ドナテロ・デ・ムーロ

エンリコ・デ・ムーロのひとり息子。30代後半の、父親によく似た痩せぎすの男。

かつては父に将来を嘱望され、医師となるための英才教育を施されていた。
ただし本人はあまり才能に恵まれず、母親のリタも父親ほど医師になれとは言わなかった模様。
非才なりに優等生として過ごしていたが、あるとき母が不慮の事故によって死亡してしまう。
母の死をきっかけに母を救えなかった医学に疑問を感じ、将来に迷い始めたドナテロは答えを得ようと大学のOBの紹介で終末期医療の療養施設を訪れ、
そこで母に世話になったという瀕死の元チンピラから、すべての元凶は父親と父親の開発した新薬であるという話を吹き込まれた。

尊敬し深く愛していた母親を自分の名声のため見殺しにした父エンリコを憎悪し、
医学の勉強もそっちのけで更に真実を知ろうとかつて母が炊き出しなどを行っていたダウンタウンへ行くも、
世間知らずのお坊ちゃんで騙されやすいドナテロはフェルネット・ファミリーに反感を抱くゴロツキ達に丸め込まれ、
根も葉もない虚言を吹き込まれて益々エンリコへの怒りを募らせていった。
最終的に自棄になったドナテロはエンリコの秘匿していた新薬オネイロイの資料を持って街を出奔してしまう。

それから各地を彷徨した後、コーザ・ノストラに保護されオネイロイのデータを譲り渡す。
コーザ・ノストラによってオネイロイが強力な新型麻薬としての完成を見ると、
大麻やヘロインといった大量のドラッグと共にフェルネットの王国へ十数年ぶりに帰還し、エステルの誕生パーティーに合わせた
コーザ・ノストラの同時多発襲撃のひとつとしてダウンタウンを中心とした区画でドラッグをバラ撒き、
エンリコが院長を務めるサン・ステファノ総合病院がパンクするほどの薬物中毒者を生み出し、父への復讐を果たした。

首尾よく目的を遂げたドナテロであったが、更に王国内へドラッグを流通させて混乱を図れと命じるコーザ・ノストラや、己の所業を顧み、
母親の愛していた街を他ならぬ自分自身が穢してしまったことに気付く。
自らの行為に恐怖したドナテロは衝動的にオネイロイを隠し、自らもコーザ・ノストラの前から逐電すると、ピッコラ・フェリチタへと潜伏。
しかしその身柄はすぐにコーザ・ノストラのメイドマンらに押さえられ、港湾区の倉庫へと連れて行かれた。
オネイロイの場所を聞き出そうとするメイドマンの拷問にも口を割らず、満身創痍で失神していたところ、乗り込んできたピエトロに保護される。
病院に搬送され治療を受けはしたものの、覚醒すると同時に逃走を企て、見張りのニコラを振り払うなど重傷者とは思えない身体能力を発揮。
しかし父エンリコの追跡を受け、屋上に追いつめられる。

ニコラの報告を受けて駆け付けたエステル、ピエトロらの前で自身の心情を吐露し、父エンリコに怨嗟を叩きつけるものの、
自身が信じていた事実と思われていたものが実は根も葉もない虚偽であったことが発覚すると、
長年寄る辺としていた父への憎悪の矛先を見失い、錯乱して咄嗟に拳銃を米神に当て、引き金を引いて即死した。

ニコラの推察ではドナテロに療養施設を紹介した大学OBからして、出鱈目を吹き込んだ元チンピラとグルだったのではないかとのこと。

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最終更新:2022年08月10日 23:41