「じゃーねーみんなー」
『バイバーイ!!』

 ゴッサムシティのとある高校。そこに最近とびきりの美少女が転校してきたと近隣で話題になった。
 見た目の愛くるしさは勿論、彼女は心も純粋だった。
 そんな彼女を妬む人間も居たが、基本的には大人気だった。
 だがここはゴッサムシティ、衆愚の街の名の通り大変治安が悪い。だから多くの人間が不安に思っていた。

「ヘヘヘ」
「なかなかいい女じゃねえか、ちょっと幼すぎるかもしれねえけどな」

 こんな風に絡まれるのではないかと。
 だけど大丈夫。何も心配はいらない。

「私に手を出そうというのなら……」

 何故なら彼女は












「肉体言語にて、お相手つかまつる!!」

 魔法の国のプリンセスにして王者の技を極めた者、田中ぷにえなのだから。



◆◆◆



「思い出した……」

 絡んできた男2人を撃退した後、ぷにえは全てを取り戻した。
 自らが魔法の国のプリンセスであったこと、女王になるための試験として1年間地上の世界で暮らしていた事、今までの思い出を。
 そしてぷにえは怒りに身を震わせる、今自分が置かれている立場に。

「よりにもよって殺し合い、しかも私をただの留学生にするなんて」

 ぷにえに植え付けられていた偽りの記憶は、『つい最近日本からやってきた留学生』というもの、魔法の国の王女であり覇王の道を歩む彼女に怒りを覚えさせるには十分だった。
 ちなみに、彼女が記憶を取り戻した理由として『自らが繰り出す関節技の前にプリンセスと付けている』事に違和感を覚えた事が原因である。とことん彼女は王者なのだ。

「それにしても、何かしらこれ?」

 ぷにえが落ちていた小さな彫像―――シャブティを拾おうとした瞬間、いきなりシャブティが光り出した。
 それを見た彼女はとっさに後ろに跳び間合いを取る。
 次の瞬間、シャブティが変化しそこには1人の男が立っていた。
 見た目はツンツンした髪型をした黒髪、夏服を着用し、下にはオレンジのTシャツを着た学生だ。100人中99人は普通の高校生だと思うだろう。
 だがここにいる田中ぷにえは例外の1人だ。彼女は目の前の男を相当の修羅場を潜り抜けてきた存在だと認識する。
 そして同時に理解する、彼こそが私のサーヴァントなのだと。

「あなたが私のサーヴァントね?」

 ぷにえがサーヴァントに話しかけ、サーヴァントは無言でうなづく。
 言葉を介さない事に不信を覚える方も居るだろうが、この場合は致し方ない。
 何故なら彼のクラスはバーサーカー、狂戦士のクラスなのだから。
 そしてそれをぷにえも理解しているため、彼女は顔色を変えない。
 彼女は話し続ける。

「バーサーカー、私はこの聖杯戦争が気に入らないわ。いきなり招待状もなく人を呼び寄せた事が、王女の地位が奪われる可能性を生み出されたことが」

 そこで一拍置き、強く叫ぶ。

「何より、私に殺し合いを命じられることが!」

 ぷにえにとって殺し合いなど日常茶飯事だ。
 妹が、マスコットが、クラスメイトが王女の地位を狙いあらゆる手段で自分を狙ってくるのだから。
 そんな自分に改めて殺し合いを命じられるなど我慢できない。

「だからバーサーカー、私についてきなさい」

 ぷにえは手を伸ばし握手を求め、バーサーカーもまたそれに答える。
 こうして二人の戦いが始まった。

「じゃあ帰りましょうか、今は一人暮らしだからあなたの事を誤魔化す方法も考える必要はないし」



◆◆◆



 バーサーカーは理解していない、自らのマスターがどのような人間であるかを。
 仲間を盾にする、敵に土下座をして懇願する事すら厭わず、目的の為なら手段を択ばない存在だという事を。
 本当にいざとなれば、他の主従を殺して元の世界に帰るという選択肢が常に存在する事を。

 そしてマスターである田中ぷにえも理解していない。
 バーサーカーが出会って1日にも満たない人間の為に命がけで戦える存在だという事を。
 世界中の敵になった少女の為に1人で戦う事が選べる存在だという事を。

 そんなバーサーカーの真名は―――




【クラス】
バーサーカー

【真名】
上条当麻@とある魔術の禁書目録

【パラメーター】
筋力B 耐久A 敏捷C 魔力E 幸運E 宝具EX

【属性】
秩序・狂

【クラススキル】
狂化:C
魔力と幸運を除く全パラメーターを1ランクアップさせるが、
言語能力を失い複雑な思考が出来なくなる。

【保有スキル】
前兆の感知:C
本人の意図しない微弱な動きからこれから行おうとする攻撃を察知するスキル。
ただし、バーサーカー本人もこのスキルを意図して使っているわけではないのでランクが下がっている。

魅了:E
簡単に言えば異性に好かれやすくなるスキル。
今回の聖杯戦争ではバーサーカーとして召喚されたので、最低ランクとなっている。

【宝具】
『幻想殺し(イマジンブレイカー)』
ランク:EX 種別:対異能宝具 レンジ:1 最大補足:1
バーサーカーの右手首より先の部分に宿る宝具。
その効果は触れた異能を打ち消すというシンプルなもの。
ただし、あまりに強力だった場合には打ち消すのではなく受け止めるに留まる事もある。
また、効果に関わらず打ち消すので回復や強化するための物でも打ち消してしまう。

【weapon】
なし

【人物背景】
学園都市に住むレベル0の平凡な高校1年生、というカテゴリの存在。
ただし、人間離れした強靭なメンタルの持ち主でもある。
また、強い正義感の持ち主でありとある人外曰く「誰に教えられなくても、自身の内から湧く感情に従って真っ直ぐに進もうとする者」らしい。

【サーヴァントとしての願い】
聖杯戦争という殺し合いを生むシステムをぶち壊す。


【マスター】
田中ぷにえ@大魔法峠

【マスターとしての願い】
この聖杯戦争の主催者には茶番に付き合わせた報いを受けさせる。

【weapon】
プリセンスロッドと関節技(サブミッション)。
プリンセスロッドは魔法の杖だが、三節棍にもなる。

【能力・技能】
  • 魔法
 彼女は魔法少女なので魔法が使える、使える魔法は多彩。
 が、基本余り使われない。

  • 関節技(サブミッション)
 王者の技、これから逃れられた存在はいない。

【人物背景】
見た目は可愛らしい美少女にして魔法の国のお姫様。
その中身は覇王。
目的の為なら手段を選ばず、更には「正当性は力で掴み取る者」と言い切ったりするタイプの人間。
しかし、自らを暗殺しようとする妹やクラスメイトをお仕置きだけで済ませる様な甘さもある。
だが、ここは殺し合いなので普段のような容赦はないだろう。

【方針】
敵は全て打ち倒す。




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最終更新:2015年04月28日 03:27