誘われ方
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ボウリング場:ダーツコーナー
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- 2年目12月
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氷室「ねえ。」
〇〇「あれ、氷室くん。どうかした?」
氷室「この後、どうする?」
〇〇「どうするって……帰るんじゃないの?」
氷室「短絡的。」
氷室「もう少し一緒にいたいとか、思わないわけ?」
〇〇「えっ。」
氷室「せっかくだし、どこか行こう。……二人だけで。」
〇〇「うん、いいよ!」
氷室「そうこなくっちゃ。」
〇〇「なんかドキドキするね?」
氷室「べつに。それより、行くよ。」
氷室「見つかると面倒なことになりそうだし。」
〇〇「ちょっと用事があって……」
氷室「なに、それ。」
〇〇「ごめんね……」
氷室「用事があるなら仕方ないでしょ。……じゃ、帰る。」
〇〇(氷室くん、落ち込んでたみたい。悪いことしちゃったかも……)
氷室「水族館でよかった?」
〇〇「うん!」
氷室「あ、そ。」
氷室「……………………」
〇〇「氷室くん?」
氷室「あ、いや……」
氷室「いざ二人きりになったら、何話していいか迷って……」
氷室「やきもきしてた時は、いろいろ話したいことあったのにな。」
〇〇「そうなんだ?」
氷室「ま、ね。」
氷室「せっかくだし、話したいこと思い出すまでつき合ってよ。」
〇〇「うん、いいよ?」
氷室「……明日までかかるかもよ?」
〇〇「ええっ!?」
氷室「冗談。」
氷室「ま、遅くなっても送るし、じっくりつき合って。」
氷室「ようやく二人きりだ。」
〇〇「氷室くん?」
氷室「なに。君は僕と二人きりになりたくなかったわけ?」
氷室「こっちは、早く他のヤツら出し抜きたかったのに。」
〇〇「そうなの?」
氷室「鈍感。」
〇〇「う……」
氷室「みんなが君に馴れ馴れしくしてるの見るのってある意味拷問。」
氷室「触るなとか言いたかった。」
〇〇「えっ!」
氷室「……けどそんなこと言えるほど、空気読めないヤツにはなりたくなかったし。」
〇〇「……氷室くんは、楽しくなかった?」
氷室「なかった!」
〇〇「そ、そうなんだ……」
氷室「や、総合的に見たら悪くなかったけど。」
氷室「君だっていたし、なんだかんだで居心地悪くないし。……うるさいけど。」
氷室「けど、二人きりのほうがいい。」
〇〇「そっか。」
氷室「だから、今から取り戻すから。覚悟して。」
〇〇「ふふ、わかった!」
氷室「……………………」
〇〇「どうしたの?」
氷室「ちょっと優越感。」
氷室「あの二人は、こうやって僕が抜け駆けしてるなんて思ってないだろうし。」
〇〇「えっ、抜け駆け?」
氷室「そ。やっぱ人数いると、いい雰囲気になれないから。」
氷室「だから、今からが本番。」
〇〇「う、うん。」
氷室「緊張してる?」
〇〇「少し……」
氷室「ふうん。……じゃあ、こうするか。」
〇〇「?」
〇〇「えっ!あの氷室くん、手が……」
氷室「知ってるよ。わからないの?わざとだって。」
〇〇「そ、そっか。」
氷室「どこまで鈍感なの。」
氷室「ま、困惑してるってことかな。顔も赤いし。」
〇〇「……そういう氷室くんも。」
氷室「えっ。」
氷室「……ウルサイ。映画始まるから静かにして。」
〇〇(もう……!)
氷室「…………」
〇〇「あの、氷室くん……?」
氷室「なに?」
〇〇「さっきから黙ってばかりだから。」
氷室「僕から話題を提供しなきゃいけないわけ?」
〇〇「そういうわけじゃないけど……」
氷室「ホントのところ、何話せばいいのか、よくわからない。」
氷室「いろんな気持ちが渦巻いてて。」
氷室「今日は楽しかったけど、ムカムカもしたし。」
氷室「抜け駆けできて嬉しいけど、……罪悪感もあるし。」
氷室「気の利いた言葉言いたいけど、全然出てこないし。」
〇〇「氷室くん……」
氷室「だからなんていうか……わかって。」
氷室「結局のところ、一緒にいられれば、僕はそれでいいから。」
〇〇「……うん。」
氷室「どうも。」
氷室「はあ……疲れた……」
〇〇「お疲れさま。」
氷室「ホント、肩こった。……なんで、あのメンバーで遊ぼうと思ったんだろ。」
〇〇「嫌なの?」
氷室「嫌ってわけじゃないけど……」
氷室「……気は張る。」
〇〇「仲良さそうなのに……」
氷室「それとは別問題。」
氷室「ていうか、仲がいいわけじゃないし!」
〇〇「えっ、そうなの?」
氷室「そうだよ。」
氷室「……まあ、仲が悪いわけでもないけど。」
〇〇「ふふっ。」
氷室「なに、その「わかってます」的な笑い。ムカつく。」
〇〇「ごめんね?」
氷室「悪いと思ってないでしょ?まったく……」
〇〇(素直じゃないなあ)
氷室「……うわ、最悪。」
〇〇「どうしたの?」
氷室「振り向かないで聞いて。」
氷室「君の真後ろの遊具の、さらに奥に、盛り上がったカップルがいる。」
〇〇「もり――」
氷室「振り向かないで、って言ったでしょ。」
〇〇「!?」
氷室「本当……なんでこんなところで、妙なムード出すかな。」
氷室「あーあ……本当、見てらんない。」
氷室「ま、はば学の制服じゃないから良かった。知り合いだったりしたら、それこそ最悪だし。」
〇〇「あ、あの氷室くん……!」
氷室「なに。」
〇〇「ち、近いよ?」
氷室「!?」
氷室「ご、ごめ――いや!ていうか振り向くなって言ったのに、振り向こうとしたのはそっちだから!」
氷室「それを制止させるために仕方なく近づいただけだし!」
〇〇「う、うん。」
氷室「……ハァ、これじゃあそこのカップルと変わらない。」
〇〇(色んな意味でドキドキした……)
氷室「それにしても、君って愛されキャラ?」
〇〇「……どういうこと?」
氷室「今日の二人、君のことすごくちやほやしてたから。」
〇〇「えっ!」
氷室「なに?自覚ないの?みんな、君ばかり見てたのに。」
〇〇「そうかな……?」
氷室「じゃあ僕が見てたのも気づいてないんだ?」
〇〇「え?」
氷室「僕も見てた。だから、わかった。みんなが誰を見ているのか。」
氷室「……でも、肝心な部分はまったくわからない。」
〇〇「肝心な部分……?」
氷室「君。」
〇〇「え、わたし?」
氷室「君が誰を見ているのか、ってこと。」
氷室「君は、誰を見ているの?今日の二人のどちらか?それとも、また別の誰か?」
〇〇「今は……氷室くんを見てるよ?」
氷室「え……」
氷室「たしかに。今、目の前の君を見てなかったのは、僕のほうかも。」
氷室「……ありがと。大事なこと、見失ってた。」
〇〇(氷室くん……)
氷室「ふう……」
〇〇「氷室くん?」
氷室「ようやくひと息つけたって感じ。」
〇〇「みんなと一緒だと楽しめなかった?」
氷室「そんなことはないけど、いちいちうるさい。」
氷室「やっぱ、二人きりのほうが落ち着く。」
〇〇「そっか。」
氷室「君は?」
〇〇「え?」
氷室「僕と二人きりより、みんなと一緒のほうがいい?」
〇〇「うーん……どっちも楽しいかな?」
氷室「優等生な回答。」
氷室「僕ばっかり浮かれてるみたいで、なんかムカつく。」
〇〇「そんなことないと思うけど……」
氷室「じゃあ、君も今、緊張してる?」
〇〇「……うん、してるかな。」
氷室「そっか……」
氷室「誘えて良かった。」
〇〇(氷室くん……)
氷室「……よしっ。」
〇〇「氷室くん、すごいね!」
氷室「べつに。」
氷室「……でも、ほっとした。」
〇〇「え、どうして?」
氷室「君を連れ出してみたものの、楽しませられなかったらどうしよう、って……」
氷室「少し、プレッシャー感じてたから。」
〇〇「ええ?」
氷室「それくらい、4人で遊んでた時、君は楽しそうにしてたから。」
氷室「僕と二人きりになった途端、様子が変わったら……って、内心不安だった。」
〇〇「そんなことないのに……」
氷室「そうみたいだね。」
氷室「安心したら、無駄な力抜けてきた気がする。」
氷室「また、ど真ん中入れてみせるから、きちんと見てて。」
〇〇「ふふ、うん……!」
氷室「今日の写真、プリントアウトしてこようかな?」
〇〇「今日のって、みんなとの?どうして?」
氷室「邪魔者の顔なら、さくっと狙える気がするし。」
〇〇「え……ええっ!?」
氷室「個人的な恨みはないけど、君が関わってくると邪魔。」
〇〇「もう……仲良くしないとダメだよ。」
氷室「そんなに心、広くないから。」
氷室「ひとり年下な分、ちょっと不利だから焦るし。」
〇〇「不利なの?」
氷室「そりゃそうでしょ。上手く、リードできないし。」
〇〇「そんなことないのに……」
氷室「ま、これは僕自身の問題だから。君は気にしないで。」
〇〇「う、うん……」
氷室「たとえ、みんなの顔写真を印刷してきたとしても。」
〇〇「それはダメです!」
氷室「君と来られてよかった。」
氷室「君以外……たとえば男とこんなキラキラした場所なんてナンセンスだし。」
〇〇「ふふっ。」
氷室「何笑ってるの?想像でもした?」
氷室「……ま、前まではこんな場所を歩くカップルとかありきたりでナンセンスって思ってたけど。」
〇〇「え、そうなの?」
氷室「ほんの少し光で飾られてるだけなのに「特別幸せ」みたいな顔して馬鹿みたい、ってね。」
氷室「……けど、今、こうして君と一緒に歩いてると、ちょっとその気持ちわかる。」
氷室「なんか心がくすぐったい。」
〇〇「……うん。」
氷室「やっぱり、君だけ誘ってよかった。」
〇〇「みんなには悪かったけど……」
氷室「べつに?昼間十分楽しんだし。」
氷室「最後ぐらい僕が独り占めしたっていいでしょ。」
〇〇(氷室くん……)
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