04 光と闇の化身アームド - 画像レスラー@ ウィキ(跡地)

第四話　光と闇の化身アームド

ミストバーン「魔王ミストバーン、降臨！」ﾊﾞｰﾝ
たから「まさか…ミストさん？」
ミストバーン「半分当たりで、半分外れです」
たから「おかしいわね。私の知るミストさんはもっと可愛い蕪な人だったはずだけれど」
ミストバーン「説明は後にしましょう。今は…」ﾁﾗｯ
ツヴァイ「…Yes。何者か判明した。お前は虹裏農場のインタラプトで修正されたエラー」
ボヒョー「エラーは即刻修正されるべきです」
ミストバーン「さて、それはどうでしょう。私、こう見えても強いんですよ？」
メロン「こう見てもっつーか、もうラスボスの風格だよね」
真紅「自分で魔王って言っちゃうオトコのヒトって…」
たから「…まぁ良いわ。なんにせよ、知った人が来てくれたのは心強いわ」
ミストバーン「さぁ、行きますよ」

　ミストバーンが仰々しく構えると、その両手に強大な炎が宿った。

ミストバーン「カイザーフェニックス１号！」

　ミストバーンの放った巨大な炎は、永久に羽ばたく不死鳥のように姿を変え、ＰＰのメンバーを吹き飛ばす。
　傷を負った彼らに追い打ちをかけるべく、ミストバーンは素早く間合いを詰め、その鍛え上げられた筋肉をいかんなく発揮して彼らをちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返す。
　一騎当千の勢いだ。

たから「強い！　私の知るミストさんとは似ても似つかないけれど…」
竜馬「調子に乗るんじゃねぇぇぇ！　出て来い、俺の化身！　反逆のブラックゲッター！」

　竜馬の背中に、黒くいかつい機械の化身が出現する。

ミストバーン「ならばこちらも！　魔戦士、ペンドラゴン！」

　ミストバーンの背中に、剣と翼をを持った漆黒の剣士が出現する。

竜馬（化身）「うぉぉぉ！　戦闘コマンドＫ02！」ｹﾞｯﾀｰｽﾊﾟｲｸﾌﾞﾚｰﾄﾞ
ミストバーン（化身）「カラミティエンド！」

　ブラックゲッターの腕の刃と、ペンドラゴンの剣がぶつかり合い、激しく火花を散らした。
　ペンドラゴンの漆黒の剣は赤く禍々しく光を放ち、腕の刃ごとブラックゲッターを切断する。

竜馬「うぉぉぉおおおお！？」
ツヴァイ「天空の支配者、鳳凰！　アームド！」
たから「また、化身アームドを…！」
ミストバーン（化身）「大丈夫ですよ。アームド！」

　魔戦士ペンドラゴンは光に包まれて、ミストバーンの体へとまとわりつく。
　光は新たなる姿となって彼（彼女？）を守る鎧となった。

ミストバーン（アームド）「いきます！」

　二つの化身アームドがぶつかり合う。
　強烈なエネルギーの迸りに、誰もが近づけないでいた。

たから「これが化身アームドの戦い…」
隼人「よそ見してんじゃねぇぞ！　来い、陸戦の王者ゲッターライガー！」

　青い機械の化身が、隼人の背中に出現する。
　彼はそのままアームドと叫び、その体に青い光の鎧を身に纏う。

隼人（アームド）「おらぁ！」

　化身アームドの力は凄まじかった。
　たからや真紅、デュプリ・ドール達は為すすべもなく彼の猛攻を受けてどんどん傷を負っていく。

たから「魔神、ペガサスアーク！」

　化身を発動するも、アームドした敵の前では児戯にも等しい。

たから（化身）「このままでは終われない…ここで負けたら、また何もかも失う事になる」
ミストバーン（アームド）「たからさん！　あなたなら出来るはずです！　自分を信じて！」

　もうあんな想いをするのは嫌だ。
　もう奪わせない。守るんだ。
　迷うな！　行くしかない。それ以外に道は無いと、心の中で叫んだ。

たから（化身）「ペガサスアーク…私に力を貸して。
　　　　　　　　…アームド！」

　化身の力を無駄なく、よりパワフルに、スピーディに。
　想いも力もその全てを凝縮させる。
　それが、化身アームド！

たから（アームド）「出来た…！」

　光となった化身はたからに新たなる力を与えた。
　輝く白い鎧を纏ったたからは、隼人のアームドを上回る。

真紅「やったな、たからさん！」
たから（アームド）「行くわよ！　パトリオットミサイル！」

　翔び上がったたからは再びミサイルのような飛び蹴りを放った。
　先程見せた技の何倍もの威力が、隼人へと襲い掛かる。

隼人（アームド）「ぐぇぇぇ！？」

　かくて隼人の化身アームドは解除され、そのまま気絶してしまった。

あんぱん娘「何だか分らんが、とにかく良し！」
ミストバーン（アームド）「たからさん、一気に決めましょう！」
たから（アームド）「ええ」

　たからとミストバーンは共に並び合うと、それぞれの力を二人の間に集めた。
　光と闇の力が融合し、高め合って大きな力に変わっていく。
　そのまま二人は天高く飛翔し、さらなる力を両足に込めて、その力を解き放つ！

たから（アームド）＆ミストバーン（アームド）『グレートブラスター！』

　力は光と闇が交差する、巨大な矢となって解き放たれた。
　矢は天空を切り裂き、ツヴァイを始めとしたすべてのＰＰのメンバーを貫く。
　防御技は二つの力の前には全く意味をなさず、彼らは吹き飛ばされた。。

たから「ふぅ…存外、疲れるものね」
ミストバーン「でもすごいですよ。化身に目覚めたばかりなのにあんなに力を発揮できるなんて」
あんぱん娘「うむ。二人共凄いな」
ツヴァイ「くっ…」
トシアキ議長『もう良い、ツヴァイ。この度の歴史改変は失敗とみなす。戻ってこい』
ツヴァイ「…Yes。撤退する」

　突如出現したUFOに、彼らは吸い込まれていく。
　そうして全員を収容した後、光の速さで消え去った。

あんぱん娘「なんだったんだ、あれは…」
たから「…そろそろ正直に話した方が良さそうね」
ミストバーン「そうですね。私の事もお話ししましょう」

　四人と一体は近くにあったベンチに座り、それぞれの事を話し始めた。

あんぱん娘「マジか」
真紅「マジだ」
たから「マジのマジよ、お母様」
由乃「うーん、超展開過ぎて頭が追いつきません」
ミストバーン「さて、それでは私の話をしましょうか。たからさん、あなたの知る超可愛いミストさんは虹裏農場を経営してましたね？」
たから「ええ。あなたの農場で作られる野菜はとても評判が良いわ。特に、蕪は」
ミストバーン「そう、本来の歴史はそうだった。しかし…私の農場は完成を前に彼らに、プロトコル・ファントムによって焼失してしまいました」
たから「そんなことが…」
ミストバーン「一時は私も絶望しました。ですが、こんなことを引き起こした彼らが許せず、復讐を誓ってこうして鍛え直したのです」ﾑｷｯ
真紅「ずいぶんと…鍛え直したな…」
ミストバーン「いろいろな方から師事を仰ぎ、いろいろな闘法を学び、それを極めましたからね。ただ…」
あんぱん娘「ただ？」
ミストバーン「ネロさんです。彼女は私がそうしている間、ずっと畑を耕してくれていました。探偵の仕事を捨て、復讐に我を忘れた私のために、ずっと、たった独りで…」
たから「ネロさんが…」
ミストバーン「ですから、ネロさんのためにも、私は私の異なった歴史を修正しなくちゃなりません。そのためにここに来ました」ｷﾗｯ
メロン「そ、そのブレスレットはタイムブレスレット！」
あんぱん娘「え、クロノチェンジャー？」
たから「お母様は少し黙ってて」
あんぱん娘「はい…」
メロン「時間移動が可能で、なおかつタイムパラドクスの影響を受けないブレスレットじゃよ。ミストさん、どこでそれを…」
ミストバーン「ある日、復讐に燃える私の前にある人が現れ、これを授けてくれたんです。名前は名乗ってくれませんでしたが、自分はレスラーを愛し、支援するものと言ってました」
メロン「ぐぬぬ…一体何者？」
あんぱん娘「誰でも良いけどさ、そんなに長くレスラーが続いてるってうれしいよな」
由乃「そうですね」
たから「あなたの存在は、後のレスラーにとって大きな影響を与える。私も、その一人よ」
あんぱん娘「たから…そっか。ありがとう」
たから「いいえ、礼を言うのはこちらの方よ、お母様」
メロン「さぁてそろそろ現代に戻ろう。あんさんを守ったことで、皆元通りになってるはず」
真紅「ミストバーンのパラドクスはどうなってるか不安だけどな…とりあえず戻ってみようぜ」
あんぱん娘「もう…行くのか？」
たから「ええ。大丈夫、またきっとすぐ会えるわ」
あんぱん娘「ああ…じゃあ、またな、娘」
たから「！　ええ！」
メロン「それでは現代へ、クライマックスジャーンプ！」

トシアキ議長「…ツヴァイ。プロトコル・ファントムにしてはあまりにもお粗末な展開だな」
ツヴァイ「申し訳ありません」
トシアキ議長「無能は罪である。失態がもう一度続けば、また『再教育』を受けることとなる。わかっているな？」
ツヴァイ「…Yes.マスター」

　虹裏喫茶前にて。

たから「ちょっと緊張するわね…」
真紅「大丈夫だって。ちゃーんとインタラプトは修正したんだぜ」
ミストバーン「何事も確かめてみないと分からにものですよ♪」
たから「今のあなたが言うと説得力あるわね…」
大阪「あ、おかーさん」
たから「お、大阪…さん？」
大阪「ほえ？　どないしんたん？　あ、おかーさんの知り合いですか？」
真紅「たからさんの友達で、俺は真紅。今日は虹裏喫茶の見学に来たんだ」
大阪「ほえーよろしく。わたしは春日歩、皆うちの事大阪って呼んでくれてる～」
真紅「おう、よろしく大阪」
大阪「おかーさん、早く行こ～。皆待ってるえ～」
たから「皆…ね」

　店内に入ると、そこには見知った顔があった。

エヴァ「冴木殿、今日は遅かったな」
超太郎「待ちくたびれたぜ。勝手にジュース飲ませてもらってるよ」
夕映「たからさんが遅刻とは珍しいです」
まとい「ご無沙汰しております。常月まといです」

　そこにはいつもと変わらぬ面々がいた。
　奪われたものが返ってきたことにほっと胸をなでおろすたからであった。

超太郎「あっ、ミストバーン様お疲れ様です！」
ミストバーン「あら」
カズキ「お久しぶりです、ミストバーン様！」
たから「…待って、一体何がどうなったの」
カズキ「なんだい、たからさんは知らなかったのか。この人は俺達に戦闘の手ほどきをしてくださったった真・魔王ミストバーン様だよ」
たから「…ミストさん…あなた何やってたの…」
ミストバーン「てへぺろ(・ω<)」

（続く）