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第一話

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The World is Games



「この世界は、ゲームだ。すべては神が創ったゲームの上で我らは生を全うしている」 

 私にそういった人がいました。

 私達はこのラグナロクという世界で生きています。

 そして、この世界で死んでいきます。

 そんなこと、当たり前のことで・・・誰も疑問にも思いもしませんでした。

 しかし、私は知ってしまいました。

 この世界がすべて神が作り出したゲームの上であるということに・・・。

 ある人が私に教えてくれました。

 その人に出会ったのは、ある日のことでした。

 その日、私はギルドの仲間もいなかったので、1人で狩りへと出かけていました。


 ここは魔法都市ゲフェン。

 私の主な狩場に最も近い都市。

 私は今日も、アンバーナイトを狩りに行くべく、ゲフェンで準備を進めていました。

 私の名前は、[浅羽 小夜]新米アコライトです。

 いつも、ギルドの皆さんにご迷惑をおかけしてるので、

 皆さんがいないときはいつも1人でがんばってアンバーナイトを叩いています。

 準備が終わって、意気揚々とアンバーナイト狩りに出かけようとして矢先でした。

「君、アコライトだろ?どう?俺達と狩りに行かない?」

 声をかけてきたのは男性4人組のパーティーさんでした。

 皆さん二次職で、私よりもLVもずっと高い人たちでした。

「俺達、君みたいな新米さんを育成して回ってるんだ」

 その人たちはとても友好的に話しかけてきたので私もいい人たちなんだなと思って、その人たちに同行することにしました。

 目的地はゲフェンダンジョン。

 私のLVではまだまだ無理なところだったのですが。

 パーティーの人たちに進められてしぶしぶゲフェンダンジョンに行くことになりました。

 ゲフェンダンジョンでの狩りは順調に進んで、今は2Fです。

 騎士さん、ブラックスミスさん、プリーストさん、ウィザードさん。

 私は時々、叩かせてもらいながらずんずん奥へと進んで行きました。

 しばらくすると、まったく人気の無い場所にたどり着きました。

 ゲフェンダンジョン3F。

 このダンジョンの最深部でした。

「まぁ、この辺でいいか」

 ポツリと、騎士さんがそうつぶやきました。

 そのとたん、私の体をブラックスミスさんが羽交い絞めにしました。

「な!・・・なにをするんですか!!」

 私は突然のことにびっくりして、自分でも驚くほどの声を上げていました。

「いや~、君かわいいからさ~」

 そうです、彼らの目的ははじめからこういうことだったのです。

「いや!いやです!!!」

 手に持ったチェイン(借り物)を振り回して抵抗しました。

 ゴスッ!!

「がっ!」

 運良く手に持ったチェイン(借り物)が後ろのブラックスミスさんの脳天を直撃。

 羽交い絞めにしていた手が緩み、その刹那私は脱兎のごとく彼らから逃げ出しました!

「チッ!せわやかすんじゃねぇよ!!!」

 逃げ出す私を4人の男達が追ってきます。

 私は、あたりのモンスターたちを無視してただ何も考えずに足を動かしました。

「はぁ!はぁ!!」

 呼吸が苦しい。

 それでも足を止めるわけに行きません。

 しかし、私の逃走劇もそう長くは続きませんでした。

 なにも考えていなかった私は、行き止まりへと追いやられてしまいました。

 行き止まりに追い込まれた私は、手の中のチェインを前に突き出して最後の抵抗をしました。

「へへ・・・やっと追い詰めた・・・観念するんだな」

 私の突き出したチェインを警戒しながら、じりじりと近づいてくる騎士さん。

 私に逃げ場はなく、もうだめだと思いました。

 その時です。彼が現れたのは・・・。

「なんだお前は?」

 そんな声が私の耳に届きました。

 そちらに目を向けてみると、最後尾にいたウィザードさんと対峙している人影が見えました。

 それは、1人の少年でした。

 金色の髪、そして剣士の服装。

「た・・・助けて!!」

 私は、力いっぱい叫びました。

「立ち去れ・・・」

 しかし、私の声などまったく聞こえないかのようにポツリと、少年はつぶやきました。

「はぁ?なに言ってんだお前?お前こそ消えろ!」

 話を聞いていたブラックスミスさんが少年の体をドン!っと押しました。

 少年は半歩下がり姿勢を整えると、腰に挿していた剣を抜き放しました。

「立ち去れ、さもなければ実力を持って排除する」

 少年は、ゆっくりともう1度私達に警告をしました。

「ふざけるな!!」

 少年の言葉に業を煮やしたのか、

 ブラックスミスさんは腰に刺していた斧を抜き放ち、少年に向かって振り下ろしました。

「逃げて!!!」

 私はぎゅっと目を瞑り、力の限り叫びました。

 もう、遅いとわかってはいました。

 斧は少年にめがけて1直線に振り下ろされています。

 私が叫んでも、少年は逃げることなんてできません。

 それでも私は、叫ばずにはいられませんでした。

 ガギィ!!

 私の予想と違った高い金属音。

 鉄と鉄がぶつかり合ったような音。

 私が恐る恐る目を開けてみると、ブラックスミスさんが振り下ろした斧は少年の頭上で止まっていました。

 ブラックスミスさんが振り下ろした斧は、少年の剣によって、受け止められていました。

「了解した。貴様らを墓荒らしと断定し、排除する」

 その刹那、少年は剣でブラックスミスさんの斧を跳ね上げ、1刀のもの切り伏せました。

「な・・・!何なんだよお前は!!!」

 仲間を倒され、驚きと戸惑いを抱えた騎士さんは剣を抜き放ち、他の二人の前に、立ちました。

 ウィザードさんは、迅速に少年を対象に魔法の詠唱をはじめ、

 プリーストさんは、倒されたブラックスミスさんにヒールを使い、治療を始めています。

「く・・・俺が1撃で・・・」

 ブラックスミスさんは運良く急所を外していた様で、致命傷にはなっていないようです。

 LVが高いだけあって、彼らは迅速に戦闘態勢に入りました。

「排除する」 

 ポツリと呟くと少年は1陣の風となって騎士さんに詰め寄り、戦闘を開始しました。

 その動きはすばやく、本当に風のようでした。

 ・・・逃げようと思えば逃げられたと思います。

 でも、私の体は自分のものではないように、まったく動きませんでした。

 1歩でも動けば、私はこの風のような剣士に切り伏せられるとすら思ったからです。

「くっそ!!こいつなんて重い1撃を!!!」

 少年の1撃を受けるたびに、騎士さんの剣は吹き飛ばされたように跳ね上がります。

 それを力ずくで押さえ込み、少年の剣を受け止めます。

「くらえ!!〔 Mammonite 〕!!!」

 復活したブラックスミスさんが、金色に輝く斧を少年に向かって振り下ろしました。

 受けるのは危険と判断したのか、少年は身をかがめその1撃を回避しました。

「対象復活、敵戦力増長。長期戦は不利」

 少年は、ぶつぶつとつぶやき、二人を倒すべくさらにスピードを上げました。

 それを詠唱を終えたウィザードさんの魔法が迎え撃ちました。

「氷結の洗礼を受けよ!!〔 Storm Gust 〕!!!」

 少年を中心にあらゆるものを凍結させる絶対零度の吹雪が吹き荒れ、少年はそれに飲み込まれました。

「コレで、決まりだな」

 勝利の優越感に浸りながらつぶやく騎士さん。

 勝利を確信し、戦闘態勢を解除していく4人。

 それが、最大の油断。

 絶対零度の吹雪から飛び出す風。

 勝利を確信し、隙を見せた4人は風に対応できませんでした。

 風はまず、1瞬にしてウィザードさんの目の前に詰め寄り、剣の柄をウィザードさんの延髄に打ち下ろしました。

「なっ!!」

 ガッ!!と鈍い音がし、ウィザードさんはゆっくりと崩れ落ち、そのまま沈黙しました。

「〔 Pierce 〕」

 次に騎士さんに詰め寄り、光を宿した剣で瞬速の二連突き。

 ズバズバ!!

 その直撃を受けた騎士さんは血を吐きそのまま倒れ、動かなくなりました。

「な・・・なんだっていうんだよ!!お前はぁぁ!!!」

 瞬く間に二人を倒した少年に向かい、がむしゃらに斧を振り回すブラックスミスさん。

 冷静さを失ったブラックスミスさんの攻撃の1つに、少年は冷静にあわせ反撃を行いました。

「〔Auto Counter〕」

 反撃を受けたブラックスミスさんはばたりと倒れ動かなくなりました。

「ひ・・・ひぃ!!!た・・・助けてくれぇぇ!!!!」

 1人残されたプリーストさんはさっきの私と同じように脱兎のごとく逃げ出そうと、駆け出しました。

 それを見た少年は、風となりプリーストさんの退路に立ちはだかりました。

 逃げ場を失ったプリーストさんは、恐怖のあまりその場に座り込み、がたがたと震えていました。

「た・・・助け・・・助けて・・・」

 恐怖のあまり、回らない口で言葉を出しました。

「この者たちを連れて立ち去れ」

 少年が言うとプリーストさんは、自分の仲間達を抱えてすぐに逃げ出した。

 私は・・・その1部始終をただ黙って見つめていることしかできません出でした。

 プリーストさんが逃げ出したあと、私はしばらくの間少年を見つめていました。

 少年は何を言うわけでもなく、どこへ行くわけでもなく私を見つめ返していました。

「立ち去れ」

 少年はポツリとつぶやくとそのままダンジョンの奥深くに姿を消しました。

 

 これが・・・私と彼の出会いでした。

 その後、私はふらふらとゲフェンダンジョンを後にし、

 自分の家に戻って布団にもぐりこんで、今日のことを思い返していました。

 考えるのは、あの少年のこと。

 ブラックスミスより力強く。

 騎士よりも速く。

 ウィザードの魔法でも傷を負わない。

 そんな剣士・・・たった1人しか思いつきはしませんでした。

 通称DOPと呼ばれるゲフェンダンジョンの主。

 ドッペルゲンガー・・・それが、彼の正体でした。

 そして、この次の日も私はなぜか、ゲフェンダンジョンへ行こうと思いました。

 続

知らない人のための簡易用語説明


~基本用語~
魔法都市ゲフェン:魔法が発展した都市。

ギルド:DECOでいうヒロンティアのこと。

アンバーナイト:カタツムリ型モンスター。低レベルの時の獲物。

アコライト:聖職者。支援特化のマジシャンのような存在。

ゲフェンダンジョン;魔法都市ゲフェンの中心にある塔の中にある上級者用ダンジョン。古の戦士たちの墓標と噂される場所。

騎士:ナイトのこと。

ブラックスミス:DECOで言うスレイヤーみたいな職。主要武器 斧。

ウィザード:DECOで言うプロミナス的な職。

チェイン:鈍器。

DOP(ドッペル・ゲンガー):ゲフェンダンジョンのボス。ナイトでもLV80以下なら即死なほどの強さ。雪山のドラゴン並か?

~スキル~
Mammonite(メマーナイト):お金の力を武器に宿し強力な攻撃を行うブラックスミスのスキル。

Storm Gust (ストームガスト):一定範囲に絶対零度の吹雪を呼び出し対象を凍結させるウィザードのスキル。

Pierce(ピアース):俊足の突き攻撃を行うナイトのスキル。

Auto Counter(オートカウンター):一定時間反撃体勢を取り、敵の攻撃を受けたときに自動反撃する。ナイトのスキル。




これは作者が前にやっていたオンラインゲームを題材にした小説です。
それをただ移しただけのものなのでかなり雑な部分も多いです。
でもそれは簡便って事で;w;
感想意見は雑談BBSのほうにお願いします~。

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