第二話 魔神覚醒
真紅「バウンサーラビット!」
真紅の放った光は、兎のように地面を飛び跳ね、ボヒョーへと襲った。
ボヒョー「防御コマンド01」ドーンシャウト
ボヒョーの両手が輝き始める。
彼がその手で地面を叩くと、彼の周囲に大きな風が生まれた。
砂埃を上げて舞い上がる風は、真紅の放った光をも吹き飛ばす。
彼がその手で地面を叩くと、彼の周囲に大きな風が生まれた。
砂埃を上げて舞い上がる風は、真紅の放った光をも吹き飛ばす。
真紅「そう簡単にはいかねぇか!」
たから「すごい…なんて素早い動きが出来なの」
ツヴァイ「小賢しい真似を!」
真紅「行かせねぇよ! お前ら!」
第三ドール&第四ドール&第二ドール『フタクタルハウス!』
たから「すごい…なんて素早い動きが出来なの」
ツヴァイ「小賢しい真似を!」
真紅「行かせねぇよ! お前ら!」
第三ドール&第四ドール&第二ドール『フタクタルハウス!』
突如出現した謎の黒い屋敷。
しかしそれはすぐに吹き飛び、ツヴァイは天高く舞い上がる。
しかしそれはすぐに吹き飛び、ツヴァイは天高く舞い上がる。
ツヴァイ「攻撃コマンド01!」スピニングトランザム
回転する風の塊が、デュプリ・ドールを吹き飛ばしていく。
最後の一人、第7ドール白まできた時、彼女は動いた。
最後の一人、第7ドール白まできた時、彼女は動いた。
第7ドール白「エクセレントブレス!」
大きく息を吸い込んだ、かと思うと一気に口から解き放つ。
祝福を受けた聖なる吐息は、ツヴァイの風の塊を飲み込んでかき消した。
祝福を受けた聖なる吐息は、ツヴァイの風の塊を飲み込んでかき消した。
ツヴァイ「…やるな」
真紅「たりめーよ!」
ツヴァイ「ならば…こちらも本気で迎え撃つだけだ」
たから「今までは本気じゃなかったですって?」
ツヴァイ「天空の支配者、鳳凰!」
真紅&たから「!?」
真紅「たりめーよ!」
ツヴァイ「ならば…こちらも本気で迎え撃つだけだ」
たから「今までは本気じゃなかったですって?」
ツヴァイ「天空の支配者、鳳凰!」
真紅&たから「!?」
ツヴァイの背中に、炎を思わせる四枚の翼をもった、白い衣に身を包む赤い肌の巨人が出現する。
たから「吾妻さんが化身使いだったなんて…」
真紅「驚いてる場合じゃねぇぞ!」
ツヴァイ(化身)「攻撃コマンドK01」ホウオウレッカ
真紅「驚いてる場合じゃねぇぞ!」
ツヴァイ(化身)「攻撃コマンドK01」ホウオウレッカ
両脚に炎を纏わせ、ツヴァイは走り出す。
空を文字通り駆け上り、ツヴァイは全身を回転させて炎を蹴り飛ばした。
炎は火の鳥の形となって、真紅達に襲い掛かる。
空を文字通り駆け上り、ツヴァイは全身を回転させて炎を蹴り飛ばした。
炎は火の鳥の形となって、真紅達に襲い掛かる。
真紅「くっそ!」
しかし真紅達の防御空しく、火の鳥は彼女達の足元に着弾した。
羽が舞い散るように、炎はいくつもの火に分かれて彼女達に襲い掛かった。
羽が舞い散るように、炎はいくつもの火に分かれて彼女達に襲い掛かった。
真紅「ぐえぇー!」
たから「っ…!」
真紅「俺達を痛めつけるためだけの攻撃か…」
たから「化身…相変わらず、すさまじいわね」
真紅「こっちも化身で対抗だ! たからさんよろしく!」
たから「私…出来ないわよ?」
真紅「えっ」
たから「えっ」
真紅「Really?」
たから「Yes」
真紅「ツヴァイみてーな返答してんじゃねーよ!」
たから「だってあなたが英語で問いかけるから…私、化身使いじゃないもの」
真紅「いやいやいや、出来るって。人間やれば出来るって。何とかなる、何とかなるさ!」
たから「無理なものは無理よ」
真紅「…化身とは、強い想いが形となって現れたもの。俺はたからさんなら出来るって信じてる」
たから「そんな急に言われても…」
ツヴァイ「何をごちゃごちゃと」
真紅「うぉアブねっ! こういうときは攻撃しないのがお約束だろ!」
ツヴァイ「知った事か」
たから「強い想い…ね」
たから「っ…!」
真紅「俺達を痛めつけるためだけの攻撃か…」
たから「化身…相変わらず、すさまじいわね」
真紅「こっちも化身で対抗だ! たからさんよろしく!」
たから「私…出来ないわよ?」
真紅「えっ」
たから「えっ」
真紅「Really?」
たから「Yes」
真紅「ツヴァイみてーな返答してんじゃねーよ!」
たから「だってあなたが英語で問いかけるから…私、化身使いじゃないもの」
真紅「いやいやいや、出来るって。人間やれば出来るって。何とかなる、何とかなるさ!」
たから「無理なものは無理よ」
真紅「…化身とは、強い想いが形となって現れたもの。俺はたからさんなら出来るって信じてる」
たから「そんな急に言われても…」
ツヴァイ「何をごちゃごちゃと」
真紅「うぉアブねっ! こういうときは攻撃しないのがお約束だろ!」
ツヴァイ「知った事か」
たから「強い想い…ね」
奪われた思い出。
未だ何が起こっているか掴めなかったが、これだけは言える。
彼に負ければ本当に何もかも失ってしまうだろう。
未だ何が起こっているか掴めなかったが、これだけは言える。
彼に負ければ本当に何もかも失ってしまうだろう。
たから「…させない」
重要なのは過去ではない。
今、そして未来だ。
今、そして未来だ。
たから「あなた達に決して、私の未来を奪わせはしない!」
ツヴァイ「何?」
たから「目覚めさない、我が化身! 魔神、ペガサスアーク!」
ツヴァイ「何?」
たから「目覚めさない、我が化身! 魔神、ペガサスアーク!」
たからの背中に出現したのは、白い翼をまとった巨人であった。
その姿はまさしくペガサスを思わせる神々しさで、白い光を放っている。
その姿はまさしくペガサスを思わせる神々しさで、白い光を放っている。
真紅「流石たからんは違うなぁ」
たから(化身)「そこ、茶化さない。行くわよ、ツヴァイ!」
たから(化身)「そこ、茶化さない。行くわよ、ツヴァイ!」
飛び上がり、魔神の手に乗ってたからは空中を駆け抜ける。
天高く舞い上がったたからは魔神の翼に合わせて、両手を広げた。
天高く舞い上がったたからは魔神の翼に合わせて、両手を広げた。
たから(化身)「ジャスティスウィング!」
ペガサスの翼は正義の光。
心を弄ぶ奴等を許さない、闇を打ち砕く絶対正義の羽ばたきだ。
心を弄ぶ奴等を許さない、闇を打ち砕く絶対正義の羽ばたきだ。
ツヴァイ「…!」
ツヴァイ達は確かに正義の鉄槌を受け、ダメージを負った。
だが、平然とした顔である。
だが、平然とした顔である。
たから(化身)「まだ、足りないというの…?」
ツヴァイ「No。この程度のダメージは想定内」
真紅「澄ました顔しやがって!」
ツヴァイ「アームド!」
ツヴァイ「No。この程度のダメージは想定内」
真紅「澄ました顔しやがって!」
ツヴァイ「アームド!」
鳳凰はの翼は二度羽ばたく。
再び光となった鳳凰はツヴァイの体にまとわりつき、その姿を変えていく。
やがてそこには美しき鎧をまとったツヴァイの姿があった。
再び光となった鳳凰はツヴァイの体にまとわりつき、その姿を変えていく。
やがてそこには美しき鎧をまとったツヴァイの姿があった。
たから(化身)「化身を…まとった!?」
真紅「あれは化身アームド! まずい、たからさん!」
ツヴァイ(アームド)「遅い」
真紅「あれは化身アームド! まずい、たからさん!」
ツヴァイ(アームド)「遅い」
化身をまとったツヴァイと、化身を覚醒したばかりのたからの力の差は歴然たるものであった。
圧倒的なパワーの前にたからは吹き飛ばされ、化身が消えてしまう。
ツヴァイの攻撃の前に、誰もが手を出せずにいた。
圧倒的なパワーの前にたからは吹き飛ばされ、化身が消えてしまう。
ツヴァイの攻撃の前に、誰もが手を出せずにいた。
真紅「くっ、デュプリ七体はさすがにきついぜ…」
たから「大丈夫?」
真紅「何とか…な。そろそろ時間だ」
たから「え?」
たから「大丈夫?」
真紅「何とか…な。そろそろ時間だ」
たから「え?」
突如、たからの頭上で線路が降りてきた。
汽笛を鳴らしながら、空間にぽかりと穴が開く。そこから出てきたのは、青い電車だった。
汽笛を鳴らしながら、空間にぽかりと穴が開く。そこから出てきたのは、青い電車だった。
たから「で、電車!?」
???「デンライナー、時を超えて今ドア開きま~す」
???「デンライナー、時を超えて今ドア開きま~す」
電車はたから達の前で止まった。
扉が開かれ、そこから顔を出したのは…一体の熊の、ぬいぐるみだった。
扉が開かれ、そこから顔を出したのは…一体の熊の、ぬいぐるみだった。
???「グッモーニン、おはようさん! たからさん」
たから「ええっと…喋る熊に知り合いはいないのだけれど」
???「おや、見覚えがない?」
たから「…まさか、メロンさんの熊?」
???「正解(エクサタ)!」
たから「…中の人?」
メロン?「中の人などいない! 今の私は、そう! メロン=ワンダバットじゃよ」
たから「ああ、間違いないわ。メロンさんね」
メロン(熊)「ひどい!?」
真紅「コントは良いからさっさと本題入れよ、メロ公」
メロン(熊)「おお、そうじゃった。たからさんとクロさんの歴史は元通りにしておいたよ」
たから「…そう。ありがとう」
真紅「歴史の改変は安定するまで時間掛かるからな。変えられたすぐであればあるほど、修正しやすいんだ」
たから「もう何が来ても驚かないわ」
真紅「で、メロン。アレは持ってきただろーな?」
メロン(熊)「ばっちり!」
たから「ええっと…喋る熊に知り合いはいないのだけれど」
???「おや、見覚えがない?」
たから「…まさか、メロンさんの熊?」
???「正解(エクサタ)!」
たから「…中の人?」
メロン?「中の人などいない! 今の私は、そう! メロン=ワンダバットじゃよ」
たから「ああ、間違いないわ。メロンさんね」
メロン(熊)「ひどい!?」
真紅「コントは良いからさっさと本題入れよ、メロ公」
メロン(熊)「おお、そうじゃった。たからさんとクロさんの歴史は元通りにしておいたよ」
たから「…そう。ありがとう」
真紅「歴史の改変は安定するまで時間掛かるからな。変えられたすぐであればあるほど、修正しやすいんだ」
たから「もう何が来ても驚かないわ」
真紅「で、メロン。アレは持ってきただろーな?」
メロン(熊)「ばっちり!」
メロンと名乗った熊のぬいぐるみが取り出したのは、赤と白の銃だった。
+と-のマークが描かれた、まるでおもちゃの銃である。
-側の銃のトリガーを引くと、中から光と共に恐竜が出現した。
+と-のマークが描かれた、まるでおもちゃの銃である。
-側の銃のトリガーを引くと、中から光と共に恐竜が出現した。
たから「恐竜…の、映像?」
メロン(熊)「辛苦さん、行くよ!」
真紅「おう!」
メロン(熊)「辛苦さん、行くよ!」
真紅「おう!」
+側の銃を、真紅目掛けて思い切り引き金を引いた。
真紅「うぉぉぉぉ!」
-から+へ。
恐竜のオーラが真紅へと受け渡され、彼女はその姿を変えていく。
恐竜のオーラが真紅へと受け渡され、彼女はその姿を変えていく。
メロン(熊)「ミキシマックス、コンプリート!」
ピンク色の尖った髪に、赤い瞳。
恐竜ティラノサウルスの力を得た、浅黒い肌の真紅が堂々と降臨する。
恐竜ティラノサウルスの力を得た、浅黒い肌の真紅が堂々と降臨する。
たから「…前言撤回。吃驚だわ」
真紅(ティラノ)「俺の力と、最強の恐竜ティラノサウルスの力を融合させたのさ。これで奴の化身アームドにも対抗出来るぜ!」
真紅(ティラノ)「俺の力と、最強の恐竜ティラノサウルスの力を融合させたのさ。これで奴の化身アームドにも対抗出来るぜ!」
真紅はプロトコル・ファントムに向かってその両手を振るった。
まるで恐竜が爪を突き立てるがごとく、プロトコル・ファントムは傷を負いながら吹き飛ばされる。
まるで恐竜が爪を突き立てるがごとく、プロトコル・ファントムは傷を負いながら吹き飛ばされる。
ツヴァイ(アームド)「行かせない」
真紅(ティラノ)「へっ、今の俺に勝てるかよ! ティラノサウルスの力、存分に味わいな!」
真紅(ティラノ)「へっ、今の俺に勝てるかよ! ティラノサウルスの力、存分に味わいな!」
真紅は咆哮する。
獲物を食らう恐竜の様なポーズを取り、腕をクロスさせた。
赤白い光が腕から放たれ、光は無数の牙となって円状に展開し、ツヴァイの体に食らいつく。
獲物を食らう恐竜の様なポーズを取り、腕をクロスさせた。
赤白い光が腕から放たれ、光は無数の牙となって円状に展開し、ツヴァイの体に食らいつく。
真紅(ティラノ)「古代の牙!」
ツヴァイ(アームド)「この程度…はぁぁぁ!」
真紅(ティラノ)「行けぇぇ!」
ツヴァイ(アームド)「この程度…はぁぁぁ!」
真紅(ティラノ)「行けぇぇ!」
攻める力、抗う力。
二つの大きな力はぶつかり合い、まばゆい光を放つ。
やがて牙は砕け、その力の余波は二人を吹き飛ばした。
二つの大きな力はぶつかり合い、まばゆい光を放つ。
やがて牙は砕け、その力の余波は二人を吹き飛ばした。
真紅(ティラノ)「ちぃっ!」
ツヴァイ(アームド)「くっ!」
ツヴァイ(アームド)「くっ!」
再び攻撃を仕掛けようとしたツヴァイだったが、そこで通信機のコールが鳴った。
ツヴァイ(アームド)「こちらツヴァイ…本当ですか?」
トシアキ議長『そうだ。冴木たからの歴史の分岐点が二度修正された事で変えにくくなった。
加えて彼女が時間の流れを認識した事により、より一層強固なものとなった。
一旦ミッションを中止とする』
ツヴァイ「…Yes。ではそのように」
真紅(ティラノ)「おら、どうした!」
ツヴァイ「この戦い、中止とする」シュン
真紅「ちぇ、逃げられたか…」
たから「…辛苦さん、メロンさん。教えてもらうわよ。今何が起きて、何が起ころうとしてるのか」
真紅「あいよ」
トシアキ議長『そうだ。冴木たからの歴史の分岐点が二度修正された事で変えにくくなった。
加えて彼女が時間の流れを認識した事により、より一層強固なものとなった。
一旦ミッションを中止とする』
ツヴァイ「…Yes。ではそのように」
真紅(ティラノ)「おら、どうした!」
ツヴァイ「この戦い、中止とする」シュン
真紅「ちぇ、逃げられたか…」
たから「…辛苦さん、メロンさん。教えてもらうわよ。今何が起きて、何が起ころうとしてるのか」
真紅「あいよ」