スルーパス - (2007/11/17 (土) 04:20:10) の編集履歴(バックアップ)
スルーパス(through pass)
スルーパスとは、まあご存知の方が多いと思いますが、ディフェンダーの間を通してディフェンスラインの裏側へ通り抜ける味方へ通すパスのことです。
このスルーパスにFWが反応し、DFラインの裏に抜けてボールを受けると、一気に得点のチャンスになります。これまでも例えば第3の動きのようにスルーパスを呼び込むための工夫はいろいろありましたが、ここでその他のものをいくつか挙げます。
このスルーパスにFWが反応し、DFラインの裏に抜けてボールを受けると、一気に得点のチャンスになります。これまでも例えば第3の動きのようにスルーパスを呼び込むための工夫はいろいろありましたが、ここでその他のものをいくつか挙げます。
内側を通すスルーパス
まず左図は(1)がボールを持ってパスをしようとした状況です。(2)が近くにいますし、とりあえずパスを出す相手としては良さそうです。もちろん相手のDFもそれを分かっていますから、(2)にボールがわたる前でパスカットするか、(2)が縦に抜けるのを阻止することを目指しています。
そして実際に(2)にパスをしたとします。これはこれで一つのサッカーの形と言ってよいでしょう。(2)が個人技で縦に突破してクロスを上げてもよいし、中に切れ込んでミドルシュートやラストパスを狙うなど考えられます。
しかし、「とりあえずサイドの選手に預けてあとはクロスか突破」という形ばかりでは攻撃が単調になってしまいます。相手も試合中に慣れてくるため、サイドで封殺される可能性が高くなるでしょう。従って、次のようなスルーパスの選択肢を持っておくのが有効です。こちらの方がより危険な攻めと言ってよいでしょう。
元の状況に戻って、ここから何か別の方法を考えましょう。この状況で相手DFは(2)にパスが出ることを警戒しているため、実は自分の裏に隙ができていることに気付いていないことがたまにあります。そこで…
…左図のようにスルーパスを出します。これは(2)の走る距離を見れば分かりますが、ある程度(2)が予測して裏に走り出していないと上手く決まりません。相手DFに体を入れられてしまいます。
しかしタイミングさえピタリと合えば一気に大チャンスです。あとは(3)がニアで合わせればゴールです。もちろんそう簡単に決まるわけではないですが、プレーに関わる選手たちがこの形をちょっと頭に入れておけば、狙うことは可能です。
ウェーブその1 前線での動き出し
ウエーブ[1]とはボールをもらう際、一度引いて(もしくは横に動いて)から波のような曲線を描き前線に飛び出すという動きのことです。
これにより相手の視野から外れた位置でボールを受け、自分の前にスペースを作ってパスコースを増やすことができます。また、パスの出し手からはパスが出しやすくなります。
左図では、(1)が前を向いてボールを持ち、(2)がスルーパスを受けるのを狙っています。
(2)は裏に向かって走り出しますが、直線的に縦に走るとあっというまに相手のDFラインを越えてしまいます。もちろんラインを越えてからパスを出してもオフサイドになってしまいます。つまり(1)がスルーパスを出すチャンスはほんの一瞬しかなくなってしまいます。これではスルーパスがつながる可能性は低くなります。そこで…
…左図のように横に向かって走り出します。こうすることで、オンサイドの位置にいる時間を稼ぎ、スルーパスとのタイミングを合わせやすくします。パスの出し手にも判断する時間的余裕を与えることができます。
そしてパスが出たところで縦へ方向転換し、パスを受けにいきます。
このようにして、オフサイドにかかることなく、スルーパスを受けることができました。あとは落ち着いてゴールを決めるだけです。
また、横向きではありますが早めに走り出したため、、パスが出たときにはある程度スピードに乗っているのも良い点です。
ウェーブその2 DFのフィード
ウェーブという言葉は、DFなどがボールを受ける際の動きをさす場合もあります。この場合、ウェーブ[2]とはボールを受け取るときに、直線的に移動して受けるのではなく、弧を描くように動いて、ボールを受けるまでの時間を作る方法のことです。
近くに相手選手が居らず、ボールを受ける余裕が十分にある場合、急いでボールを受ける必要はありません。特にDFにおいてはそのような場合が良くあります。そのような場合は、ウェーブの動きをすることで周りを見る時間とよい体の向きを作る時間を得ることができます。
近くに相手選手が居らず、ボールを受ける余裕が十分にある場合、急いでボールを受ける必要はありません。特にDFにおいてはそのような場合が良くあります。そのような場合は、ウェーブの動きをすることで周りを見る時間とよい体の向きを作る時間を得ることができます。
左図の(2)がウェーブをしてボールを受けた場合です。
さて、これがスルーパスとどういう関係があるのでしょうか。
左図ではDFの(1)がウェーブをしながらボールを受けようとしています。直線的に受けるよりは時間的に余裕があるため、周りを見ることができます。ボールに近づきながら前線の(2)の位置を確認するのです。そしてワンタッチでロングパスを出します。
一方、(2)の方でも(1)の動きに注目します。ウェーブの動きはある程度パターン化されているため、ボールに触るタイミングが分かります。つまり裏へ飛び出すタイミングが合わせやすいのです。
DFラインから前線までの距離が長いので、そう簡単には決定的なパスを出すことはできませんが、逆に相手も油断しているため、こまめに「ウェーブ~ロングパス+裏への飛び出し」を続ければ、決定的なチャンスになるかもしれません。DFのロングパスはただの放り込みになりがちですが、ちょっとした工夫でチャンスを作ることができます。
参考: メイクスペース(ウェーブの動き)――スポーツクリック