私はゴッサムシティの住民だ。
時折酒場のピアニストとして日銭を稼いでいるが、基本的には路地裏暮らし。
何やら白い猫だのハウスキーパーの少女だのを見ると構えてしまうが、いたって普通の市民だ。
この衆愚の都市でホームレスなんて珍しくもなんともない。
これからも時折働き、時折飲んで渇きを潤し、何事もなく生きていくのだろう。
いや、チガウ。
オレは鬼の末裔だった。
いつか内にある鬼に呑まれてケモノになりゆく存在。
ケモノになった者は同族に始末される……父は自分で処理すらしたくないらしく、化物殺しのバケモノを俺の側に置いた。
オレはそいつの孤高が羨ましくもあった……友人だと、守りたいとも思った。
だけどある日、ついに俺はケモノになって、そいつを殺した。
そしたら父は俺を殺して、妹はバケモノを助けて……バケモノはやっぱりオレから全て奪っていった。地位も、名も、家族も全て。
だから、オレから奪っていったやつは殺してやった。
父も、バケモノも、あの女も。
そしたら……私はバケモノに殺された。
いや、違う。
わたしはパン屋の娘だった。
どこにでもいる普通の娘。
ただ普通に学校に通って、店の手伝いをして、いつか父の店を継ぐつもりだった。
けれどある日、とてもおなかがすいた。
飢えて、渇いて、貪りたくてたまらなくて、でもそれはいけないことで。
ガマンして我慢してがまんしてガマンしてガマンシテガマンシテガマンシテ
耐え切れなくなって、父の血でわたしはのどを潤した。
そして町のすべてを舐り尽くして、その果てに私はあの女に殺された。
いや、ちがう。
僕は 俺は あたしは ボクは わたしは
我は 妾は 私は 俺は
わしは 余は 僕は おれは 私は
俺は、誰だ…?
私は教会の司祭だった。
永遠を探求する、一廉の魔術師。
それに対する答えとして「転生」を考案、それを実行に移すために白の吸血姫を利用して死徒になった。
数年後、彼女は教会と手を組んで私を滅ぼした。
しかし、そのときにはすでに魂を『転生』出来るように加工する作業を終えていた。
用いたのが、これだ。
それは権力者の象徴。
それは輪廻転生の願い。
再誕を助ける働きもあるとされる、来世のしもべを表す像。
自らの牙で継子を増やすことが重要な死徒にとってその暗示は無碍にできたものではない。
故に、編み上げた「アカシャの蛇」の術式には「再誕」と「下僕」を示す「シャブティ」を用いた。
そうだ、この像はかつて私が永遠を求めた始まりの一部。
私の名は、ミハイル・ロア・バルダムヨォン。
記憶の混乱が収まるとともにシャブティが形を変える。
美しくも恐ろしい女戦士の姿に。
「お前が私のマスターか」
対峙した瞬間、互いに理解する。
互いが人を喰らう鬼/悪魔であることを。
「わたしの名はシレーヌ、ライダーのサーヴァント」
「私の名はロア、鬼の末裔に宿った死徒だ。まずは食事でもしながらゆっくり話そうではないか」
近付きの印に……人を殺し、喰らう。
聖杯を目指し……人を殺し、喰らう。
白の吸血姫/最強の悪魔人間と再び相見え、×したいがため。
【クラス】
ライダー
【真名】
シレーヌ@デビルマン
【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷B+ 魔力C 幸運E 宝具A
【属性】
混沌・中庸
【クラススキル】
騎乗:B++
騎乗の才能。野獣クラスなら乗りこなし、また悪魔に近似するものならば魔獣クラスでも乗りこなす。
なお後述する宝具により乗機と一体化すれば幻想種とて乗りこなす可能性を秘める。
対魔力:A+
現代の魔術はおろか神代の魔術を用いても彼女を傷つけるのはほぼ不可能である。
数百万年以上の長きにわたり積み上げたその神秘は破格のランクを誇る。
【保有スキル】
怪力:B
一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。
使用する事で筋力を1ランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。
戦闘続行:A+
不屈の闘志と頑健な肉体。
瀕死の傷であっても戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けたとしても絶命のその瞬間まで戦い続ける。
戦場の華:B
美貌と勇猛さをもって戦場を駆ける華。同ランクの勇猛も内包する。
シレーヌの戦う姿は、敵味方を問わず意図せずして精神に影響を与える。
味方は力強く後押しされ、敵は畏怖を覚え、敗北したとしても決して辱められることはない。
精神防御で抵抗可能。
【宝具】
『死を纏いし天使より麗しき悪魔、血に濡れて(デーモン・ド・ノワール)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0~2 最大捕捉:5人
デーモン族の戦士であるシレーヌの肉体と超能力そのもの。
口からの火炎放射、細胞から放つ電撃や熱線、翼による飛翔、鋼の如き爪の遠隔操作、変身能力など多彩な力を発揮できる。
人間の姿に変身すればステータスおよび魔力消費を低下させることが可能。
最大の特徴は他の生物、および無生物と合体しその能力や記憶を得る事。サーヴァントや宝具も例外ではない。
両者同意の上での合体や無生物との合体ならば再度の分離も可能。無生物を取り込む際には魔力の糧とすることも可能。
ただし善良で純粋な心を持ち正義を愛する者ならば、合体時にシレーヌに乗っ取られることなく、逆に乗っ取りかえすことができる。
『稲妻の如く早き悪魔、見よその怪力に敵は無し(カイム)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:100人
デーモン族でも1、2を争う怪力を持つ獣型の戦士。
本来なら一個のサーヴァントとなってもおかしくない実力者だが、シレーヌの死後も付き添い続けた逸話と何より彼のシレーヌへの愛情から宝具としてシレーヌの力となる。
宝具にその身を堕としたため本来持ちえた合体能力は失っている。
それでもその圧倒的な身体能力や雷による攻撃力はシレーヌも上回り、優れた乗機として活躍するだろう。
『美しき月よ、醜い血で染まりたくなくばその身を雲に隠せ(アドル・カメ・マレソ・サロイ・セウ・ベアタム・ベールゼブス)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
人間を1人生贄にささげることでデーモンの戦士を独立した存在として召喚する。
召喚可能なのはゲルマ―、アグウェル、ワグレグ、イルーゲ、アリーダといった生前の部下のみ。
実力としてはシレーヌやカイムの足元にも及ばず、サーヴァントとして最低限の戦闘力。
ゲルマ―は水との、アグウェルは鉱物との一体化など便利な能力を持つが他の面々は際立った特徴は再現されていないモブデーモン。
【weapon】
宝具、および超能力に依存
【人物背景】
数百万年前に地上を席巻したデーモン族の戦士の一人。
その中でも最強の女戦士、天使より美しき悪魔など謳われた高名かつ強力なデーモン。
多くの同族と共に氷河期に氷の中に閉じ込められていたが、現代において復活。
一足先に復活していた地獄の野獣の異名をとるデーモン最強の戦士、アモンが人間不動明に乗っ取られたと聞き、魔王ゼノンの命を受けその抹殺に動いた。
アグウェル、ゲルマ―を差し向け二人が敗北した隙を突き殺そうとするが、不動明の仲間の援護により失敗。
デビルマンとなった不動明と真っ向勝負になる。
その戦いにおいて致命傷を負い、ゼノンに助力を求めるとイルーゲなどの部下と共に盟友カイムが現れる。
イルーゲらが足止めをしている間にカイムと合体、カイム・シレーヌと化し圧倒的な力と超能力によりデビルマンをあと一歩まで追い込むがとどめを刺すほんの一歩手前で絶命。
満足しきった美しい笑みを浮かべ立ち往生した。
そのため死後もデビルマンとの決着を求める。その執念は地獄に落ちようともあせることはない。
その根本にあるのはかつての同朋アモンに対する……
【サーヴァントの願い】
もう一度『不動明』と戦い、殺す
【マスター】
ミハイル・ロア・バルダムヨォン@真月譚月姫(漫画)
【マスターとしての願い】
永遠を求める。
【weapon】
『血刀』
遠野四季の「自身の肉体を自在に動かす」という性質を応用し、血液を硬質化・変形させて作る武器。
『ナイフ』
何の変哲もないナイフ。
短刀・七夜と何度も斬り合えるくらいには頑丈。
【能力・技能】
死徒二十七祖番外位『転生無限者』『アカシャの蛇』と謳われる吸血鬼。
魂を転生させているため肉体の能力は器に依存する。
十八代目ロアの器は『混血』の青年、遠野四季。
その能力は『不死』と『共融』。
この『不死』は不死身ではなく、正確には「簡単には死なない体質」。
傷ついた肉体を再生させるのではなく、その部分が欠損しても生きていけるように肉体を作り替える『拒死性肉体』。
さらに四季の混血としての能力の究極とも言える能力に、接触融合呪詛「蝕離」がある。
「蝕離」は他人の肉体を摂取し、自身の肉体に還元する。端的に言えば臓器移植の何でもありバージョン。
現在は完全にロアが肉体を乗っ取っているので四季の人格の影響は極めて薄く、また吸血鬼としての一面が強いため日光も弱点となる。
設定上混血としての能力は使えないらしいのだが、本編においてアルクェイドを血刀で貫くシーンがあるため漫画版を出典とするこのロアは使用可能と解釈したい。
魔術回路は平均的な魔術師と同程度。
カバラ魔術を専門とし、雷属性の魔術攻撃や結界術、MBAAではそれに徒手格闘を加えた戦法をみせた。その魔術知識は魔術協会の王冠に匹敵する。
魔術師としての技能は達人級であり、埋葬機関の代行者や真祖をもってしても破壊困難な『城』の作成も可能とする。
「直死の魔眼・偽」
直死の魔眼に似て非なる「物を生かしている部分(=命)」を視覚情報として捉える魔眼に目覚めている。
当然、生物に対してしか力を発揮しない。代わりに脳への負荷はなく、平然と命の源である「線」を視て、生命力を消すことが出来る。
なお、「生命力を消す」ため、線・点を攻撃してから死ぬまでには若干のタイムラグが存在する。
この間に生命力を回復すると死を免れることができる。
【人物背景】
元聖堂教会の司祭で魔術師。
永遠を探求し、それに対する答えとして「転生」を考案、それを実行に移すために死徒になることを考える。
そこで、吸血衝動が芽生えはじめていたアルクェイド・ブリュンスタッドを利用、彼女に血を吸わせて死徒となった。
後に教会と手を結んだアルクェイドに殺されるがその時にはすでに魂を『転生』出来るように加工する作業を終えており、以後、ロアは幾度も渡って転生を繰り返した。
18代目のロアは遠野家長男・四季に転生。
人格そのものが不安定化する手法ゆえ、18代目ともなれば混在してしまって、初代の人格などほとんど残っていない。
それに加え一目見たアルクェイドの姿に「永遠」を幻視してしまった彼は全てを捨ててまで挑んだ純粋に「永遠」を探求するという事が出来なくなっていた。
そして自らの純粋さを奪い、堕落させたアルクェイドを憎み、転生する度に彼女と相対する時を願い続けた。
実際はその憎しみの正体はアルクェイドへの恋慕であったのだが彼自身は気付かぬまま、その執着を「永遠の希求」と思い込んで、無意識下でアルクェイドと相対することを目的に生きてきた。
そしてアルクェイドと再会し、彼女に魔眼でもって死をもたらした後、真の直死によって自らも命を落とした……その直後の参戦。
言うならば19代目ロアがここにいる。
【方針】
願いを手にするまで何度でも生をやり直す。
願いのために何度でも他者に死をもたらす。
……秘めたる思いを未だ彼らは自覚していない。
最終更新:2015年04月06日 02:24