん、それフォローになってないよ」
トリトドン
「あ! 間違えてしまったのです~」
チェリンボ
「どうしたのお兄ちゃん? なんかあったの?」
マリルリ
「は、ははは……」
この時、マリルリは思った。
――ああ、きっと今日もフルボッコだ。恐らく、精神的に――
と。
――ああ、きっと今日もフルボッコだ。恐らく、精神的に――
と。
ブースター
「ごめんね。驚いたでしょ?」
マリルリ
「ええ、まあ……」
ブースター
「この子、誰かと一緒に寝るのが好きみたいなの。たまに目が覚めるといつの間にか隣で寝ていたりするのよね。
私達は慣れているし、あの子がそばにいるといい香りがするから構わないんだけどね。
でもダメよチェリンボ、黙ってマリルリ君の隣で寝てたら」
私達は慣れているし、あの子がそばにいるといい香りがするから構わないんだけどね。
でもダメよチェリンボ、黙ってマリルリ君の隣で寝てたら」
チェリンボ
「えー? ダメなの?」
ブースター
「ダメってわけじゃないけど……、マリルリ君すっごい驚いてたじゃない。ちゃんと謝らなきゃ」
チェリンボ
「はーい。ごめんなさいお兄ちゃん」
マリルリ
「あ、いや、僕のほうもちょっとビックリしすぎてごめん」
ムクホーク
「ブースター、そう甘やかすな。いいかチェリ。一緒に寝たいのなら最初からそう言えばいいだけだ。それで相手も了承すれば誰も文句も言うまい」
チェリンボ
「だって、こっそりくっついて朝ビックリさせるのが楽しいってムウマージちゃんも言ってたよ?」
ムクホーク
「……またあいつか」
やれやれ、といった顔をするムクホークと、楽しそうなチェリンボ。ブースターも少し困ったような笑みを浮かべている。
そしてトリトドンはマリルリの後頭部にできた、たんこぶをなでていた。
そしてトリトドンはマリルリの後頭部にできた、たんこぶをなでていた。
トリトドン
「とりあえず冷やすのがいいらしいですよ~」
マリルリ
「あ、ありがとう……」