ふたば系ゆっくりいじめ 535 換

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虐待 理不尽 同族殺し 群れ ドスまりさ 現代 ある意味こいつはゲスですね

※エルダーあき様『「餡子ンペ09」ドスの上手い活用法』、必殺引篭り人様『「餡子ンペ09」ゆ身売買 』リスペクトです 
※死なないゆっくりが存在します
※何も悪くないゆっくりが苦しみます






作:いむあき






ある森にドスが治める群れが存在していた。
400匹程で構成されており、規模がかなり大きいところを除けば希少種が存在しているわけでもない普通の群れだ。

「ゆゆ~。皆おはよう!ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!おさ、おはよう」
「おはようなんだぜ!」
「おしゃ、おひゃよ~」
「まじゃねみゅいよ…ゆぴー」

広場に多くの家族がやってきていた。成体のそばにはまだ眠そうな子ゆっくりがおり、そんな親子が広場を埋め尽くしてる。


「ゆゆー!じゃあおちびちゃん達、さっそく学校に行こう。ドスの特大スィィィに乗ってね!先生達は最後に乗ってね!」

この群れにはある掟が存在しており、それが先程ドスが言っていた『学校』だ。
ゆっくりの餡子脳は成体では完全に矯正不可能であることは周知の事実である。ならば、子供のうちに矯正すればいい。
その理念のもとに数世代前に創設されたのが学校である。群れに所属しているゆっくりは、自分の子供をこの学校へ一定期間通わせる義務を負っているのだ。
教員は主にぱちゅりーやその他次世代幹部候補であり、校長等の要職は現幹部が担っている。


「じゃあ教師のみんな!今日もおちびちゃん達のことよろしくね!」
「むきゅ!さあみんな、きょうはたべものをとりすぎたときのおはなしをするわ」
「そのつぎはありすのとかいはなおうちのかくしかたよ!」
「ぜんぎ!むつごと!じご!」


「校長、おちびちゃん達の教育は上手くいってる?」
「むきゅう…うえのこたちはじょうじょうよ。でもしたのこたちはちょっとげす、いえ、おばかがおおいわね」
「かたたま…」
「そうよね。みょんのいうとおり、ちいさいおちびちゃんはかずがおおいからいまのきょうしのかずじゃたいおうしきれないのよ」
「ゆーん。群れが今より少なかった時のシステムだからね…増員を検討しておくよ…」
「まりさはもういくんだぜ。そろそろまりさのたんとうのじかんだぜ」
「ちぇんもいくよー。ろうたいにはつらいけどやらなきゃがっこうがまわらないよーわかってねー」

ドスは帰る前に幹部陣と今後の教育方針について議論していた。
この学校は先程も話したように数世代前に作られたシステムだ。そのころはまだ群れは50匹未満であり、ドスと当時の幹部だけでも十分機能していた。
ところが学校で教育した世代が台頭してくると、数が急激に増えた。越冬成功率や赤・子ゆっくり生存率、家の倒壊防止対策などが向上されたからだ。
当初はゆん口が増えたことを喜んだが、今では飽和状態に近づいてきており、群れの経営に少しずつ綻びが生じ始めていた。
現在の幹部は教育を受けた第1期生であり、いつ永遠にゆっくりしても不思議ではない。
そんな年寄りすら現場に立たなければいけないほど子供が増えていたのだ。


「ただいま!おちびちゃん達は送ってきたよ!大人は狩りに行こうね!」
「ゆっくりりかいしたよ!」
「ちぇんちーむはこっちくるんだよー!さいきんごはんさんがすくなくなってきたからちょっととおくまでかりにいくよー!」
「じゃあまりさちーむはみずうみにいくぜ!まりさいがいのはんいんはみずくささんをかわかすんだぜ」
「えんこー!……」

大人のゆっくり達を狩りに行かせる時は、必ずチームで行かせた。数匹で行かせた方が見落としなどが減るし、捕食種が来ても対処しやすいからだ。
そのような方法でも広い地域を詮索できるのは大所帯のなせる技だ。
だが最近は遠くへ行かなければ必要な食料が確保しづらくなってきていた。
来年のために採りすぎてはいないのだが、故にゆん口を賄うための食料を遠くまで採りに行かねばならない。それも年々範囲が広がっており、限界を迎えるのも時間の問題だった。



この群れの問題の根源…それはドスがすっきり制限を行っていなかったからだ。
ドスは元々野良ゆっくりであった。亜成体時代に森へ移住し、その後ドス化したのだ。
野良時代は仲間がとにかくたくさん死んだ。昨日知り合ったゆっくりが翌日には保健所に連れて行かれ、竹馬の友はゴミ漁り中に見つかって殺された。両親に至っては、人間の子供におもちゃにされて死んでいった。
そして周りの大人もゆっくりでありながら多産を危険視し、子供に囲まれた生活を我慢して胎生による少数の出産や間引きを行った。

そんな大人達の姿を見て育った、後にドスとなるまりさは森に来て衝撃を受けた。
なにせ街では子供はせいぜい1~3匹。なのに森では4=いっぱいどころか2ケタすらいるのだ。
少数であるが故に唯一無二となった仲間が次々と死に、大人は夜な夜なもっと子供が欲しいとため息をつく。そんな姿とは程遠い、ゆっくりできる光景があったのだ。
だからドスは普通は真っ先に行うすっきり制限を行わなかった。なぜなら肝心のドスがそれをゆっくりしていないと群れで一番思っていたから。

だが、それもいずれ破滅を迎える。もうその足音が聞こえてきているのだ。



(仲間を増やすために頑張ったけど、増えすぎて逆に困っているなんて笑えないよ……)
ドスは巡回中も問題の解決法について考えていた。
教員増強のための優秀なゆっくりの登用。その穴埋めのための異動や若手の投入。だがそのために若手への指導をより強化しなければいけない。
そういえばちょっと離れた場所に1人立ちの集団が新しく巣を作るらしいからあらかじめ安全確認を…。
次から次へと勝手に生えてくる問題に頭を悩ませていた。
いつのまにか歩くのをやめ、ブツブツと問題点について独り言まで言っていた。


「それならいい方法があるよ!」
何かが喋りながら茂みから出てきた。ドスが驚いて出てきたものを見下ろすと、なんと人間がその場にいた。
人間は白衣を着た色白の男性であり、とてもピクニックや森林浴で来たとは思えない。というか、ドスを見て目の前に飛び出すなど重度の虐待派か同じく重度の愛で派ぐらいだ。
ちなみにこの男はどちらでもない。
「やあ、僕は研究お兄さん!話は聞かせてもらったよ!」
研究一筋で生きていたから少々常識が欠落しているだけだった。
「ゆー!?虐待鬼意山!?鬼意山はゆっくりしないでやっつけるよ!」
「まあ落ち着いてくれよドス。僕は鬼意山じゃなくてお兄さんだよ。それに君に朗報があるのさ!」
「な、何?」
「実は僕は飼いゆっくりになれるゆっくりを探しているんだ。でも今手頃なゆっくりがいなくてね、大量のゆっくりが欲しいんだ」
「それとドスとどう関係があるの?」
「つまりだ、僕が君のところのゆっくりを適正個体数まで引き取るよ!引き取る量に応じて食べ物をあげるし、増えすぎたことによる弊害も未然に防げる。一石二鳥だよ」
「…連れて行かれる皆はどうなるの?」
「ペットショップ関連の企業に行って、適性検査や訓練を受けるんだ。うまくいけばとても快適なゆっくりプレイスを貰える飼いゆっくりになれる!」
「……」


ドスは悩んでいた。
確かにゆっくりの数が減れば問題が一気に解決できる。だか初対面のこの男を信用すべきなのだろうか?
いや、信用などできるはずがない。怪しすぎる。信用どころかむしろ長としてこの男を粛清すべきだ。

しかし、ドスの頭にはもう1つの考えが浮かんでいた。
仲間は多ければ多いほどゆっくりできる。だが最近はいくらなんでも多すぎでは?ここ数年は昔比べて親密なゆっくりも少なくなってきている。
それにこのまま冬が訪れれば、久しぶりに大量死が発生するであろう。ならば『信用した』ということにして口減らしすればいいのでは?
そうすれば必要な食糧も少なく済み、来年以降への大きな影響も与えずにすむ。何より、ゆっくり殺しの禁忌に触れない。
むしろ長としては、この冷酷ながらも確実な方法をとるべきなのでは?


昔のドスならこんな思考はしなかっただろう。だが今は超ベテランの大規模な群れの長なのだ。
汚いやり方や秘密裏の処刑を行ったことも少なくない。それになまじ頭がいいせいで、長期的な群れの維持まで考えてしまうのだ。
すなわち長という『立場』と、ゆっくりできない制限はしない理想の長という像を守るという『プライド』で物事を考えてしまうのだ。
結局、自分が『最もゆっくりできない』すっきり制限よりも『いくらかマシ』な頭数のリセットを選択した。


「…分かったよ。その提案受けるよ」
「おお!じゃあ大人1匹かおちびちゃん10匹と食糧一食分で換えてあげよう」
「?…おちびちゃん1匹とじゃなくて?」
「おいおい欲張りだなあドス。子供はちっちゃいんだから10匹分で大人と等価だよ」
「ふーん。ゆっくり理解したよ」
「では計画について話し合おう。まずは……」








一週間後


―――――学校
「おちびちゃんたち!すーぱーすーやすーやたいむだよ!おひるねぷれいすでゆっくりしていってね!」
「教員と幹部は見張りを除いて皆集まってねー!運営について会議するよー!」


学校ではお昼寝の時間を設けていた。ゆっくりはゆっくりすることで成長を促進されるので、こうしてお昼寝させて勉強で疲れた餡子脳を癒すのだ。
ドスはその時間を利用して教師たちを会議という名目で集めていた。
見回りとして若手のれいむ・まりさ・ありすの計3匹だけが残り、他は皆おちびちゃんを起こさないように離れた場所に行ってしまった。

「皆集まったね!じゃあまず増員の件だけど……」



「こっちはいじょうなしなんだぜ。つぎはあっちをみるんだぜ」

いつものルートを見回りをしているまりさがそういいながら移動していた。
がさごそ!
「ゆ?」
「初めまして!ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!れいむはだれなんだぜ?このへんじゃみかけないんだぜ?」

れいむの皮を頭からかぶった屈強な若者がまりさに話しかけた。だが、まりさは皮に付いているリボンのせいでれいむと認識してしまい、さほど警戒していなかった。

「この辺にゆっくりした群れがいるって聞いてやってきたんだよ!まりさは知ってる?」
「それだったらちょうどいいんだぜ!いまおさのどすがちかくに『ヒョイ』ゆゆっ!まりさのおぼうしさ…ゆぐ!?」

若者はまりさが後ろを向いたすきを狙って帽子を取った。そして大声を出される前にまりさの上あごと下あごを掴んで引っ張り始めた。
ミチミチミチッ!

実は以外にもゆっくりは潰されることに強い。成体では皮が固く厚くなり破れづらいので、かなり体重をかけなければ1/3の餡子の流出に至らないからだ。
また、餡子量も多いので、中枢餡への力も他の餡子に吸収されてしまうのだ。
だが、引っ張られることには弱い。幾ら皮が固く厚いとはいえ、衝撃に耐えるためのものなのだ。引っ張られることには対応していない。
だから今まりさは今までのゆん生で体験したことのない苦痛にパニックになっていた。


ピッ!
まりさの頬が次第に破れてきた。
「ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
まりさは突然の出来事に驚いていたが、自身の頬が破れた痛みで現実を理解し始めた。

―――――痛い痛い痛い!どうしてこんなことになっているんだ!?帽子を盗られたと思ったらいきなり口を無理矢理開かされた。
     このままじゃ体が裂けてしまう。嫌だ!死にたくない!


まりさは必死で抵抗し、若者は逃げられないようにさらに強く握りしめ始めた。
だが強く握りすぎたのか、まりさの唇と歯茎を握りつぶしてしまい、そのまままりさを地面に落してしまった。

「いじゃいよおおおおどぼじでごんな『ガッ』
「危ない危ない。ここで大声出されたら後で教授に怒られるとこだったぜ」

今度は若者はまりさの口に片足を入れ、両手で上あごを引っ張った。先程よりも力が入り、裂けかけていた頬の傷が再び広がり始めた。

(ゆあああああやべでえええええまりさしにたくないいいいいいい)

ビリビリビリッ
まりさの体は力に耐えきれず、とうとう上下真っ二つなってしまった。
下半分についている舌は伸び切っており、どれだけ必死に助けを求めていたのかを物語っていた。
だがまりさはまだ生きていた。
上半分がについている目がぎょろぎょろ動いており、少しでも苦痛を和らげようとしているかのようであった。
しかし若者はそんなことは全く気にせず、上半分を下半分の横に落とした。
それによりまりさは自分と分離した下顎を嫌でも視界に入れてしまい、自分の状態を理解してしまった。

(どす…わるいやつがいるよ…はやくたすけに…)
死の間際、まりさはドスがこの事態に気付くことを願っていた。せめておちびちゃん達は逃がさないといけない。
だが、まりさは信じられない言葉を聞いてしまった。

「ふぅ。声を出させないように殺してくれ、なんてドスも面倒くさい注文付けてきたなあ。いくら大声を上げる余力が残っちゃうかもしれないからって、潰す方がはるかに楽だな」

――――――え?ドスが殺せと言った?まさか…。なんで…?

だが疑問を口に出すこともその答えを考えることもなく、まりさは永遠にゆっくりしていった。
まりさが死んだことを確認した若者は、その死体を袋に詰めて回収しておいた。


他の2か所でも同様の惨劇が繰り返されており、彼の仲間が飾りを奪った後声を出されないように気をつけてゆっくりを殺した。


「こっち終わったぞーどうぞー」
「こっちも終了どーぞー」
「じゃあぼちぼち始めますかどうぞう」



学校は群れから少々離れた場所にある。
昔は群れの中で行っていたのだが、授業中に子供時代に教育を受けていない新参者が餡子脳丸出しの発言で授業にちゃちを入れてくることがよくあったのだ。
やれ食べ物はいくらでも勝手に生えてくる。やれ冬篭りは早めにするなんてゆっくりしていない。etc…
せっかく教育しているのに、そんなことをされては何の意味もない。
だからドスはそんなゆっくりを秘密裏に処刑していたが、子供の数が増えてきたので丁度いいからと遠隔地で行うようになったのだ。

だからこのあたりには大人は教員ゆっくりしかいない。そして彼女らは全員ドスに離れたところに集められ、見張り役もすべて殺した。
だから現在、すーぱーすーやす−やたいむで寝ている子・赤ゆっくりを守れる者はだれもいないのだ。



「うわっ。小饅頭が地面にびっしり敷き詰められてる。気持ち悪りぃ」
「ホントによく寝てるな。勉強疲れだからって無防備すぎだろ。警備はどうした!」
「まったくだ!見張りもいないなんて危機感が無さ過ぎるぜ」


子ゆっくり達が寝ている場所に集合した若者たちは、先程自分たちで葬っておきながら見張りがいないことを非難していた。
とはいえ、離れているが一応教師たちに聞こえないようにトーンを落として話していても、子・赤ゆたちはちっとも起きなかった。
やはり見張りとして最低数匹は常にこの場にいるべきであった。


「じゃあちゃちゃっとやるか」


若者たちは先程奪った見張り達の飾りを新たに装着し、箒とちりとりで子ゆっくり達を回収し始めた。一杯になったら袋に入れて紐で縛り、また集めて袋に入れて…を繰り返していく。

「ゆぴー…ゆ?しぇんしぇい?」
「あ、やべ」
ぷちっ
「ゆぶ」

ときどき起きるものがいたが、その都度すぐに指で潰して騒がせないようにした。
このとき人間の姿や知らないゆっくりの飾りであればすぐに大声で誰なんだ?と質問してきただろう。
ここで先程装着した飾りが生きてくる。生きている状態で外したので死臭も移っていないし、信頼している大人のゆっくりなので騒ぎ立てることもしない。

ゆっくりの飾りをしたまま、という案はもともとあったのだが、見張りの飾りを使って騒ぐ可能性を最小限にするという発想はドスが考えたものだ。


小さいく柔らかいのであまり袋に入れられないので、必然的に袋は多くなった。15袋に入れたところで、これ以上は持てないと判断して作業を終了した。
先程は地面を埋め尽くしていたゆっくりが、今では先程の2割弱しかいない。ドスの所望なので比率は子ゆと赤ゆで2:1ほどだ。

若者たちは再び飾りを変えた後、袋を持って走る準備をした。

「じゃあいくぞ。…ゆっへっへ!!!おちび饅頭がいっぱい落ちてたんだぜ!!!きっとゆっくりしているまりさ様達へのご褒美なんだぜ!!!」
「れいむはシングルマザーだからいーーーっぱいこのおちびちゃん達を食べるよ!!!他の子なんてれいむにとってはただの甘々だよ!!!」
「んほおおおおおお!!!さっきのまりさたちも都会派だったけどこのおちびちゃん達も都会派ねえええ!!!ありすの愛の伝道のためにご飯になってねええ!!!」


若者たちはドスがいる方向へ大声でゆっくり風のセリフを吐いた。
直後、「ゆ゛ー!?どうなってるのおお!?」とか「おちびちゃああん!いまたすけるよおお!」とか「げすゆっくりのしゅうげきだよー!いそぐよー!」という声が聞こえてきた。
最後に、
「ゆうう!ドスの群れのおちびちゃんには手を出させないよ!ゆっくり死ねえええ!」
というドスの声とドシンドシンという音が聞こえてきた。

流石にこの事態には子・赤ゆっくり達も目を覚ましたようで、
「ゆうううう!?どうなっちぇるのおお!?」
「ゆえーん!きょわいよー!」
「みんにゃがいにゃいよー!」
と泣き叫んでいた。
袋の中でも起きたらしく、ずももも、と袋が蠢いていた。


「さあ走るぞ!」

若者たちは駈け出した。
といっても小走り程度の速さであり、まるで追いついてくれ、といわんばかりであった。

「ゆゆっ!!!ドスが来るからまりさ様は逃げるんだぜ!!!」
「れいむが先だよ!!!シングルマザーなんだから優先するのは当然でしょ!!!」
「んほおおお!!!ありすに死ねだなんてドスったらツンデレねえええ!!!」

自分達はここにいるぞ、ちゃんと付いてこいよ、という意味を込めて大声で叫んだ。

「ゆうう!!逃がさないよおお!!ゆっくり死ねえ!!」

分かった、そっちだね。という意味をこめてドスも叫んでそちらの方向へ走った。



それなりに走ったところで若者たちは一旦立ち止り、先程回収しておいた3匹の見張りの死体を地面に置き、今つけている飾りを上に乗せた。
直後にドスの姿が見えてきた。先程は物騒な発言をしていたが、顔には怒りの感情が見られない。
ドスに準備完了のサインを送った後、若者たちはそのまま帰って行った。
そしてドスはその場まで走っていき死体を確認した後、
「とうとう追いつめたよ!ゆっくり潰れてね!」
という掛け声とともに死体を踏みつぶした。



そう、この逃走劇もあらかじめ決められていたことなのだ。
人間への敵対心を群れに抱かせないために、『流れのゲスゆっくりがおちびちゃん達を食べ尽くした』ということにしておいたのだ。
残った子ゆっくり達に飾りを見せてそう思わせ、さらに死体にその飾りを付けてドスに潰してもらうことで『犯人』の確保もできる。
この後大人のゆっくり達にこれを見せれば工作完了だ。


こうして食べ盛りで、対応しきれないほどの子供達を一気に減らすことに成功した。







――――――群れ
「ぎゃおーアマギった後わさびを塗りたくってラー油を飲ませて食ーべちゃーうぞー」
れみりゃの帽子をかぶった人間が麻袋にゆっくりを詰めていく。
最初は立ち向かってくる者もいたが、枝は厚手のズボンに阻まれ、石も目をゴーグルで守られ全く通用しなかった。
そして何度もれみりゃを退けてきた歴戦のゆっくり達が次々と捕まっていき、ついに全く歯が立たないことを理解した。

「こっちににげるんだぜええええ」
「むきゃああああ」


ゆっくりたちは人間…いや巨大なれみりゃの襲撃にパニックになっていた。
普段はドスが学校から戻ってきた後で狩りなどに出発するので、この場には群れのゆっくりがほとんどいた。
事前にそのことをドスから聞いていた人間達は、ドスが行ったのを見計らって襲撃したのだ。


「皆!こっちだよ!この袋に入ればあのれみりゃは追ってこないよ!」
「都会派な袋の前にはれみりゃも手も足も出ないわ!」
「とっても丈夫なんだよー!分かるねー!」
「(放送禁止用語)!(放送禁止用語)!!(放送禁止用語)!!!」
「ありがとなんだぜ!みんないそぐんだぜえええ」
「いそぐんだねえええわかるよおおおお」
「れいむはしんぐるまざーだからさきにいれてね!」
「むぎゅうつぶれるうううう」
「んほおおありすのぺにぺにふんでるのだれええええ!?」
バサッ!
「はい捕獲完了」
「カチューシャだけでこんな簡単に騙せるなんてすごいわね。すり替わりネタ…アリね!」
「俺の彼女が君らの作品見て目覚めかけてるから本気でやめて!」
「女子もいるのにあんな事ずっと言えってどんな羞恥プレイだよ…」

れみりゃ役以外にも多くの人間がゆっくりの飾りを付けて自分の麻袋に誘導していた。
全滅させるつもりはないが、1匹でも多く確保するために大声を出して安全を主張し、森の奥へ逃げなかったものは次々と自ら中へ入って行った。



「まりさあああこわいわおおおお」
「だだだだいじょうぶなんだぜええおうちのおくにいればつかまらないんだぜええええ」

この番は逃げるのではなく家の中に隠れることを選んだようだ。だがこれは一番悪い選択であった。
ザッザッザ
「ゆひいいいいい」
足音が巣穴の入り口で止まり、れみりゃの帽子をかぶった青年が中を覗き込んだ。
「ゆああああああああ」
「ゆうううううううう」

「ちっ。深く掘って外敵対策してやがる。あのドスの教育能力すげーな」
そういうと青年は立ち上がり入口からどいてしまった。
「ゆ?た、たすかった?」
「ゆああああよかったよおおおお『ドスッ』…ゆ?」
ホッとして互いの安全を喜ぼうとした矢先、まりさのまむまむ付近に銛が突き立てられた。
青年は去ったわけではなかった。先程しゃがむのに邪魔だったので銛を木に立てかけておいたのだ。それを取るために立ち上がっただけだったのだ。


無論この銛を準備したのは、ドスが巣の構造を教えたからだ。自分で考案したのだから、ドスは弱点も把握していたのだ。


「ゆぎゃああああああああああああああ」
銛を見て激痛を自覚してしまい、まりさは悲鳴を上げた。
「ばりざああああああああああああああ」
番のありすもそんな夫の姿を見て悲鳴を上げた。

ズズズズ

まりさの体が外に引きずられていく。その先には、無論れみりゃ帽子の青年がいる。

「ゆあああああああぼうさんぬけてええええ!!!っていじゃいいいいいいいい」
まりさは必死で体をよじるが、銛には返しが付いているので抜けることはなかった。それどころかよじったせいで体内で返しがあちこちを傷つけ痛みをさらに大きくしていった。
青年まりさを引きずりだすと、銛を無理矢理引き抜いた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
銛が体内の餡子を切り裂く。その痛みは今までよりもさらに大きく、まりさの意識を簡単に刈り取った。

「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
巣穴からその光景を見ていたありすも絶叫をあげる。
――――きっとありすもあの棒さんで刺される。そしてまりさのように地獄の苦しみを味わうんだ。

…その予想は間違っていた。ただしより悪い方向で。

青年が再び銛を構え、ありすに向けて放った。しかし手元が狂ったのであろう。あろうことか銛はまむまむでなく左目に突き刺さった。
「ゆ゛っっぎゃあああああああああっっっっ!!!!!!!!!!!」
ぬちゃっという音と共に眼球が崩れた。金属の冷たさが眼球から伝わってきて、その直後に今まで感じたことのない究極の苦痛が襲ってきた。
だがそれで終わりではなかった。銛はそのまま眼球を貫通し、カスタードにまで届いたのだ。
究極の痛みをはるかに超える激痛にありすは声をあげるが、それは口をあけるために上体を起こすということ。銛は口よりも上に刺さっているのだから、それにより銛が体内で動く。
それによりさらに新たに痛みが訪れ、より大きな声を上げる。それで体が振動して銛がカスタードを傷つける。
どうしようもない痛みの無限連鎖の始まりだった。

結局、その後ありすは精神を崩壊させてしまった。青年は仕方ないのでありすごと銛を出すと、引き抜いてそのままありすを捨ててしまった。




この日、群れの大人のゆっくりは死亡1割、行方不明1割、捕獲5割で計7割のゆっくりが群れから消失した。





「いやードス、助かったよ。まさかこんなにたくさんのゆっくりが手に入るとはね」
研究お兄さんは車にゆっくりを積み込みながら楽しげにドスに話しかけていた。
この場には群れや学校を襲撃した若者達もおり、お兄さんの車とは別に用意した車にゆっくりを乗せていた。


「こっちも程良く数が減って助かったよ。まあこの後の再建が大変だけど」
「とか言って重役や優秀な奴はみんな生き残ってるんだろ?抜け目ないね」
「…それより、約束守ってね」
「ああ、帰ったら数を調べてそれに見合った量のごはんを持ってきてあげるよ」
「なるべく早くね。人間さんの特別おいしいごはんでも食べなきゃ今は皆しあわせーになれないよ」
「わかった。でも買い込んだりいろいろ忙しいから1週間は待ってくれ」
「先生!もう行きますよ!」
車から若者が声をかける。いつの間にはゆっくりはすべて乗せられており、あとは研究お兄さんが乗るだけであった。
「いけない!じゃあドス、近いうちに来るから待っててくれよ」
お兄さんが車に乗り込みながらドスに話しかける。
「お兄さん!」
「ん?」
「なるべく苦しませないでね!」
「え?」

車は出発した。ドスの姿がどんどん小さくなっていき、やがてドスも後ろを向いて群れへと帰って行った。
お兄さんは直前のドスの言葉をが空耳だと思いたかった。自分は飼いゆっくり用を求めていると言ったはずだ。
アレは言っていないはずなのに何故あんな言葉が出てきたのだ?
次に会う時は1週間後。お兄さんは底知れぬ不安を感じていた。





―――――――1週間後

お兄さんは約束通り大量の食料を持って森に来ていた。しばらくすると特大スィィィに乗ってドスも現れた。
お兄さんはドスに引き取った数と食料の量を確認してもらい、その後二人でスィィィに食料を乗せていった。
その間黙々と作業が行われたが、お兄さんは内心先週の言葉を聞くべきかどうか悩み続けていた。

―――――先週のあの言葉は気のせいだったのか?それとも飼いゆっくり用の訓練について言っていたのか?
     聞きたいけど、下手なこと言って襲われたらたまらない。ドスもこのまま何も言わないでくれ!

だがお兄さんのは天に聞き入れられなかった。すべて積み終わった後、ドスの方から聞いてきたのだ。


「お兄さん」
「何だい?ドス」
「引き取られた皆は、どんなことを言って永遠にゆっくりしたの?」
「……」
お兄さんの額に汗が浮かんだ。
「何のことだい?」
「別に怒ってないし、お兄さんをどうこうするつもりはないよ。ただ原因を作った張本人として、結末を知りたいだけなんだよ」
「…言ってることが分からないな」
「ドスは共犯者だよ。今さら責めるつもりはないし、他の皆にも言わないよ」
「…ふう。やっぱりドスは一味違うな。どうしてわかったんだい?」
「…おちびちゃん」
「え?」
「本当に飼いゆっくりにしたいんだったら、おちびちゃん達の方が大人よりも価値が高いはずでしょ?でもはるかに低い価値で交渉してきたんだから、絶対飼いゆっくりにしてもらえないって確信してたよ」
「ほう」

お兄さんは流石ドスだ、とゆっくりにあるまじき知能に対し状況を忘れて感心した。

「それに実はね、ドスは元野良なんだよ。だから『飼いゆっくり』とか『ペットショップ』って言葉の意味も分かったけど、他の森育ちのドスだったら始めから交渉の理由自体分からなかったと思うよ」
「参ったな完全に僕の負けだ。OK、教えるよ。だがこの話はとてつもなくゆっくりしてない。それでも聞く覚悟はあるかい?」
「大丈夫だよ。それにドスにはそれを聞く義務があるよ」
「分かった。じゃあ教えよう…僕は研究お兄さん。大学で教授をしていて、今はゆっくりの病気について研究している」
「…」
「そして今僕が調べているのは、中枢餡以外の餡子が急速に腐っていく病気のメカニズムの解明と特効薬の開発だ」

「そのためにまず君の仲間をその都度病気にしたよ」



『やっやめてええええええぷすぷすさんささないでえええ』
ぶすっ。ちゅー。
『ゆがああああいだいいいいいいい』
『おぎゃあしゃああああんごわいよおおお』
『おでがいじまず!おぢびじゃんだげばあああああ』


『ゆぶっゆげええええええ』
『あんござんでじゃだべゆぼあああああ』
『ぎもぢわるい゛あだばいだい』
『ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛』


「その後、サンプル用の個体は鮮度が落ちないように意識があるうちに解体したよ」


『にんべんざん…ぎもぢばるいよ゛…だずげで』
ざくっ
『ゆがあああああだま゛わでるうううううう!?』
ずぼ
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛なにもびえないよおおおみんなどごおお!?』

『この検体は目の裏側の餡子をホルマリン漬けにする。他はいらないから掘り進もう』
『ゆぎゃあああんござんげずらな゛いでええぇえ゛っ!ぱぴぷぺぽお!ぱぴぷぺぽおおおお!』


「にんっしん中の胎ゆや実ゆへの影響も調べた」


『ゆうううぷすぷすさんいたかったよおお。ゆゆっ!?うっうばれるうう!まだはやいよおおお!?』
『ゆぎゃあああああおちびちゃんれいむのからだのなかたべばいでええええ』
『ゆお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛あだまからでないでえええ』
めりめり
『ゆっぐくgydmydtjysytsjstsyぬfy』
『お、おちびちゃ…がふ』

『ゆ~。ありすのおちびちゃんたちもうすぐうまれるわ♪』
ぷちぷちぷち
『ゆっくりしていってね♪』
『ゆっくちちちぇいっちぇねぇ』
『…』
『ゆfんzgrshtyんtyc、ぉjひう』
『奇形1、死産1、発狂1、確認されている症状と一致』
『ゆああああああ。どぼじでおちびちゃんみんなへんなのおおおお!?』


「他にも薬の致死量を調べたり、中枢餡を移植したり、逆に病気餡を投与したり…いろんな方法をゆっくりに試した」
「糖度によって発症率が変わるかどうかも調べるために、虐待鬼意山に依頼したこともあった」
「子ゆと赤ゆは早期の予防の実験や若い餡子への予防薬の副作用を調べるのに利用した」
「とはいえ多くの犠牲のおかげである程度メカニズムも解明できたし、特効薬の糸口もつかめたんだ」
「ただ、まだまだ謎だらけ。これからももっとたくさんのゆっくりで実験しなきゃならない。そのために残りは冷凍庫で凍り漬けになって自分の番を待ってるよ」


『どすうううううここからだしてえええええ』
『どしゅーちゃしゅけちぇえええゆんやああああ』
『どす……はやく…たす…け…』


「そして既に実験に使われたゆっくりは、最期は皆ドスに助けを求めて死んでいったよ」
「これが君の仲間の末路だ」


ドスはただただ涙を流していた。あまりにもゆっくりしていなさすぎる。
お兄さんの交換条件から主に大人の、すわなち食いでのあるゆっくりを欲しがっていたと解釈し、加工所に連れて行かれて食べ物にされると思っていた。
だがそんな甘いものではなかった。無理矢理病気にさせられ、解体され、薬で生き地獄を味わされたという。
そんな場に皆を送り込んだのだ。ゆっくりの守護者であるべき自分が。浅はかな考えと自分のゆっくりのために。

しかし、、ドスは激情に任せてお兄さんを攻撃はしなかった。
薄々気づいていながらそんなむごい仕打ちに自分も関与していたのだ。自分も共犯者なのだ。それを棚に上げて責めることなどできない。

「僕をどうする気だい?殺すなら、それなりに抵抗させてもらうよ」
「しないよ…しないよ…ゆああああああああ」




その後も、ドスはお兄さんに言った通り他の者には誰一人言わなかった。
群れのゆっくりたちは多くの仲間を失った悲しみをもう乗り越えている。それに数が減ったとはいえ、中核をなすゆっくりは皆学校に集まっていたから残っているのだ。
これからどんどん群れは再生していく。そこへこれを話すなど、ただ無用な混乱を招くだけなのだ。
だが、ドスは一つ大きな変化を与えた。すっきり制限を打ち出したのだ。
これであの規模まで成長することはもうない。環境の崩壊一歩手前までいくことも、教育の手が届かなくなることも、強制的に仲間を減らすことももうないのだ。


今の群れの安定は死んでいった皆の苦しみと換えて手に入れたもの。だからドスも自分のゆっくりを群れの幸せと安定にすべて換えた。


ゆっくりしないために、ドスはすっきり制限を行使した。
研究室では、子供への耐性遺伝を調べるために、あるゆっくりはレイプされ続けて死んだ。

ゆっくりしないために、ドスは捕食種の集団に単騎で挑んだ。
研究室では、経口での病気餡接種の影響を調べるために、あるゆっくりは苦しみぬいた末れみりゃに食われた。

ゆっくりしないために、ドスは睡眠時間を最小限にして群れに尽くした。
研究室では、過剰投与した薬による副作用で、あるゆっくりは体をほとんど動かせなくなった。






ゆっくりしないために、ドスは後継者が育った後でドススパークを暴発させて自殺した。
研究室では、凍り漬けが病気だったため、すべてのゆっくりは殺されるまで苦しみ続けて生かされた。










【あとがき】
「数が多すぎるのをネタにしよう」

普通はすっきり制限するだろうがタコ

「数が少ないのは嫌だからすっきり制限には否定的ってことに」

じゃあなんで口減らしはOKなんだよトンマ

「最近は長としての立場で物事を考えるから…」

じゃあなんですっきり制限しないなんて我を通してるんだよユックリ

「どすっだてゆっくりなんだよおおお!じぶんのゆっくりをゆうせんしたいんだよおおおおおお!」

という誤魔化しの上に成り立つ今回の小話。
頭の回転が悪いくせに整合性にこだわっちゃうからいつも展開に悩むんですよねぇ…。








【参考資料】
 必殺引篭り人様『「餡子ンペ09」ゆ身売買
 エルダーあき様『「餡子ンペ09」ドスの上手い活用法
 お説教されたいあき様『「餡子ンペ09」ゆっくりの電車




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感想

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  • このドス賢いな~
    勉強ができる、という意味ではなく、
    矛盾点がわかる、という頭が回る意味で賢い。 -- 2018-01-02 12:05:43
  • 深(・∀・)イイ!! -- 2011-06-04 07:02:41
  • いきなり出てくる研究お兄さんに噴いたw
    それはともかくれいむの飾りだけじゃなく皮ごとつけてたのは何の意味があったんだろ? -- 2011-05-11 00:27:35
  • 深い話だったな…賢いどすだ…そのせいで苦しんだか -- 2010-10-14 21:03:52
  • 俺もそう思う。いい作品です。 -- 2010-09-02 14:27:47
  • 研究モノとしては秀逸な作品だと思う。 -- 2010-07-30 22:40:08
  • どす… -- 2010-07-02 00:11:19
最終更新:2009年11月30日 17:54
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