フェーブルアール


「………うぅ、ぼやける。何だ…?」

概要

既に死亡した傭兵の肉体を使って作られた生体兵器。
自らを生んだ国の方針に従って、世界各地の賊徒を討ち取る為に働いている。
外見は暗緑色のロングウェーブヘアーをした、蒼白な肌の細く壊れそうな顔立ちをした男。外見年齢は20代前半ほど。
実際にクマが有るわけではないが、そういう印象を持たれ易い顔をしており、クマを作っているワケではないのにそう思われてしまう。
灰色の鎧のような機械仕掛けの可変型戦闘アーマーを纏っている。
生体兵器として戦うだけの自分に安定を見出し、命令を受諾する事に安心を覚える。
その性格は暗く、不安定で兵器としては試作型のレベルで造物主である科学者からは大した評価を得ていない。

戦法としては、可変型アーマー「ヴィーダーシュプルフ」から分離する12の効果を持つ12の盾を浮遊、機動させ攻撃・防御に使用する。
本人の攻撃は殆ど体術しか行われず、只管敵の攻撃を防ぎ疲労を狙う戦法も多い。
相手の攻撃の目を引き付け、他の攻撃を頼る連携を想定して作られた兵器である。

死体を修復し、魔術的に無理矢理命を引き戻した為に記憶の混乱が起こっており、破損した物を無理に修復した為、もはや記憶が完全に戻る事は無い。
他人の「他愛ない頼み事」には従い易いが、「命令」には直属の上司であり自分の造物主、「ヤヌアール」の命令にしか従わない。

その出自は「デスポート計画」に端を発しており、「制御の効かぬ人造人間なら、今まで善良に動いていた実績の有る死体を使ってしまえ」という発想から発生。

身長:178cm 体重:283kg(アーマーを合わせて)


能力・技

特筆しない限り、殆どの盾は高い強度を持つ。
浮遊し、効果を発揮する際に彩色され、普段は全て灰色。
全身に配置された盾は自由に位置(効果)を入れ替える事が可能で、咄嗟に防ぐ部位などを考えなくてもよい。

「ヴィッダー・レームング」
ヴィーダーシュプルフに搭載されている黄色い盾。
盾に直接攻撃を及ぼした物を「麻痺」の状態に蝕む。

「スティアー・ドルック」
雄牛の絵が描かれた茶色の盾。
フェーブルアール本人の突進力を強化する突撃用の盾。

「ツヴィリンゲ・リング」
真ん中に穴の開いたドーナツ状の緑色の盾。
防御能力に文字通り穴が有るように見えるが、受け止めた効果をそっくり二倍にして返す効果を持つ。
しかし物理攻撃には対応しておらず魔力やエネルギーのみであり、この盾にそれほど強度は無くあまりに強力な魔術やエネルギーは受けられない。

「クレープス・カッツェ」
受け止めた攻撃の主を盾面から垂直に上昇させ、姿勢の制御を失わせてしまう山吹色の盾。
物理攻撃の衝撃は普通にフェーブルアールに伝えてしまう、奇襲用の盾。

「レーヴェ・ブラット」
葉状の形をした黄緑色の盾。
攻撃を受け止めず、インパクトの瞬間フェーブルアールの体を良いタイミングで翻す「回避用の盾」という奇妙なもの。
フライング・ウェポンとして放つ事も可能でその場合鋭い斬撃を相手に与える。
炎による攻撃に弱く、防ぐ事が出来ない。

「ユングフラオ・シュテルン」
射出用の盾である乳白色の盾。
隕石のような勢いを以て熱を持ちながら相手に襲い掛かるバックラー。
相手の攻撃を迎撃する際にも使われる。

「ヴァーゲ・ブリント」
触れた敵を盲目にしてしまう黒色の盾。
鎖で繋がっており、盲目効果を持つフレイルのような武器として使う事が出来る。

「スコルピオ・ギフト」
触れた相手の体力を徐々に奪っていく「消耗毒」の効果を持つ紫色の盾。
表面には目に見えない微細なスパイクが付いており、厄介な「戻り」として機能する。
一見滑らかな表面を叩くと返し棘が相手の防具や皮膚に引っかかり、まるで「くっ付く」ように機能する。
毒の効果は魔術的なもので、この棘自体に関係は無い。

「シュッツェ・トリープズィン」
触れた相手の精神を蝕み、意欲を減退させるマゼンタの盾。
気が重くなり、眩暈がし、最終的には立つ事も出来なくなる。

「シュタインボック・マテーリエ」
まるで尖った角のような形をした象牙色の盾。
相手の攻撃が当たった瞬間に、回転し捩れながら強い勢いで射出され、輪状の巨大な棘として相手に突き刺さる。

「ヴァッサーマン・プルファー」
液体状の火薬を表面に張った、黄金色の盾。
その表面は液体金属もしくはクリスタルの様相を呈している。
相手の攻撃に対して物理・エネルギー問わず爆発反応によって防御・攻撃を同時に行う。

「フィッシェ・フルート」
ヴィーダーシュプルフに搭載されている暗く青い盾。
盾から洪水に流されるような強い反発力を発する。

「シュランゲントレガー・マスケ」
フェーブルアールの髪の毛と同じ色をした、暗緑色の仮面。
カイトシールドのような形をした、三角の目の付いたシンプルなデザインで、フェーブルアールの皮膚組織と同化する。
12の盾には含まれない単なる防具。

「ゾリダリテート・シルト」
上記の盾全てを連結・変形させ剣状にした形態。
一本の完全な直剣のように見え、相手に様々な状態異常を及ぼす性質の悪い剣。

アイテム

「ヴィーダーシュプルフ」
フェーブルアールが普段から纏っている機械仕掛けの鎧。
全身灰色で、関節部分が焦茶色をしている、飾り気の無いアーマー。

死人語録


「………うぅ、ぼやける。何だ…?」
もはや完全には思い出せない生前の記憶が頭を過ぎる時の症状。
視界がぼやけ、ノイズがかった当時の思い出が白昼夢のように現れる。

「…そうですか。有難う御座いました」
ノイズがかった記憶を頼りに、自分の出自を調べようとした際の台詞。
調べ当てた場所で住人に聞き込みをしようとしたが、その場所はほんの最近破壊し尽くされており、大した情報は得られなかった。
唯一の生き残りである女性から、「殆どの人間が死んでしまった」と聞かされる。

「デスポート…僕の先輩か…」
町を破壊し尽くした犯人の名前を聞いての台詞。
自らが「デスポート計画のやり直し」の結果である事を知っている。

由来

ドイツ語の「二月」から。
最終更新:2015年04月21日 12:50