まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」
08話 - 冗談ってレベルじゃねー
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f29m1
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オレは意地っ張りな性格のせいか、昔から友達を作るってことが苦手だった。ダブルバトルに出ても、相方のポケモンとぜんぜん息が合わねえし、ロゼリア♂の野郎から「乙女心のわからないヤツ」とバカにされたこともある。
そんなオレが、ワニノコのクチみてーに硬く閉じたクサイハナの心を開くなんて出来るのか? 一晩寝ねーで考えた方法は、きっとクサイハナにはベストじゃあねぇだろう。
そんなオレが、ワニノコのクチみてーに硬く閉じたクサイハナの心を開くなんて出来るのか? 一晩寝ねーで考えた方法は、きっとクサイハナにはベストじゃあねぇだろう。
ゴウカザル
「クサ子、お前をここから出してやる」
クサイハナ
「え……」
ゴウカザル
「お前がポケ見知りのせいで臭くなっちまうってんなら、誰にも気を使わなくていい場所に行けばいいんだ」
クサイハナは、オレの言ってる事の意味がわからねえ様子だ。
ゴウカザル
「ここの隣、17番BOXは、まだ3匹しかポケモンが入ってねえ。お前の居場所だってあるはずだぜ」
クサイハナ
「で、でも……」
ゴウカザル
「方法はある。昔、ポリゴンから聞いたんだ。毎週金曜の夜11時半、ポケモンセンターがボックスのメンテナンスをするんだ。たったの5分だが、その時だけボックス同士の壁が薄くなる。そこをブチ破れば、隣のボックスに行けるんだってよ」
胡散臭い話だが、実際、ポリゴンが勝手にボックスを移動してトレーナーをビビらせたことがある。
クサイハナ
「でも……、私……」
ゴウカザル
「ここで友達を作ることができねえんなら、このまま居たってツライだけだろうが。……明日がちょうど金曜日だ。夜、迎えにくるぜ」
オレが去ろうとすると、クサイハナはポツリと言った。
クサイハナ
「……いるよ。友達……」
ゴウカザル
「あ?」
クサイハナ
「ゴリ子ちゃん……。私の、友達……」
おいおい、冗談ってレベルじゃねーぞ……。