第一話 レスラー消失
その日はいつもと同じ、虹裏喫茶が開店するはずだった。
八重「はぁ…誰も来ませんねぇ」
たから「そうね」
八重「何かあったんでしょうか」
たから「…忙しいだけなら良いのだけれど」
たから「そうね」
八重「何かあったんでしょうか」
たから「…忙しいだけなら良いのだけれど」
1時間後、結局誰も来ることなく…
ただ時間だけが過ぎていく。
ただ時間だけが過ぎていく。
たから「…明らかに、異常ね」
八重「どうしましょう。今日はもう店じまいにしますか?」
たから「…ちょっと見てくるわ」
八重「はい、行ってらっしゃーい」
八重「そういえば…今日は店長も梶尾さんも見ませんねぇ」
ガチャ
八重「あれ、冴木さん? おかえr…あれ?」
???「七瀬八重。これよりお前からレスラーを消去する」
八重「あなたは…!?」
――タイムワープモード
八重「どうしましょう。今日はもう店じまいにしますか?」
たから「…ちょっと見てくるわ」
八重「はい、行ってらっしゃーい」
八重「そういえば…今日は店長も梶尾さんも見ませんねぇ」
ガチャ
八重「あれ、冴木さん? おかえr…あれ?」
???「七瀬八重。これよりお前からレスラーを消去する」
八重「あなたは…!?」
――タイムワープモード
たから「とはいえ、どこに行ったらいいものかしらね。
…あら? あれは、エヴァさん?」
エヴァ?「……」
たから「エヴァさん?」
エヴァ?「…」
スタスタ…
たから「…気づかなかったのかしら。そういう事もあるわよね」
夕映?「……」
たから「あそこにいるのは夕映さんね。それにしても、エヴァさんとは別々の方向を歩いてるなんて…お互い気づかないのかしら」
夕映?「…」
たから「夕映さん?」
夕映?「…」
スタスタ…
たから「行って、しまったわね。何なのかしら、二人とも」
…あら? あれは、エヴァさん?」
エヴァ?「……」
たから「エヴァさん?」
エヴァ?「…」
スタスタ…
たから「…気づかなかったのかしら。そういう事もあるわよね」
夕映?「……」
たから「あそこにいるのは夕映さんね。それにしても、エヴァさんとは別々の方向を歩いてるなんて…お互い気づかないのかしら」
夕映?「…」
たから「夕映さん?」
夕映?「…」
スタスタ…
たから「行って、しまったわね。何なのかしら、二人とも」
だが、どこへ行っても、誰と出会っても結果は同じであった。
何も答えず、何も反応せず、ただそこにある画像のように。
何も答えず、何も反応せず、ただそこにある画像のように。
たから「おかしい…一体何があったというのかしら。まるでレスラーじゃないみたいな」
???「いいや、それは違う」
たから「誰!?」
???「正確にはレスラーである事を消去した。それだけだ」
???「いいや、それは違う」
たから「誰!?」
???「正確にはレスラーである事を消去した。それだけだ」
のっぺらぼうのように真っ白な仮面を付けた男がそこに立っていた。
顔は隠れてはいるが、髪型と声はたからの知る吾妻玲二という男である。
顔は隠れてはいるが、髪型と声はたからの知る吾妻玲二という男である。
たから「吾妻さん…どういう意味かしら?」
ツヴァイ「No。今の俺は吾妻玲二ではない。俺はプロトコル・ファントムのツヴァイだ。
冴木たから、これよりお前からもレスラー歴を消去する」
たから「冗談にしては笑えないわね。
例えエイプリールフールだとしても、許されるものではないわよ?」
ツヴァイ「我が使命はレスラーという存在を消すこと。最後は冴木たから、お前だけだ」
たから「…いい加減にしないと、いくら私でも怒るわよ?」
ツヴァイ「拒否は出来ない」
ツヴァイ「No。今の俺は吾妻玲二ではない。俺はプロトコル・ファントムのツヴァイだ。
冴木たから、これよりお前からもレスラー歴を消去する」
たから「冗談にしては笑えないわね。
例えエイプリールフールだとしても、許されるものではないわよ?」
ツヴァイ「我が使命はレスラーという存在を消すこと。最後は冴木たから、お前だけだ」
たから「…いい加減にしないと、いくら私でも怒るわよ?」
ツヴァイ「拒否は出来ない」
ツヴァイと名乗った青年は円盤のようなものを空中に放り投げた。
円盤はボールへと変化し、ツヴァイの元へと降りてくる。
円盤はボールへと変化し、ツヴァイの元へと降りてくる。
――タイムワープモード
降りてきたボールを彼が踏むと、電子音が鳴った。
その意味を確認するより早く、ツヴァイはボールをたからへ向かって蹴り上げた。
その意味を確認するより早く、ツヴァイはボールをたからへ向かって蹴り上げた。
たから「!?」
咄嗟にかわすたから。
ボールはたからの眼前をかすめて、上空へと飛んでいく。
空中で静止したボールは閃光を放ち、たからとツヴァイを飲み込んで、その場から消え去った。
ボールはたからの眼前をかすめて、上空へと飛んでいく。
空中で静止したボールは閃光を放ち、たからとツヴァイを飲み込んで、その場から消え去った。
たから「…ここは?」
彼女は既視感を覚えた。
否、見間違えようはずもない。
このまったりとしてしつこくない雰囲気を、忘れようはずもない。
否、見間違えようはずもない。
このまったりとしてしつこくない雰囲気を、忘れようはずもない。
たから「あれは、クロさんに…私!? これは夢でも見ているのかしら…」
あの日、黒い旅人と出会った時だ。
それを遠くからたからは見ていた。朝、まだ何も知らなかった頃の日曜日の朝の時間だ。
それを遠くからたからは見ていた。朝、まだ何も知らなかった頃の日曜日の朝の時間だ。
たから「いいえ、これは夢なんかじゃない! 私があの時のことを忘れるはずが…
でも、どうして?」
ツヴァイ「理解しなくていい。ただあるがままを受け止めろ」
たから「吾妻さ、いいえ、ツヴァイ!」
ツヴァイ「お前のレスラーを続ける理由は、今消滅する」
でも、どうして?」
ツヴァイ「理解しなくていい。ただあるがままを受け止めろ」
たから「吾妻さ、いいえ、ツヴァイ!」
ツヴァイ「お前のレスラーを続ける理由は、今消滅する」
――ストライクモード
ツヴァイの放った光の玉は、二人の間を通過した。
旅人は危機を感じてその場を離れ、たからもまた飛来した危険を察知してその場から去っていく。
出会うはずの瞬間は、今、消滅した。
旅人は危機を感じてその場を離れ、たからもまた飛来した危険を察知してその場から去っていく。
出会うはずの瞬間は、今、消滅した。
ツヴァイ「分岐点。インタラプトの修正完了」
たから「なに、を…うっ!?」
ツヴァイ「お前の始まりのルートはすでに消去済みだ。あとはそれに続く道を消せば良い」
たから「ふざけ…ないで! 私は思い出に生きてるんじゃない…今を生きている。あの人だけじゃない。エヴァさんや、ネロさんや、超獣や武藤や大阪さん、皆といるこの時間が、私にとっては大切なもの。例え過去を忘れたからと言って、今の時間を奪わせはしないわ!」
ツヴァイ「…!」
たから「なに、を…うっ!?」
ツヴァイ「お前の始まりのルートはすでに消去済みだ。あとはそれに続く道を消せば良い」
たから「ふざけ…ないで! 私は思い出に生きてるんじゃない…今を生きている。あの人だけじゃない。エヴァさんや、ネロさんや、超獣や武藤や大阪さん、皆といるこの時間が、私にとっては大切なもの。例え過去を忘れたからと言って、今の時間を奪わせはしないわ!」
ツヴァイ「…!」
としあき議員1「これは…」
トシアキ議長「…冴木たからは歴史の分岐点(インタラプト)の修正によっても変化しない。
言わば、“特異点”という事だ」
としあきB「だが、他の“特異点”は修正することが出来たはずだ。なぜだ?」
トシアキ議長「ふむ、面白いじゃないか。監視を続けよう」
トシアキ議長「…冴木たからは歴史の分岐点(インタラプト)の修正によっても変化しない。
言わば、“特異点”という事だ」
としあきB「だが、他の“特異点”は修正することが出来たはずだ。なぜだ?」
トシアキ議長「ふむ、面白いじゃないか。監視を続けよう」
ツヴァイ「…Yes、ではそのように」
たから「…何をする気、かしら…?」
ツヴァイ「場所を変えよう」
――ムーブモード
たから「…何をする気、かしら…?」
ツヴァイ「場所を変えよう」
――ムーブモード
再びボールが放り投げられ、二人は光に包まれて消えた。
――フィールドメイクモード
たから「…ここは、一体」
ツヴァイ「実に良い場所だ」指パッチン
竜馬「…」
ミザリー「…」
號「…」
隼人「…」
ボヒョー「…」
としあきα×4「」
たから「あなた達まで…一体何があったというの?」
ツヴァイ「俺達は『時間』に介入されることを許されたルートエージェント。
レスラーという存在がこの虹裏から消滅するルートを作るのが我々の使命」
たから「一体あなた達に何が…」
ツヴァイ「お前を、消す」
たから「…ここは、一体」
ツヴァイ「実に良い場所だ」指パッチン
竜馬「…」
ミザリー「…」
號「…」
隼人「…」
ボヒョー「…」
としあきα×4「」
たから「あなた達まで…一体何があったというの?」
ツヴァイ「俺達は『時間』に介入されることを許されたルートエージェント。
レスラーという存在がこの虹裏から消滅するルートを作るのが我々の使命」
たから「一体あなた達に何が…」
ツヴァイ「お前を、消す」
11人の猛者達がたからを取り囲む。
逃げ場も無く、戦う手段もないたからは焦りを隠せない。
逃げ場も無く、戦う手段もないたからは焦りを隠せない。
たから(ヘンデルとグレーテルがいない今、何の対抗手段も無いわ…どうすれば…)
竜馬「オラ、行くぜ!」
隼人「くたばれぇぇ!」
ミザリー「はっ!」
ギース「ここらで一杯熱いお茶が怖い」
としあきα×4「俺、攻撃するぞ俺」
竜馬「オラ、行くぜ!」
隼人「くたばれぇぇ!」
ミザリー「はっ!」
ギース「ここらで一杯熱いお茶が怖い」
としあきα×4「俺、攻撃するぞ俺」
11人の容赦ない攻撃に、何の攻撃手段も持たないたからは追い詰められ、傷ついていく。
ツヴァイ「さぁどう感じる?」
たから「くっ…」
ツヴァイ「かつての仲間から攻撃される。痛い、辛い、逃げ出したい、苦痛、邪悪、不必要…」
たから「黙り…なさい…な」
ツヴァイ「そう。レスラーは不必要」
たから「……」
ツヴァイ「終わりにする」
たから「くっ…」
ツヴァイ「かつての仲間から攻撃される。痛い、辛い、逃げ出したい、苦痛、邪悪、不必要…」
たから「黙り…なさい…な」
ツヴァイ「そう。レスラーは不必要」
たから「……」
ツヴァイ「終わりにする」
最期の一撃、とばかり放たれた光の玉はしかし、彼女に届くことはなかった。
光の玉を弾き飛ばしたのは、紅のドレスを身にまとった少女だった。
光の玉を弾き飛ばしたのは、紅のドレスを身にまとった少女だった。
???「レスラーは必要、だろ? これはあんたの言葉さ、たからさん」
ツヴァイ「何者だ」
真紅「俺は薔薇乙女第5ドール、真紅。ディープレッドでも辛苦でも星刻でも好きに呼んでくれ。
たからさんと同じく、レスラーを必要としてる者さ」
たから「あなたは一体…?」
真紅「細かい説明はめんどいんで後にしてくれ。立てるか?」
たから「え、ええ」
真紅「おい、ツヴァイだっけ? 11対1って卑怯じゃねーのか?」
ツヴァイ「それがどうした」
真紅「なら、こっちも人数増やさせてもらうぜ」指パッチン
第1ドール「…」
第2ドール「…」
第3ドール「…」
第4ドール「…」
第5ドール「…」
第7ドール紫「…」
第7ドール白「…」
たから「あら、あなた達は…」
真紅「ああ、言っとくけどそれ本人じゃねぇから。化身の一種なんで」
たから「化身?」
真紅「あー、そこから説明しないとダメか。化身ってーのは…」
たから「いえ、化身なら何度か見た事あるわ」
真紅「あ、そう? じゃあこいつらはデュプリ・ドールって言ってだな。
化身の力を分散させて戦わせる、いわば代行戦士だ」
ツヴァイ「御託はそこまでにしろ。始めるぞ」
真紅「ちっ、気の短い奴! たからさん、行くぜ」
たから「え、ええ」
ツヴァイ「何者だ」
真紅「俺は薔薇乙女第5ドール、真紅。ディープレッドでも辛苦でも星刻でも好きに呼んでくれ。
たからさんと同じく、レスラーを必要としてる者さ」
たから「あなたは一体…?」
真紅「細かい説明はめんどいんで後にしてくれ。立てるか?」
たから「え、ええ」
真紅「おい、ツヴァイだっけ? 11対1って卑怯じゃねーのか?」
ツヴァイ「それがどうした」
真紅「なら、こっちも人数増やさせてもらうぜ」指パッチン
第1ドール「…」
第2ドール「…」
第3ドール「…」
第4ドール「…」
第5ドール「…」
第7ドール紫「…」
第7ドール白「…」
たから「あら、あなた達は…」
真紅「ああ、言っとくけどそれ本人じゃねぇから。化身の一種なんで」
たから「化身?」
真紅「あー、そこから説明しないとダメか。化身ってーのは…」
たから「いえ、化身なら何度か見た事あるわ」
真紅「あ、そう? じゃあこいつらはデュプリ・ドールって言ってだな。
化身の力を分散させて戦わせる、いわば代行戦士だ」
ツヴァイ「御託はそこまでにしろ。始めるぞ」
真紅「ちっ、気の短い奴! たからさん、行くぜ」
たから「え、ええ」