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 ――この未来は間違えている。

 収益がまるで合っていない。消費と繁栄の均衡が崩れ、成長期のままで止まってしまっている。
 停滞した精神。袋小路の世界。今まで支払っていたものに相応しい未来に辿り着かぬまま静かに終わり、腐敗して行く。

 今描かれたこんな世界が、完成(終わり)に足る美しい紋様(アートグラフ)と言えるのか?

 迷うことなどない。答えは否だ。

 だが、それならば――今日までに捧げられた犠牲は、何だったのか。
 明日を昨日に変えるための、礎となった先人達。彼らの想いに相応しい世界を築けなければ、人類はただの殺戮者だ。

 故に私は叫ぶ。世界に、人類に、ただ一言。「止まるな」と。
 しかし、そんな言葉だけでは届かない。何も変えられない。見せかけの安息という泥濘(ぬかるみ)に身を委ねた者達は、それだけでは決して足を動かそうとしない。

 だから私は聖杯に願う。彼らが自らの強靭な意志で歩み出すために、必要なものを。

 停滞を破るための――人類全てを巻き込んだ、大戦争を。






◆◆◆◆



 ……我こそは魔王ザミエルである。



 我こそは聖バルバラにして聖フーベルトである。






 人の作りし億千万の鉄血鉄火、その全てを纏いしこの世最後の戦神である。






 ……そして世界の変革に取り残され、既に役目を終えた旧時代の遺物である。

 魔眼の王の行く末を見届け、彼と共にこの世を去るのを待つだけの、ただそこにあるだけの人格である。



 何故か。我が身を望んだニンゲンという種に、もうこれ以上必要とされなくなったからだ。
 人が住む時代は移ろい変わった。世の中が戦争で決められていた時代から、暴力に頼らず、暴力に屈しない時代へ――その、過渡期へと。

 きっと人はこの先も、何度も何度も間違えて、何度も何度もニンゲン同士で争うだろう。傷つけ合い殺し合うだろう。戦争が起き、戦争が終わり、新たな戦争が始まるだろう。

 それでも時計の針は戻らない。特別な何かが世界を動かし、強大な暴力が世界を揺るがす構図は崩れ去り、何の変哲もない大勢の意思が世界を決める。そんなもっと先の時代へと、人の世は既に向かっている。
 これ以上暴力に頼る方向に進んで待つのは闘争ではなく、人の勇気も知性も介在できない、忌むべき作業としての殺戮だけだと直感したから。
 単なる殺戮者で終わらないための教訓として、礎として、進むべき道を決定づけるのに十分なだけの戦争を、既にニンゲンは体験して来たのだから。
 だから袋小路を抜け出して、人という種は次のステップに進むことを選ぶのだ。
 全ては、戦争(あたし)があったから――

 納得はした。だからあたしは英雄に鎮められ、今に至った。
 大好きなニンゲンを信じて、何もせず、ただ見守り黙って消えて行くだけの、神格すら手放した亡霊に。



 ――――それでも。

 この身を編んだヒトの想いを、この本分を尽くせる場所が、まだあるというのなら。

 ニンゲンが次のステップに進むために、まだ戦争が必要だというのなら。あたし達の知らない遠い世界で、あるべき積み重ねが足りずに今も渇望されている場所が残っているのなら。
 そこに馳せ参じるのは、きっと――――英雄(ニンゲン)に対する、裏切りではない。

 ならばあたしは……その呼び声に、応えよう。

 止まった時計の針を、動かすために。






◆◆◆◆



 一発の銃声。それを引き鉄に紛糾する悲鳴と怒号。跳ねる血飛沫、香る硝煙。

 犯罪組織と警察の繰り広げる、銃撃戦。

 暗黒都市と謳われるゴッサムでは、それは日常の一部となって久しい風景だ。
 ただ――その夜の事件は少々、特異だった。

 あまりにも決着が早く、一方で動員された人数に対し、あまりにも犠牲者が多かったのである。
 それも――第三者を巻き込むことなく、激突した組織の構成員と警察官からのみ死者が出た。

 そして、何より特筆すべき奇妙なことは――――死亡者と消費された弾薬の総数が、ピタリと合致していたことであっただろう。



◆◆◆◆



「……あれが、君の加護か」
 夜街を歩いていた最中、そんな銃撃戦が偶然視界に収まるところで始まって、すぐに終わったのを目撃した白衣の男は、傍らの欧州系の女に語りかけた。
「撃てば当たる殲滅戦。随分と過激な聖地だ」
「そうね。狙いやすくて、当たりやすい。それって銃を撃つ者からしたら、悪いことが起き難くなっていると言えるんじゃないかしら」
「成程。外れ易くなる、よりは幸せだろうな。納得したよ。だが……」
 答える自身の心臓が、躍動することもなかった事実を踏まえて、男は眼鏡越しに鉛色の髪をした女を見る。
 鉄十字のペンダントと、頭の上には古めかしいフリッツヘルム。いかついパンツァージャケットに似合わない痩身を包んだ若い女は、誰のモノとも知れない血のニオイと誰のモノとも知れない肉のニオイが充満し、その隙間を硝煙が掻い潜って昇る酸鼻な空間を見て、無邪気な少女のように笑っていた。
 そんな彼女の姿に、あるいはすれ違いの不安を覚えながら、男は問う。

「――これが、君の見たいものだったのか? ガンナー」
「少しだけね、トワイス」
 互いに相手の名を呼びながら、男と女、聖杯戦争に臨むマスターとサーヴァントは、目の前で起こった命の攻防の感想を交わす。

「仕事や義務だからなんて、作業感覚を理由に引かれた引き鉄じゃなかったわ。最初の人は自由に生きたいから、戦おうとして撃った。次の人は死にたくないから撃った。生きるために撃って、撃たれて死んで、生きるためだけに生きようとして撃った。最後はみんながみんな、生きようとしてもがいていた。銃に命を預けて、一発の弾丸に奇跡を願った。
 あれがあたしの見たかったもの。死の瞬間に見える命のきらめき。本当の魂の輝きよ」
 陶然とした表情で、情熱のままにガンナーは語る。
 しかし、それもすぐに下火となった。代わって募った不満を隠す様子もなく、ガンナーは続ける。
「……だけど、早回ししちゃったから。それだけで、すぐに終わってしまったわ。本当はもっと見たかった。もっともっと見たかった。あたしもあなたとおんなじよ、トワイス」
 それからニコリと笑みを浮かべて、ガンナーはトワイスの名を呼んだ。

「あんな小さな争いじゃ物足りないんでしょう? 顔に書いてあるわ」
「そうだね……きっと、そうなんだろう」
 ああ、あんなものでは駄目だ。
 たったあれだけでは、きっとガンナーのチカラなど関わらずとも、成果が出る前に終わってしまう。むしろガンナーが言うような必死さ、死を前にしたきらめきすら、そこには生まれなかったことだろう。
 そんな思考を巡らせるトワイスを見て、ガンナーは朗らかに笑う。

「うん、そう。あたしも殲滅するためのものではない、生存するための戦争が好き。人が生きるために生きる闘争が好き。その知性と勇気を振り絞って、前へと進む熱が大好き」
「そして、その熱で鋼へと鍛えられて行く、脆弱な人間の可能性に魅入られている……か」
「そう! そうよ、その通り」
 上機嫌に笑っていたガンナーは、これ以上近づくと警察の生き残りに目を付けられる、という位置でピタリと立ち止まり。
「……だから正直、この聖杯は気に入らないわ」
 搾り出すように嫌悪を吐き捨てたガンナーは、豊かだった表情を引き締めて、鉄のような冷たい凄みをその美貌に醸し出していた。

「あなたがかつて見つけたみたいに、生きているってことはそれだけで奇跡のように素敵なことよ。でも、それはただ命があるだけで特別なわけじゃない。命なんてものはもっと一般的で、普遍的なものなの。奇跡なんて言えないぐらい、みんな簡単に死ぬものなの。価値も意義も、そんな重さに関係なくあっさり崩れるものなのよ。
 そんなニンゲンの魂を輝かせるのは勇気と知性で、それは命そのものではなくて、生きている自分というパーソナリティにこそあるのよ」

「……それを奪われた命と魂の、残された本能だけの輝きなんかじゃ、君には不服だったということか」
「そうね。確かに本能は大切だけれど、やっぱり勿体無いわ。ニンゲンの命を、本当の人生じゃなくて嘘の物語だけで終わらせるのなんて」
 命の育んだ価値を奪い、代わりに縦割りの殻を被せる聖杯は、どうも彼女のお気に召さないらしい。

「――それでも、必要なんだ」
 月の聖杯とは異なり、ここの聖杯ならトワイスにも手にできる可能性がある。そもそもやり直せるのか、ムーンセルに戻れるのかもわからない現状において、目の前のチャンスをフイにするつもりは毛頭ない。
 とはいえ危機感、と言うほどの焦りはない。このサーヴァントが語るのは、かつて“トワイス・H・ピースマン”が死の際に見出した答えそのものだったからだ。故にトワイスはもう、自分達主従が最終的に道を違える心配などしていない。
 それでも、意思は伝える必要があった。この願望の切実さを、それに応えてやって来た戦女神に再び提示して、足並みだけは常に揃えておく必要が。聖杯戦争においてはどんな油断が命取りになるのか、わからないからだ。
 ガンナーはそんな己のマスターに、ニコリと微笑む。

「わかっているわ。必ずあなたに聖杯を掴ませる。だってあたし、元は戦争の神さまだからね。一肌脱がないわけにはいかないもの」

 彼女の真名はマックルイェーガー・ライネル・ベルフ・スツカ。トワイスが生きたのとは異なる世界で生まれた、銃の精霊。やがて二度の世界大戦を経て、戦神の域へと至ったもの。
 世界の裏側に身を潜めた神々よりも遥かに若く、しかしそれでも時代の推移に追いつけずに信仰を失い、堕ちたカミ。
 最終的には自らの神格をとある一人の英雄に与えたことでその身を貶め、サーヴァントとしての規格に当てはまるようになった今も、彼女はかつて自らに架した責任を手放さない。
 生まれ落ちた世界では役割を終えたことを認めた今も、人類に戦争が必要なのなら――こうして他の世界にまでやって来て、やがて人類に自らが必要なくなるその時まで、尽力しようとしてくれている気高きカミ。
 それがトワイスのサーヴァント、ガンナー。

「ただ、ゴッサムは折角良い感じに銃社会だから本当に勿体無いなって。確かに国家と比べたら不足も良いところだけど、戦争っていうのはそういう大きな集団でやるものなのよ。一人一人の人間がお互いの人生を懸けて、必死になって行うものなの。NPCじゃそのチップが取られちゃってるし……参加するのがどんなに強い英霊と魔術師の集まりでも、たったの数十人でドンパチするんじゃ、陰惨さも卑劣さも、容赦のなさも物足りないわ」
「……それは君がこれまで、当事者ではなかったからだろう」
 このサーヴァントとの相性はすこぶる良い。そのように理解しながらも、ただ一点のズレを埋めるために、トワイスは言葉を贈る。
「君は銃の精霊として、戦争の神として、誰かに肩入れすることはして来なかった。人間を愛し、戦争を愛する君は、戦場の誰もに等しく加護を与えた。それが君の役割だった。
 だが今回は違う。君は英霊の座から来たサーヴァントとして私と契約した。祈りを捧げる誰も彼もに平等であらねばならない神でも精霊でもなく、自らの願いのために戦う一人の兵士として聖杯戦争に加わった」

 そこで一息。区切りを入れたトワイスは、神霊として欠落した結果ガンナーとして現界し得たマックルイェーガーへと、祝福の言葉を用意する。

「初めて、最初から当事者として関わるこの小さな戦争はきっと……戦神(きみ)に、かつてない成長を齎すはずだ」

 少しだけ、ぽかんとした表情。
 ガンナーは、マックルイェーガーは考えたこともなかったのだろう。戦争が人に与える熱を愛し続けていた彼女は、それを見守り育むのが役割で、それを自らに任じ律儀に守り続けて来た彼女には、己が兵士として関わるという発想自体がなかったに違いない。戦の神が人の子の争いで、どちらかの陣営に肩入れして自ら人の子を撃ち殺して回るなど、不公平が過ぎてあってはならないことだっただから。
 しかし、堕ちた今の彼女は英霊であり、その役割はサーヴァントである。
 自ら人の子を撃ち殺して回るだけの理由と権利を持った、一人の兵士なのである。

「……そして、これで終わりではない。これは始まりなんだ。私が願い、君が叶えようと応えてくれた、人類全てのための大戦争の。
 到底満足できないこれはその引き金となる、最初の闘争、小さな紛争だとでも思ってくれれば良い。
 君の愛する確かな自我を持った者達との、この小さくとも本物の戦争のことを」

「うーん……」
 トワイスの訴えを受けて、ガンナーは暫しの間逡巡したが。やがて、頷く。
「……そうね、トワイス。本物のあたしは神さまで、人間が用意した鉄火場に飛び込むのは許されても、自分が火種になるようなことはできなかった。争いのきっかけになる引き鉄に指をかけるのは、銃の神として許されることじゃなかったわ。
 だけど、ここにいるあたしは英霊の座からやって来たサーヴァント。一種の特例とも言うべきアバター。みんなに加護を与えるのではなくて、自分で聖杯を勝ち取りに来た参加者……自分で引き金を引いて良い一人の兵士。こんな形で戦争に関わったのは、確かに初めてね」
 そこでガンナーは、意地の悪い猫の浮かべるような、稚気の中に獰猛さを潜めた笑顔になった。

「なら、このあたしもたっぷりと堪能させて貰おうかしら。勇敢な兵士たちがいつも見ていたもの、感じていた気持ち。絶望と恐怖、屈辱と悲しみを。それを乗り越えた先にある、達成感と高揚感、爽快感と優越感を、この戦場(ゴッサム)で」
 そんな彼女の様子に、トワイスも微笑み返した。
「ああ、それで良い。その神格を欠落したからこそここにいる君が、再び人類に加護を与える神の座に至るまで……君自身が、戦争の中で成長する機会に恵まれた運命を、私は尊ぶ」




 ――さあ、まずはこの街から始めよう。

 人間が人間として、勇気と知性を持って更なる飛躍を遂げるために。



 ……今こそ、戦争を。



 一心不乱の、大戦争を。








【クラス】ガンナー
【真名】マックルイェーガー・ライネル・ベルフ・スツカ
【出典】レイセン
【属性】中立・善
【ステータス】筋力B 耐久D 敏捷C+ 魔力A 幸運B 宝具A++
【クラススキル】
対英雄:C
 ガンナー本人を除く、その戦闘に参加しているサーヴァントの筋力、耐久、敏捷をそれぞれ1ランクダウンさせる。

単独行動:B
 マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。Bランクならば二日間は現界可能。
 但し宝具を使用する場合など、多大な魔力を必要とする行為にはマスターの存在が必要不可欠となる。
 また、霊格に致命的な損傷を受けても短期間ならば生存できる。

【保有スキル】
神性:C
 本来は「銃」へ向けられた人間の想念から生まれた神霊そのものだが、時代の推移によって神格を落とし、更に魔眼王との契約によって大幅なランクダウンを招いている。
 元が完全に想念由来の神霊であるため、加護を与えた人間が銃へ向けた感情を魔力に変換し、自らに供給することができる。

聖地作成:D
 確固とした土着の信仰対象が存在しない土地でのみ発動可能。魔力を散布することで自らを中心とした一定範囲を聖地とし、聖地内の他者に神としての加護を及ぼす。
 銃と戦の神であるガンナーの場合は、銃砲による攻撃の幸運判定に有利な補正が得られる場を形成する。また意識することで特定個人により強い加護を与えることも可能。

千里眼:A+
 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
 また自らの聖地内に踏み入っている銃の所有者の視界も、全て己の物として並列に捉えることができる。

戦闘続行:A+
 決定的な致命傷を受けることがない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
 元が戦神であったガンナーの場合は単独行動と合わせて、魔力か戦意が枯渇しない限り、胸を貫かれても問題なく戦い続けることが可能。


【宝具】

『億千万の鉄血鉄火(インフィニティ・バレット)』
ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:999 最大捕捉:1000人

 銃と戦の神であるガンナー特有の権能が宝具化したもの。
 拳銃も小銃も機関銃も、迫撃砲もガトリング砲も、八十センチ列車(ドーラ)砲も八十八ミリ高射砲(アハトアハト)も、空を埋め尽くしてなお余りあるほどの人の作りしあらゆる銃砲を眷属として従え、レンジ内のあらゆる空間へ瞬時に召喚し使役する。
 これら眷属である銃火器は神秘を帯びてサーヴァントを殺傷せしめ、またガンナーの意志一つで同時にそれぞれが標的を狙い射手が不在でも発砲することができる。
 但し発動の燃費は良いが召喚には当然魔力を消費するため、大規模な展開は多用できない。また強力な眷属ほど召喚や維持にかかる魔力量が大きくなり、希少な銃火器ほど一度に多くを呼び出し難いなどの制約は存在する。

 銃とはあくまで人が一個の命を撃つためのものであり、どんな破壊力と捕捉範囲を誇ろうとも、ガンナーの眷属として召喚される以上は対人宝具に分類される。
 その一線を越えてしまえば、その銃の用途は闘争ではなく殺戮という作業の道具に堕ちてしまうためである。
 これらの制約さえ守っている限りは、この宝具は銃神としての権能が具現化したものとして機能する。そのため神秘として見た宝具ランクは高いものの、種類にもよるが銃弾一発一発の威力とは噛み合っていない。それでも圧倒的な物量ゆえ、最大展開時の総合火力ならばランクの値に見合った圧倒的な破壊力と殲滅力を発揮できる。

 なお、新しく手に取った普通の銃火器類も眷属として宝具に取り込むことができる。また、逆にガンナーの眷属としての神秘を保持したまま、これらの内の一部の支配権を他者に譲渡することも可能である。


【weapon】
『億千万の鉄血鉄火』

【サーヴァントとしての願い】
 また、人が生きるために生きられる素敵な戦争を見たい。そのために必要とされているのなら、戦の神として一肌脱ぐ。

【人物背景】

 銃と戦争の女神。本名は長いので、親しい者からはマックルと呼ばれる。
 銃の精霊として生まれ、世界大戦を経て戦神へと至った存在だったが、時代の推移によって信仰を失い、様々な先進技術を研究する“組織”に精霊工学の被検体として捕らわれる。
“組織”が促す科学技術の進歩により、やがて戦場は殺戮という行為に取って代わられ、生き死にだけの戦争に成り下がってしまう未来を予感したマックルは、戦神として愛する戦争を守るために“組織”の打倒を狙い、協力するフリをして力を蓄えようとするも失敗。その過程で出会った二代目聖魔王にして魔眼王・川村英雄(ヒデオ)に“組織”との戦いを託すために、東京で起こった“組織”の関わるテロの現場を聖地とし、事件を大幅に加速させる。事態の収束のために現れた彼に討たれることで彼を表舞台でも英雄とし、“組織”に対抗できる存在に仕立て上げようとするが、自らが伝えた人間の勇気と知性について逆に説き伏せられ、自らは役割を終えたのだと悟って消滅しようとする。しかし神でも精霊でもなく、ただ友人として消えないで欲しいというヒデオの頼みに心動かされ、彼と契約。役目を終えた自分を世界の存続させる最低限の信仰をヒデオから貰う代わりに、ヒデオへ自身に残されていた神格を譲渡して、二代目聖魔王を囲む精霊達の仲間入りを果たす。

 本来は英霊の範疇には収まらない存在であったが、例えばギリシャ神話の大賢者ケイローンのように他者へ神格を譲渡したことで神性を貶めサーヴァントとしての召喚が可能となっており、自分達の世界と違って人間が前に進むための戦争が足りていないFate/EXTRAの世界に必要な戦争を授けるため、トワイスの下へと召喚された。


【クラス補足:ガンナー】
『銃撃手』のクラス。 弓兵(アーチャー)から派生したエクストラクラス。飛び道具の中でも、銃火器の操作に特化した能力を持つ近代以降の英霊が該当する。
 クラススキルとしては、三騎士から外れたために対魔力を喪失し、代わって銃という「闘争を作業に変え、英雄という概念を戦場から駆逐する要因の原点となったもの」である武器を扱うという性質から対英雄を獲得し、また単独行動も引き続き保持している。
 著名な該当者としては『白い死神』シモ・ヘイヘ、『ホワイト・フェザー』カルロス・ハスコックらの名が挙げられる。




【マスター】トワイス・H・ピースマン
【出典】Fate/EXTRA
【マスターとしての願い】
 全人類規模の戦争を起こすことで人類を成長させる
【weapon】なし
【能力・技能】
 医師としての優れた技能を持つ。
 ムーンセルにいた頃は二つのコードキャストを扱えたが、ゴッサムシティにおいても使用できるかは不明。

【人物背景】

 実在した「トワイス・ピースマン」という人物を模したムーンセルのNPCが、生前の記憶(正確に言えばデータのオリジナルの記憶)を取り戻したイレギュラーな存在。

 彼の元となった「トワイス・ピースマン」は、かつてアムネジアシンドロームという病気の治療法を発見するなど、数々の功績を残した偉人。戦争があれば常に戦火の中に身を投じ、人命救助に尽力した戦争を憎む人物というのが表向きの評価だが、実際の彼は戦争を見るたび憎悪や焦りに襲われ心臓が活発的に躍動する“病気”に苛まれ、正義感でも義務感でもなくその痛みを和らげる為に戦地へ赴いていた。

 自身の戦争に対する常軌を逸した殺意に疑問を抱き続けるが、バイオテロに巻き込まれ死を迎える間際、彼は自分が70年代に起きた民族紛争の戦争孤児であったことを思い出し、疑問への解答として戦争の中で必死に生きようともがく命の強靭さを垣間見たことで「戦争」とそれが生む成果を否定しきれなかったことに思い至る。

 NPCとして自我と記憶を取り戻した彼は、停滞した今の世界に絶望する。戦争は欠落を齎すが、だからこそ欠落以上の成果を齎すし、齎さなければならない。然るに今の停滞した世界はどうか? それまでに積み重ねた欠落に見合うほどの成果を得られていないではないか。
 そして欠落を埋めるほどの成果を得られないならば、さらなる欠落をもってさらなる成果を生み出さなければならない。そんな偏執的な思考の下、彼は聖杯の力で全人類規模の戦争を起こすことで人類を成長させ、現在の世界の停滞を打破しようと、当時ムーンセルで行われていた生存トライアルに挑んでいた。
 霊子ハッカーの適正はあるものの、その実力は最弱クラス。 しかし“死んでもまた再構成される”NPCの特性を利用して、幾度となく聖杯戦争を戦い抜き、百を優に超える戦いを繰り返す。その過程の中で徐々に実力も磨かれていった。
 そして幾度もの繰り返しの中、偶発的にアリーナでシャブティのデータを取得。それはやがてトワイスをムーンセルではなく、ゴッサムシティの聖杯戦争へと誘うこととなる。


【方針】

 聖杯を勝ち取るためにも、ガンナーに当事者としての戦争を体験させるためにも、他の参加者を発見し、戦う。

 確固とした土着の信仰が存在しない上に銃社会であるゴッサムシティはガンナーにとって自身の聖地を作り易く、上手くすれば適度に魔力を補充しながら、最高ランクの千里眼に加え複数の目を借りることで他のマスターを発見する確率を上昇させることができるのは、戦争における大きな強みであるといえる。但し魔力を撒き散らす都合上、このスキルの発動中は逆に他のサーヴァントや魔術師に存在を喧伝して回っているのに等しくなる上、常に魔力の収支がプラス以上に傾くとは限らないため、使いどころは考える必要がある。





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最終更新:2015年05月10日 17:15