――山塚と知り合ったのは2年前ほど前の事、
俺の所属していた
鏡星高校の野球部でチームメイトとして知り合ったのである。
当時から体格も良く当時から凄まじい才能と資質をもっており、一年の頃から140キロを連発、
さらに切れのあるスライダーやカーブを投げる上制球力もある素晴らしい投手だった。
実力的に一年の頃は俺とは大差がついていたため、
その時はエースにはなれなかったものの、
その素晴らしい才能からか俺が抜けた後、すぐにエースとして高校を引っ張って行ったのだ。
また今年のドラフトの目玉として注目されている選手の一人である。
一方当時から性格が悪く結構卑怯な面もありあまり先輩からも好かれなかった記憶がある、
果たして今はどうなのだろうか。
「箱壬がここで働いてるって聞いてね、こんなとこで働いてたなんて意外だねぇ」
「で、俺になんか用?」
園の門前での会話、園児たちが園内に入っていったのを確認した俺は山塚に用件を聞く、
山塚はゆっくりと口を開いた。
「単刀直入に言おう、俺と野球で勝負してくれないか?」
「まあそんなとこだろうとは思ったぜ――だが勝負の方法は?」
「そだなぁ……投手同士で一打席勝負ってのも味気ないよなぁ」
すると山塚はゆっくりとその勝負の条件を口にした。
「俺の所属する鏡星高校野球部とお前のチームで勝負、ってのはどうだ?」
「バカな……俺にはもう野球をする仲間なぞ居ない……勝負方法は他にもあるだろう?」
「いや、それ以外認めないね、箱壬が消えた鏡星がどれだけ強くなったかを知らしめたいんだ」
少し口調が荒くなった山塚、しかし俺は首を横にふった。
「無理だ――さあ、もう帰れよ……それに今日は平日だ、早く高校行かないとダメだろう」
そうして俺は園内にさっさと入り逃げるような形で彼の下を後にした、
俺の口には聞こえなかった……だがその時、山塚はニヤリと笑いこう呟いたという――
「ふぅん、ならば絶対に言う事を聞いてもらうからね……」
俺はなんとなくだが悪い予感がしていた……しかしこの時、
まさか山塚があんな恐ろしいことをするとは――誰にも予想がつかなかったのである。
最終更新:2010年02月10日 11:35