それは、造られた生命だった。
幻の生き物の細胞を元に人のエゴによって産み出された複製であるそれは、自身の存在について自問自答を繰り返し、その果てに逆襲という答えを選択した。
それは逆襲の中で自身のオリジナルと邂逅を果たす。両者がとった行為は闘争だった。
互いに同じ存在、だからこそ許せない。自分こそが本物であると主張する為の闘い。
だがその闘いは、一人の少年によって止められる事となる。
文字通り、身を犠牲にした少年を悲しむ心に、オリジナルもコピーも変わりはなかった。
それは争いをやめ、自らの作ったコピー達とともに飛び立った。逆襲の為ではなく、今ここにある一人の生命としてこの世界のどこかで生きていく為に。
それは造られた存在だった。
ある英雄の複製として造られたそれは、記憶すらコピーした事で自身を本物と誤認し、製作者が仕込んでいたチップの影響によって人類へ宣戦布告した。
それは彼を止める為にやってきた同胞達との戦いの中で、倒した筈のオリジナルと再会を果たす。両者がとった行為は闘争だった。
同じ存在は二人もいらない。そういってそれは自分が本物である証左の為に銃口を向ける。
だが、知ってしまう。自身こそが英雄の複製であったという事実に。そして、その銃口が大切な存在である少女を撃ち抜いてしまった事で戦いは終わりを告げた。
自身が複製であったと認識し、絶望しながらも、その心にはオリジナルとは異なる自我が芽生え始めていた。
そして、自我を手に入れたそれは英雄の無実を晴らす為に、英雄の偽物となる事でその機能を停止した。
これはそんな複製達の物語の続き。
光もささない暗い街で、複製同士が邂逅する。
一人は主として、一人は従僕として。この悪趣味な戦のプレーヤーとして呼び寄せられた。
「よろしく、ボクはアーチャー。英雄の、偽物さ」
自嘲まじりの紹介が都会の喧騒に呑まれて消えた。
ビルの屋上に一つの影が立ち、煌びやかに輝くゴッサムの街を見下ろしている。
白い異形、それはまさしく現在ゴッサムを騒がせているUMAと同じ姿をしていた。
彼を知る者がいれば、彼をこう呼んだだろう。
ミュウツー、幻のポケモン・ミュウの遺伝子から作り出された、科学の申し子だと。
一陣の風がゴシップ誌の一面記事を吹き上げる。
ミュウツーが手を翳すと風で巻き上げられたゴシップ誌がピタリと動きを止め、彼のもとへ引き寄せられた。
一面を飾っていたのは遥か上空を舞うミュウツーらしきものの写真だった。
もっとも、それは彼にとって覚えのない、単なる捏造写真ではあったのだが。
「随分と人気者になっちゃったね」
不意に声が響くと同時に影が降り立つ。
それは一人の少年だった。
『どうでもいい事だ。騒ぎたい奴は勝手に騒がせておけばいい、アーチャー』
アーチャーと呼ばれたサーヴァントの脳内にミュウツーの声が響く。
どこからかサイレンの音が聞こえる。
どこかで、また事件があったのだろう。鳴り響くサイレンはゴッサムでは当たり前の様に聞くBGMだ。
『サーヴァントの気配が濃くなってきた』
「わかるの?」
『気配だけだ、明確な場所までは捕捉できない』
エスパーポケモンであるミュウツーは日に日に濃くなっていく気配をその身で感じていた。
かつて出会った少年の様に眩しく、純粋な意思も。
かつて自分を作り出し、また兵器としようとした男達の様に暗く、淀みきった意思も。
苛烈なもの、穏やかなもの、切実なもの、陳腐なもの、高潔なもの、低俗なもの。
この作り物の街の人間とは違う、自らの意思で戦いに身を投じる者達の強大な意思と様々な感情の波を、漠然とながらに感じていた。
そして、それは決戦が近づいてくる事を意味している。
「それで、君はどうするのかな」
『どのような願いがあったとしても、それが私の命を明け渡していい理由にはならない。
命が、自らの場所を脅かすものが現れたのならば戦わなければならない。
例えそれが、私やお前のような"複製"(コピーやクローン)だったとしてもだ』
アーチャーの瞳が、精巧に作られたカメラアイがミュウツーへと向けられる。
『夢をみた、お前の夢だ。それでようやく、お前が自分を偽物と言った理由がわかった。ロックマン、といったか』
「……そっか」
アーチャーはそれだけを呟くとほほ笑んだ。
夜風に吹かれるその顔はどこか空虚で悲しげだった。
『私は生を望む。聖杯などというものに縋る事もない、生き物としてごく当たり前の望みだ。
アーチャー、とうに朽ちた筈のお前は何を望む。心を持った機械は何を願う』
「望み、か」
沈黙。
ミュウツーはただ黙して、アーチャーの答えを待つ
「もし許されるのならば」
ポツリと、アーチャーが呟いた。
「ロックマンやロールちゃん、皆にまた会いたい」
アーチャーが星空を見上げる。
その瞳に躊躇いと憧憬の色が混ざる。
「ロックマンのコピーじゃない。ボクはボクという存在として、皆と向き合いたい」
『……そうか』
アーチャーの願いを聞き、ミュウツーは思案するかの様に目を瞑る。
ミュウツーがミュウツーであるように、アーチャーもアーチャーという一つの存在であることを、改めて認識した。
サイレンが止み、ゴッサムの夜に束の間の静寂が戻る。
ミュウツーとアーチャーはただ二人、無言のままで夜風に吹かれる。
ミュウのクローンではなく、この世界で生きる一個の生命として。
ロックマンのコピーではなく、確かな願いを持って戦いに臨む一つの存在として。
誰の意志でもなく、自身の意志と自我をもって、彼らは聖杯戦争の渦中へと飛び込んでいく。
これはそんな、複製達の物語。
【クラス】
アーチャー
【属性】
秩序・悪
【真名】
コピーロックマン@ロックマン メガミックス
【ステータス】
筋力C 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具D
【クラス別スキル】
単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。
【保有スキル】
機械の身体:A
毒に類するスキル及び宝具の効果を無効化する。
電気を用いた攻撃、または電子攻撃を受けると一時的に行動不能になる可能性がある。
自己崩壊:D
長時間の戦闘を行うと耐久のランクが徐々に低下する。
低下したランクは修理する事で回復できるが、相応の機械工学知識が必要となる。
ロックマンの性能を極限まで上昇させた代わりに、アーチャーの体はその過負荷に耐え切れず
【宝具】
『ボクだけの英雄の証(ウェポン・オブ・ミスターエックスナンバーズ)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:自身
8つの特殊武器から任意の物を選択し攻撃を行う。
アーチャーが倒したミスターエックスに操られたロボット達の武器チップを用いて攻撃を行う。
この宝具はコピーである彼が世界救った証でもある。
武器の効果は以下の通り
○ブリザードアタック
アーチャーの周囲に氷結させた結晶状の弾丸をばら蒔く。
冷気や氷に弱い敵には威力が上昇する。
○ブラストフレイム
高温の火炎弾を弓なりの軌道で射出する。
火炎弾は床に着弾すると縦に、壁に着弾すると横に火柱をあげる
火炎や熱に弱い敵には威力が上昇する
○プラントバリア
自身の周囲に花弁状のバリアを一定時間展開する。
何かに接触する度に接触物にダメージを与える。
○トマホークブーメラン
手斧をブーメランのように投擲する。
一度に二本投擲可能
○ヤマトスピア
槍の穂先状のエネルギーを射出する。
Cランク以下の障壁・反射系宝具およびスキルを無効化する。
○ナイトクラッシャー
腕部より鎖つきのトゲ鉄球を射出する。
威力が高い代わりに有効射程が短い。
○ケンタウロスアロー
弓矢の形状をしたエネルギー弾を連射する。
この攻撃は射出時の対象のいる位置めがけて追尾する。
○ウィンドストーム
小型の竜巻を三連射する。
巻き込まれた相手は上方へと打ち上げられる。
【weapon】
ロックバスター
オリジナルとは違い、バスターは左腕になる。
またチャージショットより通常ショットの連射をアーチャーは多用する。
【人物背景】
Dr.ワイリーの三次元立体コピーシステムによって生み出されたロックマンのコピー
正確や記憶まで寸分たがわずロックマンと同等だが、ワイリーによって悪のチップが埋め込まれていた事で、人間の殺害などにも抵抗がない。
出現してすぐに自身が本物のロックマンであると誤認、本物のロックマンを偽物と判断して撃破し、そのままワイリー扮するミスターエックスと8大ボスを撃破する。
だが、そこでワイリーが仕込んでいた悪のチップが作動し人間に対して宣戦を布告。
彼を本物のロックマンと勘違いして凶行を止めにきたドクターライトナンバーズと交戦中にDr.コサックに修理された本物のロックマンと再会して戦闘になるも、そこで自身がコピーであることを知ってしまう。
真実を知った彼は自分が本物となる為にロックマンを攻撃するが、その攻撃をロールちゃんが庇い重症を負った事で戦意を完全に喪失してしまう。
怒りに燃えるカットマンに破壊されそうになったところをシャドーマンに助けられ、「死ぬにしろ生きるにしろ、自分で考えろ」という言葉を受け、自分の為すべきことを決断する。
偽物のロックマンとして本物のロックマンに討たれる為、一度破壊した新宿で再度破壊行為を行っていたが、力を感じて現れたフォルテの手によって重症を負ってしまう。
その場に現れた本物のロックマンと邂逅し和解はできたが、その体はすでに爆破寸前の状態となっていた。
最後はフォルテを巻き添えに自爆し、その身を挺して仲間を守った彼は、その最後の瞬間に間違いなく本物のロックマンとなった。
【サーヴァントの願い】
"ボク"としてまたロックマンやロールちゃん達に会いたい
【マスター】
ミュウツー@劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲
【マスターとしての願い】
聖杯に望む願いはない。ただ、生きる
【weapon】
なし
【能力・技能】
念力によるサイコキネシス、テレパシー、空中浮遊、テレポート
但し、サーヴァントに有効打は殆ど与えられず極低ランクの対魔力でも持っていれば無効化される。
【人物背景】
ミュウのまゆげの化石から造られた遺伝子ポケモン。
自らの存在意義について悩み続けた果てに、自分を生み出したすべての存在に対して逆襲を画策する。
ジョーイを念力で操りサトシを初めとしたトレーナーに最強のポケモントレーナーとして招待状を送りつけ、その手持ちポケモンをすべて奪いコピーポケモンを作成。
その軍勢を率いて逆襲に乗り出そうとするもサトシらの活躍によってオリジナルのポケモン達が解放され、また、自身のオリジナルであるミュウの介入もあり、コピーVSオリジナルの構図へと状況が変わる。
コピーとオリジナルのポケモンが自分の存在意義を賭けて争うなか、ミュウツーとミュウも戦闘を開始。激闘が展開されるが、それを見かねたサトシが身を呈して二人の戦闘に介入し、戦闘は中断。
動かなくなったサトシに対してコピー、オリジナルを問わずに涙を流すポケモン達の光景を見て考えを改める。
逆襲をやめ、この世界のどこかで生き続ける為に、コピーポケモンを連れてミュウツーはどこかへと飛んでいった。
その後、話は「ミュウツー、我ハココニ在リ」に続くが、今回はミュウツーの逆襲から我ハココニ在リの間の時期から参戦。
【方針】
その目立つ見た目からミュウツーは日中動かず、単独行動のあるアーチャーが人間形態で情報を集めて回る事になるだろう。
戦闘面では、アーチャーが中~遠距離から武器チップの手数を駆使して戦闘をすすめるタイプで接近戦は不得手。
しかし、ミュウツーが瞬間移動や念動力を駆使する事でその弱点はある程度解消できるだろう。
ミュウツーは魔力が豊富であり、アーチャーも単独行動がある事と宝具の燃費も高くない事から継戦能力は高いが、長時間の戦闘は耐久のランクが減少する可能性がある。
ミュウツーではアーチャーは修理できないので、戦闘を控えるなり、同盟を組む必要が出てくる。
もっとも同盟に関しては、ミュウツーの姿を見たうえで、同盟に了承してくれる陣営があればという前提になるが。
最終更新:2015年05月20日 23:44