1、神代大戦
リーフと呼ばれるこの世界が誕生して間もなく、世界創造のために5柱の獣神が降り立ちました。 魔術を用いて世界の理を構築する役目の、刻獣神 アルシレス=レス・テリオン。 世界創造のための力を混沌から汲み出す役目の、渦獣神 ネームレス・テリオン。 生死を司り、生者と死者を管理する役目の、冥獣神 カサラ=イル・テリオン。 世界を四季様々な美しい風景で飾り付ける役目の、翔獣神 ウィル・テリオン。 そして、世界にとって不要な物を破壊する役目の、獣皇神 レックス・テリオン。 5柱の獣神はそれぞれに世界創造を進めていきました。世界創造を助ける生命を生み出し、世界は 命に満ちてゆきました。 しかし、よくある話ですが、世界創造の方策を巡って神々の間に争いが起こりました。結果として、 暴獣神レックス・テリオン以外の獣神は滅びてしまいました。
2、神樹降臨
ところが、勝ち残ったレックス・テリオンは戦いを止めませんでした。 滅ぼされた神々に生み出された者達も、創造主の仇である暴獣神を恨みました。 暴走するレックス・テリオンにより、折角創造された世界が滅びようとしたとき、一本の巨木が世界 に降り立ちました。 降り立った巨木、神樹 スゥイカは荒れ狂う暴獣神を前にしてその枝を開き、暴獣神は大人しく眠り につきました。 神樹の枝には無数の実が成り、その実から様々な生き物たちが生まれました。 ですが、生まれた生き物たちに、滅びた古代神に創造された者達が襲いかかりました。 その為、神樹は暴獣神の力を借りて、3つの実を成らせました。 3つの実からは暴獣神と神樹の力を受け継ぐ3柱の獣王が誕生しました。
3、護法結界
最初に生まれたのは聖獣王 ネルガート・マキ。 彼女は古代神の創造物達の中でも強力な者を世界の外に追放し、高空の大天蓋に護法結界を張っ て、 追放した者達が侵入できないようにしました。 次に生まれたのは妖獣王 ゲオルグ・トラップ。 彼は、大量に残った小粒な古代神の創造物達を地下大空洞の最奥にあった冥界門の奥に押し込めて、 護法結界で蓋をました。 最後に生まれたのは幻獣王 ジーザス・ディアマンテ。 彼は、最後に残った古代神の創造物、比較的善良で大人しく、しかし生き物達に影響を及ぼしそうな 者達を、護法結界で包んだ幻獣界と言う場所に移住させました。 斯くして、神樹から生まれた生き物達は、脅かす者も無く平和に暮らしていました。
4、妖精船団
ある時、大天蓋の護法結界を突き破って大船団がリーフの大地に不時着しました。 それは、自分の世界を失って流離っていた、異世界の妖精達でした。 妖精達はリーフを第二の故郷と定め、自分達の住み易いように改造を始めました。 その第一歩として、彼らは自分達の作業を手伝ってくれる召使いを作ろうとしました。 現住生物の遺伝子に手を加え、高い知能と器用な手を持たせようとしました。 彼らは最初に、森で暮らしていた進化途中の肉食獣を捕獲して遺伝子操作を行いました。 生まれた生物は、乱暴で排他的な上、いまいち知的ではなかったため、彼らはその生物を森に廃棄し ました。廃棄された生物は樹海で原始的な狩猟と採取の生活を送り、アマゾネスと呼ばれる種族にな ります。 彼らは次に、小さな齧歯類を捕獲して遺伝子操作を行いました。今度は注意深く操作を行ったため、 生まれた生物は知能も倫理観も高かったのですが、妖精達が注意を逸らした隙に地下に逃げこんでし まいました。逃げた生物は地下で高度な文化を築きプグラシュディグ人と呼ばれる種族になります。 度重なる失敗に飽きた彼らは、手当たり次第に生き物を狩って遺伝子操作をくわえてゆきます。様々 な動物の要素を掛け合わせて行った結果、取り立てて特徴のない生物が生まれました。それがゾアノ イドです。
5、獣翼戦争
ゾアノイドと言う助手を手に入れた妖精達ですが、数も少なく体力のない彼等に代わってゾアノイド 達に仕事の大半を任せるようになりました。 その過程でゾアノイド達は、妖精達の持ち込んだ様々な道具の使い方を覚えてゆきました。 それらの道具の中には、身を護るための様々な武器もあり、ゾアノイド達は獣から身を護ったり、狩 りをして暮らすようになりました。 ところがある時、妖精の科学者が発明した『空間接続装置(通称:ゲート)』により、異世界への扉 が開かれました。 ゲートが開いた先は、翼を持つ人々が住まう、炎の世界。気性の荒い翼人相手に、交渉は決裂。二つ の世界を股にかけた戦争が幕を開けました。 ゾアノイド達は妖精の武具を身に纏い果敢に戦いました。彼らには暴獣神の血が流れているのです。 いざ戦いとなったら後に退く者はいませんでした。 しかし、それは平和を愛する妖精達の望む所ではありませんでした。 妖精達は、争いの発端であるゲートを塞ぎ、ゾアノイドから武具を始めとする道具一切を取り上げ、 自分達は姿を消しました。
6、聖王国の歩み
- 獣耳世界の神々
獣皇神=暴獣神 レックス・テリオン
世界創造のため、大地に降り立った五獣神の一柱。“神代大戦”の勝利者。 軍神、創造神として崇拝される反面、破壊神として畏れられてもいる。 ◎司る側面:創造、破壊、闘争、勝利、荒野
神樹 スゥイカ
獣皇神の暴走を止めるため、降臨した巨木。世界樹とも称される。 神樹海の中央にそびえ、あらゆる生命の母と敬われる。 ◎司る側面:平和、癒し、眠り、安らぎ、森
聖獣王 ネルガート・マキ
神樹と獣皇神の間に生まれた魔獣王の一柱。 高空の大天蓋に天の護法結界に張って、外世界からの侵略者を防いでいる。 ◎司る側面:天空、天候、防壁、権力、境界
妖獣王 ゲオルグ・トラップ
神樹と獣皇神の間に生まれた魔獣王の一柱。 地下大空洞の最奥に地の護法結界を張って、冥界の妖獣達を封印している。 ◎司る側面:大地、鉱物、墓地、文化、機械
幻獣王 ジーザス・ディアマンテ
神樹と獣皇神の間に生まれた魔獣王の一柱。 紫の月を幻の護法結界で包み、地上へ影響せぬ様に幻獣達を指導している。 ◎司る側面:夜、魔力、幻影、夢、紫の月
- 滅びた神々
渦獣神=禍獣神 ネームレス・テリオン
世界創造のため、大地に降り立った五獣神の一柱。“神代大戦”で滅びた。 ◎司る側面:変革、混沌、無形、不定、感情
冥獣神 カサラ=イル・テリオン
世界創造のため、大地に降り立った五獣神の一柱。“神代大戦”で滅びた。 ◎司る側面:葬送、再生、寿命、輪廻、剣
刻獣神 アルシレス=レス・テリオン
世界創造のため、大地に降り立った五獣神の一柱。“神代大戦”で滅びた。 ◎司る側面:停滞、魔術、記録、不変、書物
翔獣神 ウィル・テリオン
世界創造のため、大地に降り立った五獣神の一柱。 “神代大戦”では、無関心の立場を貫いたが、それ故に集中攻撃を受け最初に滅びた。 ◎司る側面:芸術、飛翔、儚さ、予言、射撃