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*デアデビル
収録作品:[[エースコンバット7 スカイズ・アンノウン]][PS4]
作曲者:[[小林啓樹]]
ボーカル:盛田麻央
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**概要
#center(){#blockquote(){&font(b,12px){データフィックス。させない。&br()&ruby( ){一箇所でイイ。鳥肌立てて涙したい。}&br()&ruby( ){電話する。}&br()&ruby( ){「1曲、どうしても名曲が要る、今から創って欲しい。」}&br()&ruby( ){「分かりました。」}&br()一言も文句は無かった。&br()直ぐにラフが上がる、修正指示、&br()直ぐ収録。&br()&ruby( ){〆切後に新曲を追加する。狂気だ。}&br()&ruby( ){命知らず、曲名 “Daredevil”}}}}
本作のMISSION 19「灯台」の後半戦で流れる曲。
曲名はこのミッションの作戦名より取られており、この作戦では「灯台」こと国際軌道エレベーターの奪還と、防衛兵器アーセナルバード2番機「ジャスティス」の破壊が目的となっている。
この後には最終ミッションが控えているが、このミッションこそが灯台戦争の最重要局面であり、作りこみの凄まじさからも分かるように本作最大の見せ場である。
前半戦は「Lighthouse」が流れるが、アーセナルバードへの一斉攻撃がAPSの展開で全て防がれ、大量の無人機と高出力レーザー砲で劣勢に立たされた後半戦よりこの曲が流れ始める。
劣勢に陥り味方の士気が急落することもあり、曲は静かながらも重く緊迫感に満ちたものであるが、少しずつだが確実に盛り上がっていく。
開始から1分半を過ぎた辺りからは女性のコーラスが加わり、荘厳な雰囲気すら感じさせるものになっていく。
この辺りより、アーセナルバードへの電力供給を断つために軌道エレベーターの位置マーカーを破壊していく通信が入ってくる。
この状況を味方の中で唯一把握したストライダー隊2番機のカウントは、この破壊工作を敵に悟られないようにしながら味方の士気をあげるため、自分自身がAPSを消すと見せかける&bold(){敵味方全てを巻き込んだハッタリ}をかましたのである。
#center(){&b(){&i(){&size(14){<< どういう魔法を使ったんだこの大馬鹿野郎! >>}}}}
#center(){&color(red){&b(){&i(){&size(25){<< 魔法じゃねぇ 詐欺さ >>}}}}}
そして最後の位置マーカーが破壊されたことで電力供給が断たれAPSが消え去った瞬間に合わせ、高らかなコーラスが響き渡るサビに突入する瞬間は、インタラクティブミュージックをフルに活用した空を飛ぶ者の魂を揺さぶる圧倒的なものであり、本作において最も印象に残るシーンと言ってもよい。
またこの曲は作曲過程も壮絶なものであり、[[25周年インタビュー>https://funfare.bandainamcoent.co.jp/8957/]]によるとなんと開発終盤のデータ締め10日前にディレクターの河野一聡氏が急遽[[渡辺量]]氏を通じて小林啓樹氏に作曲を依頼するという無茶苦茶なものであったそうだ。
そうなると、この曲はDLCを除いて本作で最後に作られた曲ということになる。
河野氏曰く「演出が足りない」との理由だからだそうだが、ゲーム開発はデータ締めまでに作り終えるのが大前提であり、それを総括する当のディレクター本人からのまさかの要請に、渡辺氏と小林氏は力なく笑うしかなかったとのこと。
しかも『バナスタサウンズナマスタ』での回想にて小林氏と河野氏は、
「でもデータって閉まっているんじゃなかったですか?」→「データは閉まっているよ」→「でも曲作るんですか?」→「そうだよ」
という耳を疑うようなやり取りをしている。
更に河野氏は自分自身も狂っている自覚があったとのことで、プロデューサーの下元学氏と
「下元、大丈夫なの?」→「大丈夫です」
というやり取りをしたと答えたが、下元氏は「下元、金残ってる?」と訂正するというもはやツッコミが追いつかない内容であった。
明らかに矛盾したことを言っているのだが、整合性を考えた場合、一度データ締めをしたものを蒸し返して10日間延長したという、ゲーム開発者からすれば開いた口が塞がらなくなるような恐ろしい事実が推測できてしまう。
以前も「[[The Unsung War]]」でのちゃぶ台返しがあったものの、今回は開発終盤が泥試合と化すのが恒例行事の[[エースコンバットシリーズ]]でも類を見ないほどの緊急事態に、サウンドディレクターの渡辺氏は作曲・収録場所の手配と演奏者の確保に奔走し、小林氏は普段の100倍の速さで仕上げたそうだが、今度はナラティヴディレクターの糸見功輔氏が「この曲はインタラクティブミュージックで実装しよう」と言い出すという最後の最後まで波乱に満ちた有様だった。
このエピソードは制作陣にとってもあまりに強烈な出来事だったようで、他の場面でも度々語られている。
小林氏は『バナスタサウンズナマスタ』での回想において、緊急事態になればなるほど名曲が生まれると[[中西哲一]]氏等が噂していると言われてしまった際、極限状態のエースコンバットの世界観と被るからと答えている。
河野氏当人も[[別のインタビュー>https://type.jp/et/feature/12872/]]で語っており、この件のみならず二年におよぶ発売延期も&bold(){「顧客感動」にまで至らなければこのシリーズが終わる}という覚悟をもって当たったためであることを語っている。
冒頭の河野氏の[[Twitter>https://twitter.com/kazutoki/status/1104045806493954048?lang=ja]]からは凄みすら感じさせるものがある。
戦場全てを巻き込んだ大詐欺師も、〆切を無視してこの一大決戦を書き上げた制作陣も、揃いも揃って「&bold(){&ruby(Daredevil){命知らず}}」の名を冠するに相応しいと言うしかないだろう。
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**過去ランキング順位
[[第14回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100>第14回の結果]] 90位
[[第15回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100>第15回の結果]] 213位
[[第16回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100>第16回の結果3]] 878位
[[みんなで決める2019年の新曲ランキング>みんなで決める2019年の新曲ランキングの結果]] 34位
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**サウンドトラック
***『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』 オリジナルサウンドトラック
#amazon(B081DS329M)
**関連動画
***ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN PREMIUM EDITION 紹介トレイラー
#video(https://www.youtube.com/watch?v=YmamC_c1fxU)
***『バナスタサウンズナマスタ』 第8回
#video(https://youtu.be/QndkdFwOBYM?t=2607)
*デアデビル
収録作品:[[エースコンバット7 スカイズ・アンノウン]][PS4]
[[作曲者]]:[[小林啓樹]]
ボーカル:盛田麻央
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**概要
#center(){#blockquote(){&font(b,12px){データフィックス。させない。&br()&ruby( ){一箇所でイイ。鳥肌立てて涙したい。}&br()&ruby( ){電話する。}&br()&ruby( ){「1曲、どうしても名曲が要る、今から創って欲しい。」}&br()&ruby( ){「分かりました。」}&br()一言も文句は無かった。&br()直ぐにラフが上がる、修正指示、&br()直ぐ収録。&br()&ruby( ){〆切後に新曲を追加する。狂気だ。}&br()&ruby( ){命知らず、曲名 “Daredevil”}}}}
本作のMISSION 19「灯台」の後半戦で流れる曲。
曲名はこのミッションの作戦名より取られており、この作戦では「灯台」こと国際軌道エレベーターの奪還と、防衛兵器アーセナルバード2番機「ジャスティス」の破壊が目的となっている。
この後には最終ミッションが控えているが、このミッションこそが灯台戦争の最重要局面であり、作りこみの凄まじさからも分かるように本作最大の見せ場である。
前半戦は「Lighthouse」が流れるが、アーセナルバードへの一斉攻撃がAPSの展開で全て防がれ、大量の無人機と高出力レーザー砲で劣勢に立たされた後半戦よりこの曲が流れ始める。
劣勢に陥り味方の士気が急落することもあり、曲は静かながらも重く緊迫感に満ちたものであるが、少しずつだが確実に盛り上がっていく。
開始から1分半を過ぎた辺りからは女性のコーラスが加わり、荘厳な雰囲気すら感じさせるものになっていく。
この辺りより、アーセナルバードへの電力供給を断つために軌道エレベーターの位置マーカーを破壊していく通信が入ってくる。
この状況を味方の中で唯一把握したストライダー隊2番機のカウントは、この破壊工作を敵に悟られないようにしながら味方の士気をあげるため、自分自身がAPSを消すと見せかける&bold(){敵味方全てを巻き込んだハッタリ}をかましたのである。
#center(){&b(){&i(){&size(14){<< どういう魔法を使ったんだこの大馬鹿野郎! >>}}}}
#center(){&color(red){&b(){&i(){&size(25){<< 魔法じゃねぇ 詐欺さ >>}}}}}
そして最後の位置マーカーが破壊されたことで電力供給が断たれAPSが消え去った瞬間に合わせ、高らかなコーラスが響き渡るサビに突入する瞬間は、インタラクティブミュージックをフルに活用した空を飛ぶ者の魂を揺さぶる圧倒的なものであり、本作において最も印象に残るシーンと言ってもよい。
またこの曲は作曲過程も壮絶なものであり、[[25周年インタビュー>https://funfare.bandainamcoent.co.jp/8957/]]によるとなんと開発終盤のデータ締め10日前にディレクターの河野一聡氏が急遽[[渡辺量]]氏を通じて[[小林啓樹]]氏に作曲を依頼するという無茶苦茶なものであったそうだ。
そうなると、この曲はDLCを除いて本作で最後に作られた曲ということになる。
河野氏曰く「演出が足りない」との理由だからだそうだが、ゲーム開発はデータ締めまでに作り終えるのが大前提であり、それを総括する当のディレクター本人からのまさかの要請に、渡辺氏と小林氏は力なく笑うしかなかったとのこと。
しかも『バナスタサウンズナマスタ』での回想にて小林氏と河野氏は、
「でもデータって閉まっているんじゃなかったですか?」→「データは閉まっているよ」→「でも曲作るんですか?」→「そうだよ」
という耳を疑うようなやり取りをしている。
更に河野氏は自分自身も狂っている自覚があったとのことで、プロデューサーの下元学氏と
「下元、大丈夫なの?」→「大丈夫です」
というやり取りをしたと答えたが、下元氏は「下元、金残ってる?」と訂正するというもはやツッコミが追いつかない内容であった。
明らかに矛盾したことを言っているのだが、整合性を考えた場合、一度データ締めをしたものを蒸し返して10日間延長したという、ゲーム開発者からすれば開いた口が塞がらなくなるような恐ろしい事実が推測できてしまう。
以前も「[[The Unsung War]]」でのちゃぶ台返しがあったものの、今回は開発終盤が泥試合と化すのが恒例行事の[[エースコンバットシリーズ]]でも類を見ないほどの緊急事態に、サウンドディレクターの渡辺氏は作曲・収録場所の手配と演奏者の確保に奔走し、小林氏は普段の100倍の速さで仕上げたそうだが、今度はナラティヴディレクターの糸見功輔氏が「この曲はインタラクティブミュージックで実装しよう」と言い出すという最後の最後まで波乱に満ちた有様だった。
このエピソードは制作陣にとってもあまりに強烈な出来事だったようで、他の場面でも度々語られている。
小林氏は『バナスタサウンズナマスタ』での回想において、緊急事態になればなるほど名曲が生まれると[[中西哲一]]氏等が噂していると言われてしまった際、極限状態の[[エースコンバット]]の世界観と被るからと答えている。
河野氏当人も[[別のインタビュー>https://type.jp/et/feature/12872/]]で語っており、この件のみならず二年におよぶ発売延期も&bold(){「顧客感動」にまで至らなければこのシリーズが終わる}という覚悟をもって当たったためであることを語っている。
冒頭の河野氏の[[Twitter>https://twitter.com/kazutoki/status/1104045806493954048?lang=ja]]からは凄みすら感じさせるものがある。
戦場全てを巻き込んだ大詐欺師も、〆切を無視してこの一大決戦を書き上げた制作陣も、揃いも揃って「&bold(){&ruby(Daredevil){命知らず}}」の名を冠するに相応しいと言うしかないだろう。
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**過去ランキング順位
[[第14回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100>第14回の結果]] 90位
[[第15回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100>第15回の結果]] 213位
[[第16回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100>第16回の結果3]] 878位
[[みんなで決める2019年の新曲ランキング>みんなで決める2019年の新曲ランキングの結果]] 34位
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**サウンドトラック
***『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』 オリジナルサウンドトラック
#amazon(B081DS329M)
**関連動画
***ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN PREMIUM EDITION 紹介トレイラー
#video(https://www.youtube.com/watch?v=YmamC_c1fxU)
***『バナスタサウンズナマスタ』 第8回
#video(https://youtu.be/QndkdFwOBYM?t=2607)