事務所の中の『成人』と『未成年』 ◆UewNJfZeLg
ザーザーという音が、耳に入ってきた。
「う……ん……」
彼女は、ゆっくりと目を開ける。
見覚えのある天井が、壁が、机が、目の前にあった。
見覚えのある天井が、壁が、机が、目の前にあった。
(――この間取りは……)
薄暗い部屋の中、諸々の家具類の配置にも見覚えはあるのだが、ここはどこだったか……
ぼんやりと考えている内、背中や腕に妙なキツさを感じて、妃英理は身を起こした。
今まで、応接用のソファーの上で、少々窮屈な姿勢で眠っていたらしい。
ぼんやりと考えている内、背中や腕に妙なキツさを感じて、妃英理は身を起こした。
今まで、応接用のソファーの上で、少々窮屈な姿勢で眠っていたらしい。
立ち上がりながら、微妙に暗い周囲を、改めて見回す。
(ここは、……あの人の事務所?)
間違いない。
ここは、別居中の夫が運営する探偵事務所だ。
ここは、別居中の夫が運営する探偵事務所だ。
夜なのだろうか、外は暗く、この事務所も電気は付いていない。
夫も、娘も、ここに居候している少年も、この薄暗い事務所にはいない。
唯一存在感を発するのは事務所のTVで、どういう訳か、いわゆる砂嵐画面になっている。
夫も、娘も、ここに居候している少年も、この薄暗い事務所にはいない。
唯一存在感を発するのは事務所のTVで、どういう訳か、いわゆる砂嵐画面になっている。
(私は、どうしてここに……?)
これまでの出来事が思い出せず、記憶の中を辿ってみる。
変な夢を見ていた。殺し合いを強要される奇妙な夢だ。
変身する少年やら、死んだ思ったら生き返った男やら、首輪が吹っ飛んで死んだ人やら。
挙げ句の果てには、『目覚めた時が殺し合いの始まりだ』とまで言われた、そんな夢。
変身する少年やら、死んだ思ったら生き返った男やら、首輪が吹っ飛んで死んだ人やら。
挙げ句の果てには、『目覚めた時が殺し合いの始まりだ』とまで言われた、そんな夢。
まさかあの夢が事実ではないだろうと思いつつ、自分の首に触れ、
「えっ……!?」
首輪の存在に気付いて、彼女は一気に覚醒する。
あの夢の中、首輪の爆発で人が死んでいった光景が、聞こえた悲鳴が、フラッシュバックして――
身体中の血の気が引き、思わずへたり込みかける。
心が粟立ち、だがパニックになるのは不味いとも考え、ソファーに手をついて、息を深めに吐いて……
そこで肩に違和感を感じ、自分がデイパックを背負っていることに気付いた。
心が粟立ち、だがパニックになるのは不味いとも考え、ソファーに手をついて、息を深めに吐いて……
そこで肩に違和感を感じ、自分がデイパックを背負っていることに気付いた。
(――そう言えばあの男達は、デイパックに支給品を入れたと言っていたわね……)
あの夢が事実だとしても、事実でないとしても、まず冷静にならなければならない。
再度息を吐き、完全に落ち着いた上で、ソファーに再度腰掛けた。
再度息を吐き、完全に落ち着いた上で、ソファーに再度腰掛けた。
―――
まず、デイパックの中身を確認すべきだと思い、全部テーブルの上に出すことにした。
あの男達が言っていた言葉を一言一句覚えているわけではないが、全員共通の支給品と、それとは別に1~3個の支給品が入っているはずだ。
あの男達が言っていた言葉を一言一句覚えているわけではないが、全員共通の支給品と、それとは別に1~3個の支給品が入っているはずだ。
最初にランタンが出てきたから、光源の代わりにテーブルの左端に置いておく。
次に出てきたのは腕時計、……そう言えば自分がいつも付けている腕時計がない。代わりに自分の腕につけてみる。
ちなみに今の時間は0時3~4分らしい。
ちなみに今の時間は0時3~4分らしい。
食糧と水(2日分)、……テーブルの上、右端にまとめて置く。
地図とコンパス、……ここが本当に島だとしたら信じ難い。
この建物がどの辺りなのか気になるが、全て支給品を見てから確認しようと考え直し、テーブルの上、食糧の左に置く。
この建物がどの辺りなのか気になるが、全て支給品を見てから確認しようと考え直し、テーブルの上、食糧の左に置く。
筆記用具とメモ帳、……テーブルの上、地図等の左へ。
参加者名簿、……横長の表が書いてある、一枚の紙だ。
テーブルの上に置く前に、知り合いが巻き込まれてないかどうしても気になり、目を通し……
テーブルの上に置く前に、知り合いが巻き込まれてないかどうしても気になり、目を通し……
「蘭がここに居るの? あの人も? コナン君も!? でも、家族単位で連れてきたと言っていたから……」
自分やあの居候の少年が居るということは、『毛利家』という括りで、この殺し合いに巻き込まれた、ということなのだろうか。
若干興奮しつつも、テーブルの上、名簿をメモ帳等の左に置く。
若干興奮しつつも、テーブルの上、名簿をメモ帳等の左に置く。
ヘルメット、……バイクに乗るのに使うような、白いヘルメットだ。
少し考えた上で、髪を解き、ヘルメットを被っておく。
殺し合いの場所で防具を身に着けておいて、まぁ損はしないだろう。
少し考えた上で、髪を解き、ヘルメットを被っておく。
殺し合いの場所で防具を身に着けておいて、まぁ損はしないだろう。
次に出てきたのは、……何かを挟んだ状態で、折りたたんだ紙。
紙を広げて見てみると、挟まれていたのは何かの鍵で、紙の方には文字が印刷されていた。
紙を広げて見てみると、挟まれていたのは何かの鍵で、紙の方には文字が印刷されていた。
―――
サブちゃんの配達用原付三輪とヘルメット
三河屋のサブちゃんこと三郎が、商品配達時に使っている原付三輪とヘルメット。
原付三輪は喫茶ポアロの入口そばに停めてあり、キーを使えば動かせる。
原付三輪の色はピンクで、ヘルメットは白い。
原付三輪は喫茶ポアロの入口そばに停めてあり、キーを使えば動かせる。
原付三輪の色はピンクで、ヘルメットは白い。
―――
「この紙は、支給品の説明書ということかしら」
『三河屋』という店には聞き覚えはないが、『喫茶ポアロ』は知っている。
この探偵事務所と同じビルの1階、つまり、この事務所のすぐ下にある喫茶店だ。
実際に『喫茶ポアロ』がこの部屋の下にあり、バイクがその入口のそばにあるということなのだろうか。
この探偵事務所と同じビルの1階、つまり、この事務所のすぐ下にある喫茶店だ。
実際に『喫茶ポアロ』がこの部屋の下にあり、バイクがその入口のそばにあるということなのだろうか。
だとすると、あの男達は、島の中にビルを丸々一つ移設するなり、レプリカを作るなりしたのだろうか……?
思わず疑問が沸くが、この建物がレプリカかどうかは後で確認しよう、とも思う。
思わず疑問が沸くが、この建物がレプリカかどうかは後で確認しよう、とも思う。
改めて、デイバックに手を入れる。
出てきたのはまたも紙が一枚、……今度は折り畳まれておらず、一番上に『家族別参加者名簿』と記載があった。
先ほど見たのとは違う、参加者を家族別に並べた名簿で、毛利家も表の中に載っていた。
出てきたのはまたも紙が一枚、……今度は折り畳まれておらず、一番上に『家族別参加者名簿』と記載があった。
先ほど見たのとは違う、参加者を家族別に並べた名簿で、毛利家も表の中に載っていた。
―――
―――
「あの人と、私と、蘭と、コナン君、ね……」
先ほどの推測通り、毛利家の括りで、4人が、この下らない殺し合いに巻き込まれたということだろう。
息を吐き、デイパックに再度手を突っ込むけれども、中身は空だ。結局、中の物はこれで全て出し切ったらしい。
「さて、どうしましょうか……」
座ったまま考える。
1階のお店のそばに原付三輪が止まっているのかや、この事務所が移設された本物かレプリカなのかが気になるが……
それ以前の事柄として、そもそも、自分自身がどうしたいのかを、まだ決めていないのだ。
1階のお店のそばに原付三輪が止まっているのかや、この事務所が移設された本物かレプリカなのかが気になるが……
それ以前の事柄として、そもそも、自分自身がどうしたいのかを、まだ決めていないのだ。
家族の無事はかなり心配だし、当然、自分の生命を失いたくはないという感情も強い。
だが、そういった当然の感情すらも、あの男達の想定の上なのだろうと推測できるから、
……だから尚更、よく考えて動かなければ、との思いが強くなる。
だが、そういった当然の感情すらも、あの男達の想定の上なのだろうと推測できるから、
……だから尚更、よく考えて動かなければ、との思いが強くなる。
家族別参加者名簿を、改めて眺める。
この殺し合いに巻き込まれたらしいのは、15家族76名。
人なのか疑うような名前もあるが、一番多いのは日本人らしい名前の者だ。
この殺し合いに巻き込まれたらしいのは、15家族76名。
人なのか疑うような名前もあるが、一番多いのは日本人らしい名前の者だ。
見せしめで殺された人を除いたとしても、現在70名以上の者が生きていることになる。
それだけ参加者がいるのなら、自分ではなく大切な家族を生かすために、殺し合いに手を染める者がいても不思議ではない。
それだけ参加者がいるのなら、自分ではなく大切な家族を生かすために、殺し合いに手を染める者がいても不思議ではない。
「本当に、……どうすべきなのかしら」
迷いながら、天井を見上げ、その時。
あ゛~~~~!
泣き声が上から聞こえてきたから、彼女は驚いて天井を見つめた。
―――
どう聞いても、赤ちゃんの泣き声にしか聞こえない声だった。
テーブル上に広げた荷物をデイバックに詰め、背負ってから、ランタンを片手に、恐る恐る3階へ登っていく。
テーブル上に広げた荷物をデイバックに詰め、背負ってから、ランタンを片手に、恐る恐る3階へ登っていく。
3階は毛利家の住居で、2階と同様電気は付いていない。
本物の『毛利家』と全く同じ間取りの空間を進んでいき、そして。
本物の『毛利家』と全く同じ間取りの空間を進んでいき、そして。
「何で、……こんな子が巻き込まれているの」
声を聞いた時に想像した通りの光景ではあったが、彼女は思わず呟いた。
夫の寝室の中、おそらくはコナン君の布団の上で。
夫の寝室の中、おそらくはコナン君の布団の上で。
首輪とデイバックを身に付けた赤ちゃんが、火のついたように泣いていた。
【G-2 毛利家(3階)/ 一日目・深夜】
【妃英理@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:ランタン@基本支給品、腕時計@基本支給品、サブちゃんのヘルメット@サザエさん、ポケット内に参加家族続柄表@現実
[道具]:基本支給品(身に着けているものを除く)、サブちゃんの配達用原付のキー@サザエさん
[思考・状況]基本:どうするべきか迷っている
1:こんな子も殺し合いに巻き込まれている……
2:家族が気になる
3:この建物(毛利家が入っているビル)が本物か気になる
※コナンと面識がある状態(原作11巻以降)の参加です
[状態]:健康
[装備]:ランタン@基本支給品、腕時計@基本支給品、サブちゃんのヘルメット@サザエさん、ポケット内に参加家族続柄表@現実
[道具]:基本支給品(身に着けているものを除く)、サブちゃんの配達用原付のキー@サザエさん
[思考・状況]基本:どうするべきか迷っている
1:こんな子も殺し合いに巻き込まれている……
2:家族が気になる
3:この建物(毛利家が入っているビル)が本物か気になる
※コナンと面識がある状態(原作11巻以降)の参加です
【野原ひまわり@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康、強い不快感
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品0~2
[思考・状況]基本:強い不快感
※何故不快感を感じているのかは、次の方にお任せします。
[状態]:健康、強い不快感
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品0~2
[思考・状況]基本:強い不快感
※何故不快感を感じているのかは、次の方にお任せします。
※G-2 毛利家 2階(事務所)
部屋の電気はついていません。TV画面が砂嵐状態です。
部屋の電気はついていません。TV画面が砂嵐状態です。
【サブちゃんの配達用原付三輪とヘルメット@サザエさん】
三河屋のサブちゃんこと三郎が、配達時に使っている原付三輪とヘルメット。
原付三輪は喫茶ポアロの入口そばに停めてあり、キーを使えば動かせる。
原付三輪の色はピンクで、ヘルメットは白い。
三河屋のサブちゃんこと三郎が、配達時に使っている原付三輪とヘルメット。
原付三輪は喫茶ポアロの入口そばに停めてあり、キーを使えば動かせる。
原付三輪の色はピンクで、ヘルメットは白い。
【家族別参加者名簿@現実】
バトルロワイアルに参加している家庭の一覧と、参加者の名前が載っている。
内容は以下の通り。
バトルロワイアルに参加している家庭の一覧と、参加者の名前が載っている。
内容は以下の通り。
【毛利家】
毛利小五郎/毛利蘭/江戸川コナン/妃英理
毛利小五郎/毛利蘭/江戸川コナン/妃英理
| 003:「友蔵、修羅になる」の巻 | 投下順 | 005:[[公私混同しない親父] |
| 003:「友蔵、修羅になる」の巻 | 時系列順 | 005:[[公私混同しない親父] |
| 行動開始 | 妃英理 | [[]] |
| 行動開始 | 野原ひまわり | [[]] |