まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」

09話 - クサイハナとクサイワキ

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f29m1

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 翌朝、オレはゴリ子を呼び出した。先日のワキガ発言のせいか、ゴリ子は殺気立っている様子だ。オレは少し距離を開けて話を切り出した。

ゴウカザル
「……お前、クサ子から預かってる物があるだろ。出せよ」
ゴーリキー
「あぁ? 朝っぱらから何言ってんのさ。あたしがあんな臭いやつの物を持ってるわけないだろ」
ゴウカザル
「こぶしのプレート……」
ゴーリキー
「……!」
ゴウカザル
「図星だな。お前がクサ子に預けたものだ……。友達の印としてな。お前も預かった物があるはずだ」
ゴーリキー
「……知らない。あんな奴、友達なんかじゃない」
ゴウカザル
「まあいいさ。オレは今夜、あいつを連れてこのボックスを出る。その前に、お前に謝っておこうと思ってな。……ワキガって言ったの、すまん」

 さすがにゴリ子は驚いたようだった。オレはこんな性格だが、悪いと思ったことは謝る。それが男ってもんだ。

ゴウカザル
「お前は、クサ子をかばうために、あえてあの部屋に入れたんだ。閉じ込めておきゃあ、直接イジメられることはないもんな。本当は、クサ子がいるほうがお前のワキガの臭いが隠れて都合がいいのに」
ゴーリキー
「うるさいよ! 関係ないだろ!」
ゴウカザル
「……オレが来た最初の日もそうだ。あいつのメシがまだって最初に気付いたのはお前だ。誰よりもあいつを気にしてる証拠じゃねーか」
ゴーリキー
「そっ、そんなのはアンタの想像だ!」
ゴウカザル
「ああ、全部オレの想像だ。でもま、ハズレって訳でもなさそーだな。そこに入ってんのか? あいつのリーフの石」

 ゴリ子は慌ててパンツの前を隠した。やっぱりな。♀にしちゃあモッコリしすぎだぜ。ツッコミは勘弁してやらあ。

ゴウカザル
「べつに返せとは言わねーよ。ただな、友達なら、閉じ込めるんじゃなくて、本当の気持ちに気付いてやれ」

 オレはそれで言いたいことが終わったから、足早に去った。あとは夜を待って、クサイハナを迎えに行くだけだ。それまでダイノーズ姐さんの所で寝かせてもらうかな。
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