「えー、山塚君、今年ドラフトでも注目されるであろう投手へと成長した訳だけど今の気持ちはどうですか?」
記者のコメントにも俺は控えめに語る。
「まだまだです――もっと高みを目指さなくては……」
「そうですか~、ですが箱壬選手も居ない以上三年生投手で素晴らしい選手は鈴丘選手だけとも言って良い程なのですがね~」
俺がその名前を聞いた時、若干忘れかけていた記憶が蘇ってくる。
俺がライバルだと思っていたアイツを……俺が一生を掛けても超えてみせると思わせたアイツを――
――今はもう居ない、奴は戦いの場には再び戻ってこない。
生きがいを失った気分だ……もう俺はこれ以上伸びないかもしれない。
今の俺は全国制覇を成し遂げた箱壬を――越した。
あの時、俺が一生掛けて追いついてみせると誓ったアイツを超えたんだ。
だから俺はもう、誰にも負ける事はない――そう、誰にも。
だから、俺の強さをアイツにも分からせてやるんだ、
そして後悔させてやる――アイツが戦場から消えたことを!
フフフ……
フハハハハハハハハ!!!
第一章 “闇の怪物~山塚広樹-ヤマツカヒロキ-~”
最終更新:2010年02月10日 12:29