878 名前:
特撮番組「機動ライダーG」 :2012/04/04(水) 20:31:08.88 ID:???
‐優しさを忘れた現代、街行く人々は他人を思いやる心を失っていた。だが、そんな時代に生きる1人の若者がいた!‐
大学のラグビー部
コウ「ごめん!自転車のチェーンを直してたら遅れた!」
キース「また?もう慣れたけどさ」
バニング「今日はOGが来てるんだから遅れん様にと言ったはずだぞ?」
リョウ「まあ良いじゃねえか、サボってたわけじゃねえんだしよ」
コウ「ありがとうございます、リョウさん」
コウ「(この人はリョウ・ルーツ、警察官だ。ラグビー部のOGで代表候補にも選ばれている。
俺は中学の時にこの人のプレーに出会って以来、ずっと追いかけてきた。憧れの人って奴さ)」
コウ「リョウさん、あれ見せて下さいよ」
リョウ「ん、あれか?いいぜ」
リョウはそう言うとボールを持ってグラウンドに飛び出し、守備練習に乱入する。
まずリョウが彼らのタックルを華麗に避ける。すると残りの部員がリョウを止めようと向かってきた。しかし!
リョウは両足を揃えて回転しながら大ジャンプ!クロスバーも飛び越える!
そして体を開きブレーキをかけると急降下!そのままトライを叩き込んだ!!
リョウ「へへ、どうだ?俺の『ディープストライカー』は?」
コウ「やっぱり凄いですよ!俺もいつか、あんな技が出来たらいいな」
キース「す、凄えや……!さすが代表候補だ」
リョウ「ああ、だが候補じゃ終わらねえ。俺はこの技で代表になってやるぜ!」
879 名前:特撮番組「機動ライダーG」 :2012/04/04(水) 20:32:30.11 ID:???
リョウ「さーて、ちょっと休もうぜ。休憩も練習の内だ」
部員達「「はい!!」」
その様子を見つめる怪しげな男が……
カイ「……」
コウ「そういえば、あの人さっきからずっと見てますよね?」
リョウ「オレの取材か?公務員ラグビー選手の挑戦!ってな」
こちらが気付いたのが分かったのか、カイは近付いてくる。
カイ「コウ・ウラキ君だな、少し時間を貰えるかい?」
コウ「え?俺?」
皆からちょっと離れた場所
カイ「コウ・ウラキ……またの名を
機動ライダーステイメン」
コウ「!?」
カイ「あの場面を見てたんだ。
俺は
カイ・シデン、フリーのジャーナリストで、君の力になれる男さ」
コウ「……ジャーナリスト?カイさん、あなたを信じます。これについて何か知っていますか?」
そういうと、コウは前の戦いで手に入れたカードをカイに渡した。
カイ「……秘密結社ロンド・ベル。やっぱりな」
コウ「やっぱり?何か知っているんですか!?あいつらが人を襲う目的とか……」
カイ「それを説明するには、まず人の心の光の事を話さなきゃな」
カイ「人の心の光……簡単に言えば、他人を思う心、共感する心だ。
お前が機動ライダーになれたのも、守りたいって気持ちで心の光が溢れたからだ」
コウ「そんなものを集めて、ロンド・ベルはどうしようというんですか?」
カイ「コイツを集めて、一気に放出すれば、地球は共感する心で満たされる。
そうすれば、この世から争いが消えるんだと」
コウ「なんとなく分かるけど……その為に光を奪うなんて、間違ってます!」
カイ「そうだ。それにもう1つ……
ところでコウ君、もうすぐラグビーのリーグ戦が開幕するが、今季の目標は?」
コウ「それはもちろん、優勝する事……あっ」
カイ「よく気付けたな。心の光だけじゃ他人を思いやるだけで、競争心や向上心は生まれないのさ」
コウ「そうなれば、発展が止まって人間は退化してしまう……!」
キース「う、うわああああっ!!!」
カイ「コウ君!」
コウ「はい!!」
880 名前:特撮番組「機動ライダーG」 :2012/04/04(水) 20:33:43.72 ID:???
ガロード「皆から貰えばたっぷりってね、いっちゃうぜー!!」
GXっぽい姿の怪人が、肩に担いだ掃除機のようなもので心の光を集める!
リョウ「俺の後輩に何しやがるんだ!?」
コウ「リョウさん!大丈夫ですか!?」
リョウ「コウ!お前はさっさと逃げろ!ここは俺が……」
コウ「いえ、俺が戦います!リョウさんは下がっていてください!」
コウはリョウの前に立ち塞がり、ポーズを決める!
コウ「変身!!」
ベルト(CV:デュオ)「機動RIDER STAMEN Sortie!!」
リョウ「お、おお……!」
ガロード「なんだかヤバいぜ、攻撃モード、オン!」
肩の掃除機がキャノン砲に代わる。そして連射!爆発!
コウ「吶喊します!うおおっ!!」
だが、コウは意にも介さず爆風の中を突進する!
ステイメンの重いコンボ攻撃が、ガロードにヒット!!そして……
コウ「とうっ!」
ベルト「Maximum Brightness……ZEPHYRANTHES!」
ガロード「させるか!最大出力、サテライトキャノン!!」
ずごおおおん!!極太のキャノンはステイメンを巻き込み大爆発!
コウは地面に叩き付けられてしまう!
コウ「うわっ!!」
リョウ「コウ、大丈夫か!?」
ガロード「へへっ、必殺技やぶれたり!ってね」
コウ「くっ、あいつのキャノンを破るにはどうしたら……!」
リョウ「……ディープストライカーだ。
あの上から叩き込む動きなら、ビーム砲のディフェンスを突破できる!」
コウ「確かにあれなら……でも、今の俺のレベルじゃ……」
881 名前:特撮番組「機動ライダーG」 :2012/04/04(水) 20:35:22.15 ID:???
リョウ「馬鹿野郎!!テメエが出来ないと思ってる内は出来ねえんだよ!!
あんな化け物に負けるなんて、俺達ラグビー部の築いた歴史の恥なんだよ!!」
コウが立ち上がる。バイザー越しのその瞳には、確かな自信の炎が宿っていた!
コウ「俺、やってみます!あいつを倒すために!!」
ガロード「何度やっても同じだぜ!」
コウ「覚えておけ!ニンジンと困った人が待つ限り、俺は何度でも挑み続ける!とうっ!」
コウは助走をつけると、両足を揃えて回転しながら大ジャンプ!
ガロード「食らえ、サテライトキャノン!」
しかし、空中に向けて放ったサテライトキャノンをコウは飛び越える!
ガロード「へへ、俺まで飛び越えちゃうぜ!」
コウ「そうかな!?」
コウが体を開く!コウの頭上にニンジン型のオーラが発生し、両手で掴む!!
ベルト「Maximum Brightness……DEEP STRIKER!!」
コウ「うおおおっ!!」
そして、必殺のトライ、ディープストライカーをガロードに叩き込んだのだった!!
リョウ「お前も凄えよ。あんな化け物と戦ってたなんてな」
コウ「いえ、まだ2回戦ですよ」
リョウ「ははっ、そうか……と、これ貰っとけ」
コウ「リョウさんの名刺?」
リョウ「俺はこれでも警察だぜ?」
コウ「でも……」
カイ「コウ君、ロンド・ベルは社会の至る所に根を張っている。だが、この人は信頼できるんだろう?」
リョウ「ああ、表立って応援は出来ねえが、出来る限りの手助けはするぜ」
コウ「分かりました、ありがとうございます」
先輩と後輩の絆が、ステイメンに新たな技を生み出した!
ラグビー部の誇りを胸に!戦え、ステイメン!!つづく!!!
この放送は、スプーンから宇宙戦艦までのアナハイム・エレクトロニクスと、
ラー・カイラム、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。
882 名前:特撮番組「機動ライダーG」 :2012/04/04(水) 20:35:55.45 ID:???
舞台裏
リョウ「ったく、警官が出ていいのかよ。そもそもラグビーなんてやった事ねえし」
ハロ長官「かっこいいから良いんじゃない?」
リョウ「良いんじゃない?って、ディープストライカーやれって言われたらどうすんですか!
あれ、ワイヤーアクションなんですよ!?」
ハロ長官「上手くごまかすのもヒーローの役目、だよ」
ブライト「さあ、
次の撮影場所に行くぞ。ハロ長官、あそこの交通規制をお願いします」
ハロ長官「任せといてよ。いい画が撮れるのを期待してるよ」
おわり
最終更新:2015年01月29日 19:27