――Souls of the lost withdrawn from its vessel...




――Let the strength to be granted, so the world might be mended...




――so the world might be mended...





――Souls of the lost withdrawn from its vessel...




――Let the strength to be granted, so the world might be mended...




――so the world might be mended...





ゴッサムは悪徳の都市である
そしてそのなかでも、ここは掃き溜めだった
きらびやかな表通りの隣り合わせ、薄汚れた裏路地。
誰にも見向きもされない薄汚れた浮浪者、下水を寝床とする溝鼠、または如何わしい売人や後ろめたい者たち。
そんな連中くらいしか、居なかった。

―成功―勝利―幸福

そんな言葉とは一切無縁な場所。

「俺も一歩間違えたら……こんな場所でくたばるのか
日陰者として、なんの意味もなく……」

その一角にある貧困層を中心とした居住区。2階の自室からそれを見下ろしながら、青年は静かに呟いた。

男の名は伊藤開司(いとうかいじ)。通称、カイジ。
ただ一点、ギャンブルに強いこと以外は平凡な。否、少し劣った男。
今回のゴッサムの聖杯戦争に召還された『マスター』だ。

この拠点、ボロアパート。
ゴッサムでのカイジの我が家から否が応でも見える風景は、彼の大きく変わる前の過去を思い出ささせた。

借金の保証人になった為にギャンブル船エスポワールに招待されたことを機に、危険なギャンブルの世界に足を踏み入れていくまえのことを……

高校卒業後に上京。定職に就かずしょぼい酒と博奕に明け暮れ、街で見かけた高級車(主にベンツ)を悪戯でパンクさせ、エンブレムを盗むことで憂さを晴らしていた、行き詰まった最低な日々を……ッ!!

意図せずして巡ってきた、聖杯戦争……ッ!!
案外これは、チャンスなのかもしれない……ッ!!

そう、カイジは「当初」そう思っていた
戦争戦争とは一種のギャンブル。単純な勝ち負けだけでは勝負は決まらない

そう、思っていた。

「……でもなぁ」

ちらりと、
カイジは、自分の背後で控える自身のま"手駒"……サーヴァントに視線を向けた。
召喚されたサーヴァントには七つのクラスが存在する。

剣の騎士(セイバー)
槍の騎士(ランサー)
弓の騎士(アーチャー)
騎馬兵(ライダー)
狂戦士(バーサーカー)
魔術師(キャスター)
暗殺者(アサシン)

カイジのサーヴァントはその中でも最優とされる"セイバー"だった。
これは、いい。しかし……


その英霊は、カイジのサーヴァントはみすぼらしかった。
所詮、英霊と称されるほどまでに至った人間とは思えないほどに

美醜でサーヴァントを図るのはどうかと思うが、それでも頼りないと思ってしまうパッとしない顔。

身を守る防具は、使い込まれた革製の単純なものだし、それにしたって、身に付けているのは胴体のみ。

辛うじて盾の体裁を成している粗末な木盾は、英霊の宝具どころか、一般人の素手の攻撃でさえ凌ぎきれるか疑わしい

そしてなにより男が握るひとふりの剣。
丁度刃の中心からへし折れた、切れ味などとうの昔に鈍りきったそれを剣とするなら、それがそのサーヴァントの全てだった

外見だけで判断するのもどうかと思うが、素人であるカイジでも一目でわかるほどの脆弱すぎる武装。

……とても勝ち抜けないんじゃないか

カイジがそう落胆するのも仕方のない事だった。
高望みはするつもりはない。しかし、これはあまりにあんまりだ。



改めて自分の戦力を確認したことで若干落ち込むマスターを、セイバーは静かに見つめていた。

かつてひとつの大国が、老の憂いから狂った王の凶行により滅びた。

まどろみの底から呼び起こされた古の獣が、王を、国を、民を、けして晴れない霧で包み、その魂(ソウル)を奪うためにデーモンが現れた。

殺され、襲われ、ソウルを奪われた民は正気を失い、他者を襲った。


その異変はそれだけでは終わらず、色のない濃霧は、静かに、そして着実に拡散し、広がり始めていた。


あまたの英雄が、力を、名声を求めて霧に向かったが、だれも帰ってこなかった。

人々は、穏やかな滅びの予感に絶望していた。


カイジは知らない
眼前のサーヴァントが、かつて名も無き、底から始まった男が、幾度の豪傑たちにもなし得なかった偉業を成し遂げ、世界を救ったことを。

肉体が滅びようと、魂が削られようと、心が折れかけようと、
搾取される立場であったゆえの渇望が、ひとりの"奴隷"を王へと押し上げたことを。





【クラス】
セイバー

【真名】
なし(敢えていうなら奴隷王)

【ステータス】
筋力C++ 耐久C++ 敏捷C++ 魔力E 幸運E 宝具C

【属性】
混沌・善

【クラス別スキル】

対魔力:C
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:―
セイバーでありながら騎乗スキルは持ち得ていない

【保有スキル】
直感:B
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。

奴隷王:A
セイバーの性質そのもの。己の剣と盾以外のすべての武装を所持できず、装備することができない。ただしこのスキルが発揮されるのはあくまでも"武装"のみなので、それ以外の道具などには適用されない。

【宝具】
「けして折れぬ奴隷の野望(サーヴァント・ソウル)」
ランク:D+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
セイバーの最後まで折れなかった心が宝具まで昇華されたもの
戦闘時、筋力と敏捷をアップさせ、更に直感スキルを1ランク上昇させる。

「折れた直剣(サーヴァント・ソード)」
ランク:E++ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
文字通り中心からへし折れた直剣。
全体に錆び、血肉がこびりついており
切れ味は無いに等しく、リーチも短い。
かつての大国ポーレタリアの奴隷兵のもつ装備であり、あまたのデーモンを葬り去った最弱の剣。
それ単体ではあまりにも脆弱であり、セイバーの不屈の精神があってこそ意味のある代物。

【Weapon】
「奴隷の盾」
奴隷兵の使用する、粗末な木製盾。木屑をまとめただけの代物であり
正直、盾と呼ぶにはかなり心許ない

「黒松脂」
使用すると30秒間、武器に炎を纏わせ攻撃力を底上げする消費アイテム。

「白くべたつくなにか」
所持している武器に約1分間、魔法攻撃力を付与する消費アイテム。

【人物背景】
PS3ソフト「デモンズソウル」の実況プレイ動画シリーズの主人公。
ゲーム中に登場するザコ敵である「奴隷兵」をモチーフとした縛りを以下の通り制定し、プレイするに当たっての【鉄の掟】とした上で、見事それを成し遂げた。

【サーヴァントとしての願い】
詳しい願いはない

【方針】
聖杯をとる
マスターに従う。


【マスター】
伊藤開司@カイジシリーズ

【マスターとしての願い】
聖杯戦争というギャンブルを生き残る

【weapon】
特になし……?

【能力・技能】
平穏な環境では怠惰で自堕落なダメ人間だが、命が懸かった極限の状態に置かれると並外れた度胸と博才を発揮し、思考を積み重ねた果ての論理と、天才的な発想による「勝つべくして勝つ策略」を以って博奕地獄を必死に戦い抜いていく。

【人物背景】
福本伸行の漫画『カイジ』シリーズの主人公。
高校卒業後に上京したが、定職に就かずしょぼい酒と博奕に明け暮れ、街で見かけた高級車(主にベンツ)を悪戯でパンクさせエンブレムを盗むことで憂さを晴らす、行き詰まった最低な日々を過ごしていた青年。友人・古畑の借金の保証人になった為に肩代わりをする羽目となりその返済の為に遠藤にギャンブル船エスポワールに招待されたことを機に、危険なギャンブルの世界に足を踏み入れていく。初登場時(1996年3月)は推定21歳。遠藤の調べでは父親はいないがパート勤めの母親と公務員の姉がいるとされている。
どんな状況であろうと信頼した人間を裏切ることは決してせず、己の利を蹴ってでも救おうとする、良く言えば心優しい、悪く言えば甘い性格である。その為、信頼を寄せた人間に裏切られる経験を何度も繰り返しており、度々苦い思いを味わされている。
数々の死闘を経て、左頬など体の複数の箇所に痛々しい傷跡がつき、ギャンブル中毒になっている一方で、裏世界では多少名を馳せるようになった。また、偶然・必然を問わず、挑む勝負には悉く「帝愛」の存在があり、死闘を重ねる度に切るに切れない縁を痛感している

【方針】
いかにしてこのセイバーで勝ち残るか……





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最終更新:2015年04月06日 02:30