乾家の日常
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乾家の日常
※本編とはあんまり関係ありません。茶番です。
~登場人物~
乾 十三:食費と義体の維持費がかさみ家計のお荷物と化した悲しき探偵。家事では発電を担当する。
乾 舞:最近、財布と飯を掌握していると強いらしいという事を理解し始めた。ペットのポチとは仲良し。ほぼ全ての家事を行う。
乾 結衣:過去、肉に自分から切り離したモノを混ぜて嵩増ししていた事実がバレ、料理担当から外された経歴を持つが、本当に家計がヤバい時は復職する。家事では掃除、洗濯を担当する。
ユーリ:一番年長者であるという事実に気が付かない振りをしているがやはり気が付いている。家事を任せると家事が増える。
アイ:実は幻なのではという噂で評判だが、マトモになり過ぎて埋もれているだけである。十三に感化され探偵を志しているが、探偵としての腕は既に十三より上である。家事では料理、洗濯を担当する。
外坂 唯織(new!):恩を感じている十三から個室を奪った事にまだ気が付いていない。家事の担当は未定。
レベッカ:優秀な義体技師であり舞のオリジナル。実は本職より天國への知的財産権の売却益の方が高い。
草壁 勇人:かつ丼屋を営む。義体のメンテナンスを昼飯時にやるなとよくクレームが来る。
ポチ(new/only):今作のオリジナル要素。庭があるならペットも飼えるでしょ(適当)
j-1 14:30
「か、金がねぇ……」
乾十三は煙草専用自動販売機の前で途方に暮れていた。彼の視覚情報に表示された残高は残り28円。こんなことなら舞に内緒で残高の少しばかりをトロンから義体に動かしておけば良かった……と後悔するも、そんな事をすれば後にレベッカ経由で舞に伝わるのは明白であった。煙草なんざ嗜好品なんだから我慢しろと自分自身に言い聞かせるも、義体の方はそうはいかなかった。
GSU(ガンスレイヴユニット)―彼の義体は常軌を逸した駆動と引き換えに常に神経系を蝕む。常に背中に熱い鉄棒を容れ続けている感覚がまとわりつくのだ。煙草はそういった感覚を無くすのに必須であった。
普段は無視している痛みを鬱陶しく感じながらも、彼は街をうろつく。眠らない街TOKYON◎VA、しかしその威容を誇る夜からは遠く、現在は昼時であった。
GSU(ガンスレイヴユニット)―彼の義体は常軌を逸した駆動と引き換えに常に神経系を蝕む。常に背中に熱い鉄棒を容れ続けている感覚がまとわりつくのだ。煙草はそういった感覚を無くすのに必須であった。
普段は無視している痛みを鬱陶しく感じながらも、彼は街をうろつく。眠らない街TOKYON◎VA、しかしその威容を誇る夜からは遠く、現在は昼時であった。
「ったく、夜になる前に見つけたい所だが……唯織の奴はどこいっちまったんだ……?」
銃口が天を仰ぐと、陽光が路地裏に散った。上空の飛行船のモニタには、先日の倉庫爆破事故のニュースが流れていた。
「あ、父さん。どしたのこんな所で」
「あぁ、結衣か……どうしてまたこんな所に?」
「いやぁ、父さんが全然頼りにならなさそうだから、ボクが手伝おうかなってね?」
「あぁ、結衣か……どうしてまたこんな所に?」
「いやぁ、父さんが全然頼りにならなさそうだから、ボクが手伝おうかなってね?」
少女は自販機から煙草を買うと、それを彼に渡した。実に頼りない姿であった。
t-1 7:40
「知らない天井……」
私は鉄と油臭いベッドの匂いで目が覚めたようだった。良い匂いとは到底言えないし、体は生理的に受け付けていないようだけど、この匂いは嫌いではない。この、あの嫌に清潔だった施設とは違う、人間らしさを感じるベッドは、恐らくはあの人のものなのだろう。部屋を見渡せば、ロングコートや薬莢などが散乱していた。
「私……どうすれば……」
こんなのは初めての事だった。首元にあるチップを思わず触った。何も起こらない。
「でも……いつまでもここには居られない」
どうせこのチップがあるうちは追手が来るのだ。今も、節電しているから電流が流れなかっただけ。あいつらは、アイツはきっとやってくる。いくらあの人が強くても、そこまで世話になる事は出来ない。
差し込んでくる朝日の方に向かって歩を進める。窓を見やる。思ったよりも高くない。
「……行ける」
彼女は初めて自らの意思で闘争を開始した。踏み出した足がどこに向かうかは、まだ誰にも分からない。
y-1 7:50
「あれ、父さんの部屋って昨日の子が居た筈だよね?」
「ん?あぁ、そのハズだぞ。よりによって十三のベッドとはあの子も不運な子だ……」
「あ~、そんな事言ってると父さんに言っちゃうよ?」
「面倒だからやめろよ……やめろよ!?」
「え~、どうしよっかなぁ。ユーリこないだボクのおやつ食べてたしなぁ」
「ん?あぁ、そのハズだぞ。よりによって十三のベッドとはあの子も不運な子だ……」
「あ~、そんな事言ってると父さんに言っちゃうよ?」
「面倒だからやめろよ……やめろよ!?」
「え~、どうしよっかなぁ。ユーリこないだボクのおやつ食べてたしなぁ」
ボクがユーリの背中をおさげで刺していると、アイが玄関から入ってきた。かなり深刻な顔をしている。
「……イチャイチャしている所悪いが、唯織を見なかったか?」
「え、下に行ったんじゃないの?」
「いや、どこにも居ないようでな……少し気がかりだ。変な場所に行っていないと良いが」
「あ~、ここら辺物騒だしね。確かにちょっと心配」
「え、下に行ったんじゃないの?」
「いや、どこにも居ないようでな……少し気がかりだ。変な場所に行っていないと良いが」
「あ~、ここら辺物騒だしね。確かにちょっと心配」
冷蔵庫を開けると同時に逃げ出したユーリを触手で確保しつつ、アイに返答をする。
「君はその割に落ち着いてるじゃないか……何かアテでもあるのか?」
「いや、全然。まぁ死んでほしくないなら父さんが何とかするでしょ」
「結衣ってかなりドライな所あるよな!」
「いや、全然。まぁ死んでほしくないなら父さんが何とかするでしょ」
「結衣ってかなりドライな所あるよな!」
触手から毒を出せるの分かっててコレだもんなぁ……ボクはユーリの危機管理能力が心配だよ……。
「じゃあそろそろサンドバッグになってもらおうかな」
「いや何でもないです許してください何でもしますからぁ!」
「じゃあ胃からボクの朝食出して……ん?ホラホラ早く!」
「あの、結衣ささん、触手がどんどんきつくなってるんですが?……結衣!止めろ!これダメなヤツ!折れる折れる!アイも見てないで止めて!ルームメイトが死の危機!」
「いや何でもないです許してください何でもしますからぁ!」
「じゃあ胃からボクの朝食出して……ん?ホラホラ早く!」
「あの、結衣ささん、触手がどんどんきつくなってるんですが?……結衣!止めろ!これダメなヤツ!折れる折れる!アイも見てないで止めて!ルームメイトが死の危機!」
アイの奴、普段ならここらへんで止めに来るんだけど、上の空って感じだ。
「……そんなに気になるなら探しに行けば?ボクもコレが終わったらちょっと探してみる」
「あぁ、そうしてくれると助かる。俺は出るよ」
「あぁ、そうしてくれると助かる。俺は出るよ」
だけど、ボクの探知に引っかからなかったって事は、あの子も何かしら能力を持ってるんだろうし、そう簡単には死なないだろう。……父さんってば猫を拾ってくる感覚で能力者を増やすから母さんから怒られるんだよ。
「ゆ、結衣?……ユーリが何をしたかは分かんないけどちょっとやり過ぎじゃない?」
「え?」
「え?」
とりあえず、ユーリは母さんに感謝すべきだね。
a-1 15:30
先生……ブランカに裏切られた後、俺は乾家に居候する運びになった。敵対していた割にはいい生活が出来ていると思う。だからこそ、俺はあの子の事を……唯織ちゃんの事を諦めきれていない。俺が良くてあの子がダメなんて世界は間違っている。
「これまで集めた情報から考えれば、やっぱり……」
俺の目の前にはメモと中華街が広がっていた。もしかすればここの奴ら全員が敵になる可能性も有るのだ。……以前の俺であれば殲滅する事も容易だっただろう。しかし能力は格段に弱くなっている。あまり自分を過信しない方が良い。
結衣や玉麗が居れば良かったのだが、あくまでもこれは俺の我儘だ。だから……
突然、低い爆発音と振動が伝わってきた。中華街の中からだ。
結衣や玉麗が居れば良かったのだが、あくまでもこれは俺の我儘だ。だから……
突然、低い爆発音と振動が伝わってきた。中華街の中からだ。
「結衣の嗅覚に先を越されたか……バカみたいだ」
我が家の大黒柱はちゃんとした捜査とか、探偵のクセにしないのだろうか……?
j-2 15:00
「どこだ唯織ィ!」
「父さん……両手が開いる方が速くない?」
「父さん……両手が開いる方が速くない?」
俺の肩に乗っている結衣が呆れ半分といった体で言って来た。
「今その話してる場合か⁉嫌味なら家に帰ってから聞くぞ!」
「Yカー要る……?要らなくない……?」
「反論出来ねぇ!」
「Yカー要る……?要らなくない……?」
「反論出来ねぇ!」
レベッカに担保として貸してるし結果的には必要なんだよ!と内心で叫びつつも脚を駆動させる。
「あ、匂いから離れた」
「って事はやっぱ中華街か……アイツが出て来りゃ楽なんだがな」
「って事はやっぱ中華街か……アイツが出て来りゃ楽なんだがな」
腐れ縁のうさんくさい眼鏡を思い浮かべる。そういや今回の件に関してはアイツの所為でもある気がしてきたな……。いや、多分関係ないが。
「あの人の気配はないかな?まぁ本職が暗殺者らしいし、見逃してるだけかも」
「どっちにしろ突っ込む事に変わりはねぇんだ。行くぞ結衣!」
「手伝うのは良いけど今晩寿司にしてね!」
「悪いがそれは舞に聞いてくれ!」
「どっちにしろ突っ込む事に変わりはねぇんだ。行くぞ結衣!」
「手伝うのは良いけど今晩寿司にしてね!」
「悪いがそれは舞に聞いてくれ!」
この分だとまた舞の小言を聞く羽目になりそうだ……。可愛いから良いけど。
Y-1 13:00
「っ!こ、ここは⁉」
「お、目が覚めたみたいっすね」
「手ひどくやられたようだな。まぁ座れよ……結衣から代金諸々貰ってるからよ」
「お、目が覚めたみたいっすね」
「手ひどくやられたようだな。まぁ座れよ……結衣から代金諸々貰ってるからよ」
自分が寝ている義体調整用のベッドと、それに似合わない腹の減る匂い……間違いない、草壁の店だ。
「うぅ……何があったのか思い出せない……が、酷く体が痛いのは分かるぞ」
「結衣がお前さんを運び込んできたんだよ。ウチは医者じゃないが医者紛いなら出来るからな」
「十三さんが偶然ここで食べていったので、結衣ちゃんは付いてったっすよ。なんか大変な事になってるっぽいっすね」
「結衣がお前さんを運び込んできたんだよ。ウチは医者じゃないが医者紛いなら出来るからな」
「十三さんが偶然ここで食べていったので、結衣ちゃんは付いてったっすよ。なんか大変な事になってるっぽいっすね」
とりあえず体を起こしカウンター席に陣取る。どうせ暇だし起こしてくれても良かったのだが。彼女なりの気遣いという事だろうか。
「あぁ、新入りが早速家出だ!」
「あー……十三さん変なところで面倒見良いっすからねぇ……」
「その割に食費が無い小遣いが足りないと叫んでいたがな!」
「自業自得っすけど完全に尻に敷かれてるっすね……」
「お前によく似てるよ!」
「また昼時にメンテの予約入れるっすよ勇人さん」
「世界一可愛いぞレベッカ!」
「えへへ、勇人さんったらこんな昼間っからしょうがないっすねぇ~」
「ハハハ!円満夫婦で羨ましい限りだな!」
「あー……十三さん変なところで面倒見良いっすからねぇ……」
「その割に食費が無い小遣いが足りないと叫んでいたがな!」
「自業自得っすけど完全に尻に敷かれてるっすね……」
「お前によく似てるよ!」
「また昼時にメンテの予約入れるっすよ勇人さん」
「世界一可愛いぞレベッカ!」
「えへへ、勇人さんったらこんな昼間っからしょうがないっすねぇ~」
「ハハハ!円満夫婦で羨ましい限りだな!」
かつ丼に手を付けると、少し間をおいて草壁が口を開いた。
「……ユーリ、お前もな」
ん……?アレ?もしかしてボクも人の事を言えない……?のか?というかこの肉いつの日か食べた記憶が……。
「アイツ、まさかこの為だけにボクを此処に……?」
「あれ、なんか言ったっすか?」
「箸が止まっているようだが?」
「な、何でもない!何でもないぞ!あ、あとかつ丼おいしかった!」
「オイ待て!半分も食ってねぇじゃねぇか!」
「すまんなんか体調悪いから帰る!」
「あれ、なんか言ったっすか?」
「箸が止まっているようだが?」
「な、何でもない!何でもないぞ!あ、あとかつ丼おいしかった!」
「オイ待て!半分も食ってねぇじゃねぇか!」
「すまんなんか体調悪いから帰る!」
一瞬でも期待したボクが馬鹿だった!あーなんか腹の中で蠢いてる……。そういや昨日だか一昨日だか忘れたけどボク結衣と一緒にエイリアン観た気がする……。
「マジかアイツ……前にも食った事あるのかよ……」
「最近の子は進んでるっすねぇ~」
「「あ、吐いた」」
「最近の子は進んでるっすねぇ~」
「「あ、吐いた」」
y-2 14:30
「おっ!キタキタ!」
まさか成功するとは思ってなかったけど案外行けるものだ。同調も良い感じ。口とか必要なモノ無いから明日辺りには死にそうだけど。
「どうした結衣?」
「唯織ちゃん、おおまかな場所なら分かるかも」
「本当か⁉」
「あー、まぁホントに大雑把な感じだけどね」
「唯織ちゃん、おおまかな場所なら分かるかも」
「本当か⁉」
「あー、まぁホントに大雑把な感じだけどね」
いやぁ、金欠が理由とはいえ一回全員に食べさせといて正解だったなぁ。唯織ちゃんに着いた父さんの匂いなら、消えない限りは追えそうだ。まぁ次こういう事あったら大変だし、今晩の唯織ちゃんのおかずにこっそり混ぜとこ。
「で、どっちに行けばいい?」
「中華街方面かなぁ」
「中華街か。こっからだと少しばかり遠いな」
「別に中華街の方ってだけで、中華街なわけじゃないからね」
「分かってる。車で……って、そういや今は使えなかったな」
「え、その為に煙草わざわざ買ったんじゃん。父さん頑張って!」
「……え?」
「中華街方面かなぁ」
「中華街か。こっからだと少しばかり遠いな」
「別に中華街の方ってだけで、中華街なわけじゃないからね」
「分かってる。車で……って、そういや今は使えなかったな」
「え、その為に煙草わざわざ買ったんじゃん。父さん頑張って!」
「……え?」
t-2 15:30
爆風が私を包んだ。もう2度と開く事は無いと思っていたドアを壊しながら。
「何で……何で来たの?」
思わず口からこぼれた言葉にその人は事も無さげにこう言った。
「いや、ガキが間違った事してんなら、家帰って叱ってやるのが世の一般的な親ってもんらしいからな……強いて言うなら俺の自己満足だよ」
「ボクは寿司食べたいから!」
「ボクは寿司食べたいから!」
そして、私はあっけなく、いとも簡単に助けられた。
あれから数日が経って、私は庭の畑の手入れをしている。私の能力は特にジャガイモと相性が良いらしいのだ。私自身、能力の訓練になって助かっているが、こんな事で本当に良いのかとも感じている。しかしこの仕事も結構責任重大で、私がしくじると晩飯のおかずは結衣さんの触手になってしまうので注意が必要だ。まぁ、意外とおいしかったしなんならジャガイモより味がするだけマシな気がするけれども。
ちなみにこんなに困窮しているのは寿司の所為であり、突き詰めれば私の所為だ。だからせめて、寿司代を返すくらいの働きはしないとなぁ。
ちなみにこんなに困窮しているのは寿司の所為であり、突き詰めれば私の所為だ。だからせめて、寿司代を返すくらいの働きはしないとなぁ。
「あ、ポチ……それはまだ食べちゃダメ」
しかしまさか犬がこんなにテカテカした黒光りする生き物だとは知らなかった。
あ と が き
エイリアンシリーズ観てたら遅れました……(白状)
内容については……んにゃぴ……自己満足と深夜テンションでやってるので使いたかったら出しても良いけど他のPLやRLに許可とってね……。少なくとも俺はポチは出しません()。途中から飽きてコンセプト持ってかれるのが丸分かりの文章とか数年後読んだら発狂やで……俺は知ってるんだ……。
内容については……んにゃぴ……自己満足と深夜テンションでやってるので使いたかったら出しても良いけど他のPLやRLに許可とってね……。少なくとも俺はポチは出しません()。途中から飽きてコンセプト持ってかれるのが丸分かりの文章とか数年後読んだら発狂やで……俺は知ってるんだ……。